記録映像
うっ、ぐっつ、あ、あああああぁぁああっ、ぎ、ぎぃぃ
あたまわれるかきまぜられるすくわれるほじくりかえされるふっとうするしめつけられるうらがえるまふたつになるまざるまざるまざるわたしうすくなるきしゃくされるしずむおりになるにえぎたるあわだつくるしいくるしいとびだす目が
だれがおまえのような虫にわたっす、ものかぐぅううっ、あ、が、がぎぃぃぃっ!?!?!?づづううう、ぜ、あっぎ、ぐああざか、あああっ
⦅強情な女だ。もう200年も経つのに未だ抗うとは。折角多少は自由にしてやっているというのに、わからずやだな。誰も助けに来ないぞ。もちろん元カレもな⦆
づづづっあ、がぁああっ!まけるものか、おまえたちディア、ぎぃいあぐっ⁉
⦅しばし寝てろ。なに、ちょっと覗くだけさ⦆
たすけ、て、、、あ。
涙、涙、涙、滝、涙、涙、涙、滴、涙、涙、涙、濁、涙、痛、求、助、助、解放
静寂と書かれたカーテンが勢いよく開けられた。
コツ、コツ、コツ、コツ…………
《南沙人工岛天空/海军基地》、最下層。本来であれば誰かしら人がいるはずであるこの場所は、今、誰もいない。対岸の国で発生した「最終決戦」を支援するべく全ての
もっとも、その数は非常に少ない。
簡単に言うと腰を据えるのではなく常に移動しながら、「反撃される前に倒す」という、遠距離主体の戦い方だ。
異形生命体との戦いは
が、決定的に違うのは生活基盤が海中心であることだ。海人を陸人に即座に変えるのは極めて難しい。
陸上での、突発的な事案が発生すると重要施設までガラ空きにせざるを得ない。翠玉国が潜在的に抱える弱点の一つだ。
扉の前に立ち、かつて日本で売られていたジョークグッズを元に魔改造されたインターフォン。その
ギャ────ッ! ヘッヘッヘッヘ~
愛嬌のある、ちょっと不気味な
確かハロウィーンで売られたものだったな。そういえば今日も同じ日か。
もちろん断りを入れるはずもなく、無遠慮にデスクに近づきコンピューターを起動させる。
無骨な起動音が部屋に響く。
∧ ∧
(≧∀≦*)ノ~いらっしゃい♪
ようこそ! わたしはこのコンピューターの管理をフェイホン様より申しつけられている「
よろしくおねがいしますね!
ゲスト 様は初めてのログインですね? IDとパスワードをお持ちでしたら下の画面に入力を、お持ちでなければ申請手続きをおねがいします♪
キーボードを操作する音
∧ ∧
(≧ヮ≦●)ノ~入力ありがとうございます!
……縺倥%縺、様ですね! ログインを承諾致しました!
本日はどのような御用でしょうか?
キーボードを操作する音、Enterキーを力強く押す音!
∧ ∧
(*≧ω・)ノ~録画ファイルの再生、ですね! 承知しました!
以下のファイルでよろしいですか?
作成日時:2298/10/26、09:23
ファイル名:会談録⑨、字幕付き
作成者:翡紅(フェイホン)
参加者:翡紅、
<はい いいえ>
∧ ∧
\(*^▽^*)ノ~只今読み込み中です
<再生開始>
◇
翡紅: 「よっと。さて、始めましょう。移動したばかりで疲れている中、しかもこんな朝早くから悪いわね」
曲直瀬:「いえいえ! こちらといたしてもこの問題は早急に解決するべき事案ですから」
翡紅: 「双方にとってもね。その前に……今回はどんな本かしら?」
曲直瀬:「睡蓮、こっちに持って来て。……ありがと。どうぞ、
(曲直瀬が両手で翡紅に7冊の本を一冊ずつ渡し、更に一枚の紙切れ、細長い紙片、太さ1センチ長さ20センチ程の棒を渡す)
<一時停止>
<拡大>
動画の質は
『ゾンビと不運』、『デンノコ男』、『服を継ぐもの』、『Love Craft 全集3』、『イーリアス』、『就職転生7』、『ロボイドは十一脚獣の角度を見るか?』であった。
……全くもってわけがわからないよ。
<縮小>
<再生>
(翡紅は、紙切れを
翡紅: 「へぇ。そんな感じなのね、そっちは。団長、どうもありがとう」
曲直瀬:「どういたしまして……? 陛下、前からの疑問でしたが、いつも何をされているのですか?」
翡紅: 「うん? そうねぇ……ちょっと聞きたいんだけど。一見バラバラな、意味不明の文字列の中に、特定の記号を暗に仕込むことってできると思う?」
曲直瀬:「その文字列はバラバラなんですよね? なら無理なのでは? そんな人間離れした芸当、できるわけないでしょう」
翡紅: 「そう。ま、これはね、ちょっと集めているだけだから。気にしないで。さてと、
曲直瀬:「はい、ここに。それでは」
翡紅&曲直瀬「起動!」
(二人は同時に球をつぶした! すると不可思議なことが起きる。ガラスが割れたような音ともに球は弾け、破片が空中に飛び出す。それらは浮遊しながら、原始惑星群が惑星へと成長する過程のように一か所へと集まり、やがて30センチ程の人型へとなった。人形の形が整えられていき、ある人物の姿となる。その黒いドレスを着た人物は──)
翡紅: 「半年ぶりかしら? 久しぶりね
桜宮: 「ええ、その通りね。ごきげんよう
翡紅: 「相変わらず便利な神器ね。創り出す犠牲と手間暇さえ除けば旧文明を凌ぐ道具じゃない、これ? どんなに距離が離れていても一切のタイムラグなしで会話できる。例えば──地球と冥王星の間でも。
桜宮: 「ふふ。確かにその通りね。でも当時の人が、この神器を創るには最終的に私の両目を
翡紅: 「さあて。案外平気かもよ。人は見知らぬ他人の痛みに鈍感だから。
桜宮: 「ええ。今の私は
翡紅: 「そう。さっきその詳細を知ったけど。暗殺未遂事件の時よね? 重症を負ったナタリヤを助けるためにお互いを喰らいあって、あらたな命を、神器を創った」
(桜宮の形をした人形がこくり、と頷く)
翡紅: 「──
桜宮: 「……Я рада,
翡紅: 「──!!
<一時停止>
<再生速度:3倍速>
その後の2人の会話は難民を受け入れる際のルールや仮住まいについて、最終的な役割分担の話となった。動画内の進捗バーを30分ほど進めた後、
<再生速度:通常>
<再生>
翡紅: 「──神国日本のタイムリミットはそちらの混沌予報が正しければ、
桜宮: 「問題ないわ。さて、最後に1つお願いがあるのだけど──あなたが5年前から本格的に準備をし始めた『遷移計劃』の最終的に決定した航路について、教えて欲しいわ」
翡紅: 「いいわよ。じゃぁ、地図を出すから少し待ちなさい」
(翡紅はそう断りを入れ、席を立ち、10秒ほど後、部屋の奥から世界地図を取り出してくる)
<一時停止>
<拡大>
……ちっ。画面が荒すぎだ。どんだけ解像度を低くしやがったんだ! はぁ。面倒くさいが仕方ないな。
<Yindowsキー+← 画面分割コマンド>
<Yindowsキー+R [ファイル名を指定して実行]ダイアログを起動>
<cmd コマンドプロンプト起動コマンド>
<Command: C\Home Huyeihon>Data>World>type Atoras_30:122~6:79.sys 「
翡紅:「さて、それじゃあ。私達が今いるのがここ上海の杭州湾。まず、私達の唯一の領土、
翡紅の指が進路に沿って動く。その動きを要約するとこんな風になる。
現在の海聚府は3つの大キャラバンとなり、上海の杭州湾を出発。中国沿岸を南下し、台湾海峡にある金門島にて数か月停泊。
その間に台湾やバシー海峡の
その後はインドシナ半島に沿う形で南下し、中継地点のシンガポール島へ。
一年の休息期間を経てマラッカ海峡を通過しアンダマン海のニコバル諸島、そしてアンダマン諸島へ。
そうしてヤンゴンへと向かい、この時点で各地に散らばっている『先遣队』、『搜集队』を全て回収。
そのうえでベンガル湾へと入り、チッタゴン、そしてコルカタに到着する。
……改めてみると凄まじい規模だな。「ゲルマン民族の大移動」のようだ。
桜宮: 「ずっと陸地沿いに進まないのは異形生命体の群れを避けるためよね? 長時間とどまると集まってくるから。そしてコルカタに到着したら、翠玉国は中央大藩国に併合される」
翡紅: 「その通りよ」
桜宮: 「ねぇフェイちゃん。彼の国と私達は全く対等の立場じゃないわよね。何を
翡紅: 「簡単な話よ。私の純潔を捧げるのよ。大王・キュロス3世にね」
桜宮: 「……!!」
翡紅: 「そんな顔しないでよ。私はただ「膜」を守り通して参上するだけで、大勢の民が保証されるのよ。尊厳と命を。なら、いい取引じゃない。どの道貴方と違って私の
<一時停止>
フン。明らかに無理をしているな。心情的にも、肉体的にも。まあ、「召喚」の能力は数ある超能力の中でもトップクラスの代償を請求するからな。
さてと。もう用事は済んだ。
キーボードを操作する音、マウスを左クリックする音!
∧ ∧
o(*≧ー≦)〇ノ~ 縺倥%縺、様。ご利用ありがとうございました!
電源が切れる。
響く足音。
コツ、コツ、コツ、コツ…………
ドアが無機質な音と共に開かれて。
再び静寂の
〇
読者の皆様、こんにちは。ラジオ・Kです。
今回のようなクッソ読みづらい本エピソードを読んで頂きありがとうございます!
地名等で ??? な部分がありましたら世界地図と比較しながらお読み頂けるとわかりやすいのではないかと思います。
また、この場にて
・「先遣队」:太平洋(主に南シナ海)各地に赴き、停泊拠点になりそうな場所を
捜索、前哨地を建設する。最も人員が少ない。
旗艦は重工作艦(旧コロッサス級航空母艦)「トライアンフ」。
・「搜集队」:太平洋各地に存在する旧時代の遺物、資源を回収、各拠点間の兵站
輸送を担う。最も隻数が多い。
旗艦は仮装巡洋艦「ヴィダー」。
・「防御队」:「先遣队」が建設した前哨地を防衛する。最も隻数が少ない。
旗艦は海防戦艦「デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン」。
・「
とに転々とする。当然、最も人員が多い。現在ヒロシ達がいる場所で
もある。上海の前は
旗艦は大和級戦艦「信濃」及びブルー・リッジ級揚陸指揮艦「ミッチ
ェル」。
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