激闘再び、Heterologous
「オぬしもあいつと同ジ仇か、、うちはヤコ。百鬼夜行、、おかあとおとうの敵討チだぁァァァ、、ウウゥグァァッ! 〖三つ目ン大爪〗ェ‼」
目の前のおんな、
「ッ、敵討ちって何なんだこの!」
おれは即座に右手手根骨から外方向に向けてナノブレイドを生成、迎え撃つ。
異なる形状の刃が両者の間で交差、激突する!
そのまま鍔迫り合いを始めるも互いに一歩も譲らず、戦場は刹那に時止まる。
が、次の瞬間。
「、、ウァ──ゥウゥ、、〖
「な、マジかコイツ⁉」
火煙渦が視界を埋め尽くし
〉警告。
現在位置の温度、1500度超。
危険な温度です。
直ちに退避を推奨しま
るせぇ、んなこと炎の色見りゃわかるわ!
おれはそう心中で毒突きつつ、HFGシステム『ブラード』を起動。今回は内部フィールドの地磁気を横向きに増幅。
その結果、
傍から見るとおれと
「、、ウゥ──グ、ァ、うちの、、かいながァァ、、」
吹き飛び地面に叩きつけられた
原理は全くわからないが、あの状態になっても痛覚があるということか。何にせよこれはチャンスだ。
おれはコートの内側に忍ばせてあったUMPを取り出し──驚愕する。
熔けていたのだ。銃口が。ぐにゃりと曲がり、不格好に固まっている。
それは全体としてみればほんの少しであるが、効果は見事なもの。銃口が塞がれてしまえば銃なんてなんの役にも経たないのだから。
「クソ、さっきの火煙渦か!」
ほんの一瞬ではあったがおれの全身を包み込んでいた、そのごく僅かな時間に仕掛けたのだろう。よく考えれば火煙渦は
あの程度の時間であればおれには何のダメージもないからとタカをくくっていたら……ということは。
慌てて背中に背負っていたG11を確認すると……こっちも、か。特徴的な銃口が完全に熔けてかぎ爪のようになってしまっていた。
「、、ヒ、ャハ‼」
「!」
時間にしてほんの3秒ほど。見ると
おれは──
「こっちはまだ生きていたようだな」
ホルスターに収められていたP7のグリップを
BAN、VAN、VAN!!!
手始めに3発。さぁどう反応する?
「、、ガァッ‼ 〖
チッ、こいつもかよ!
「イィィ──〖大百足ェ行脚〗ァ!!」
今度は左腕。1秒もかからずに巨大な大百足に変化し、切り離され突進してくる。何度見ても信じられない変化の速さだ……だがな。
「ふん、ならこっちも同じようなことできるんだぜ──そらよっ!」
縦に大きく口を開け、おれを飲み込もうとする大百足。接触する丁度そのタイミングでおれは右腿から飛び出してきた筒を左手で掴み取り、大百足の口へ突っ込ませ──付け根の引き金を、そっと絞る。
次の瞬間、大百足が炸裂した。
降りかかる肉片を回避しつつ、おれは数歩下がる。力なく大百足が倒れ伏す。
おれの
今のは
これをうまく使えば
《なに、あれ。暴走してる、の?》
「……だとまだマシかもな」
そこには
「、、、、〖
その威容は正に
先程までは確かに「人」の形をしていたが、今や面影が残るのは顔だけ。そして変形したそれぞれの場所からまるで涙のように鮮血が滴り落ちていた。
「、、ワからナァイイ、、どウジテてこんなニモいたァぁーい、、でも! おかあとおとうの敵討チで、、痛み治マる、、かも、、、、かたーぁキキィィ!!」
《ご主人様、来るッ!》
ブレインの警告と同時に、
遠距離攻撃というのは最高だ。うまくいけば一方的に相手を倒せる、こちらは無傷で、距離によって相手の苦しむ様を見ずに。この考えは第四帝国の
おれは今、その真実を一身に受けていた。
「ぐ──あはッ、なんちゅう物量だ! さながら暴風雨だぞッ」
「アハハハハはハハハァ、、くるしめくるしめナきさけべぇ‼ イハハハアハっ」
全方位から膨大な量の炎が、水槍が、風雷が、光線が襲い掛かる。大部屋の半径は100メートルを優に超え、また旧時代に使用されていた機器の残骸が残されている。
故に回避は容易──という考えは甘すぎで。実際のところ様々な種類の妖怪達が繰り出す攻撃により片っ端から粉砕され、平地となってしまった。
しかも単なる物量ではなく様々な特性・パターンがあって
「ぐ、おぉっ──」
「ウ、、ひゃァ串刺し、、可哀ソ、、解ィ放!!」
避けたと思った〖
そのまま空中に持ち上げられ、風槌やら雷鎚やら濁砲が一斉に襲い掛かりその全てが直撃。
水槍から解放された時には羽織っていたコート……衣類の全ては消し飛び、合金表皮は散り去り、むき出しの
通常であればとっくに機能停止しているはずの損害だ。
そう。通常であれば、な。
「ブレイン。監視装置は全て」
《
「そうか、なら……もう演技は必要ないな?」
「、、???、、、、ナんだと!!」
なぜなら、なかったからだ。つい先ほど開けたはずの大穴が。
「悪ぃが超回復システムはお前らだけの専売特許じゃないってことだ。で、時間稼ぎはもう終わりにしようか。ブレイン、散布型反射緩衝フィールド展開開始だ」
《あいあいさー!》
「教えてやるよ、肉は鉄に勝てないってことをな」
さぁ、反撃開始だ。
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