第347話 ドラゴンセレクション開催
ドラゴンセレクションの開催日。
会場は盛り上がって――いなかった。
本来ならば、観客が会場に集まってドラゴンを出迎えるはずだった。
だが、気球をあげるまでもなく、ドラゴンが会場付近で待っていた事で予定が狂う。
歓迎するどころか、いきなりとんでもない化け物を目の当たりにして、見物客が静まり返ってしまった。
今更騒げる雰囲気ではない。
しかし、アイザックには秘策がある。
こんな事もあろうかと、あらかじめ準備をしておいたのだ。
気球に吊り下げられた爆竹が、パンパンと破裂音が会場になり響く。
これにはドワーフだけではなく、ドラゴンもビクリとした。
「さぁ、皆さん。第一回ドラゴンセレクションの開催です。爆竹が鳴り終わりましたら、どうか偉大なるドラゴン様を盛大な拍手でお迎えください」
今回の司会進行役はジークハルトに任せている。
今後も定期的に開催するのなら、ドワーフに司会をしてもらう必要があるからだ。
アイザックが、このコンテストのためだけに遠出をするのは困難である。
ジークハルトだけではなく、この街の青年も司会の練習をしてもらう。
いつかはジークハルトの代わりに、彼らが司会進行役を任される時が来る。
その時に備えて、ドラゴンの前に出るのを慣れてもらうためだ。
ドラゴンは恐ろしいが、今はいきなり襲い掛かってこないとわかっているので、彼らもなんとか耐えられそうに見える。
爆竹が鳴り止むと、今度は拍手の音が会場中に鳴り響く。
アイザックが狙っていたのは、まさにこの流れだった。
動きにくい状況でも、一つきっかけがあれば行動を起こす事は容易い。
――ドラゴンに対する恐怖心を一度爆竹の音で逸らして、会場の雰囲気をリセットする。
(竜と爆竹はセットみたいなもんだしな)
ドラゴンと会うと決まった時に、アイザックは中華街で見た龍舞を思い出した。
獅子舞の龍バージョンである。
「もしかしたら、ドラゴンと爆竹のセットで何かに使えるかも?」と思い、火薬で作っておいてもらった。
観客の気分をリセットさせるために使うというのは想定外だが、準備をしておいて正解だった。
爆竹が開会の合図のようなものだと捉える事もできるので、今後は定番化するかもしれない。
「それでは、ドラゴン様にご説明させていただきます」
ジークハルトが、コンテストの流れを説明し始めた。
――出品物は部門ごとに分けて審査してもらう。
――気に入ったものを選ぶのを一次審査とし、一次審査を突破した物に順位をつけるのを最終審査とする。
――最終審査終了後には受賞者の名前を呼び、次の部門へと移る。
――これを繰り返していき、全部門が終了したら閉会式を行う。
――この時、ドラゴンからの褒美が与えられる。
初めてのコンテストなので難しい事はしない。
誰にでもわかりやすい流れで、定着させる事を目的としている以上、最初はこれでいいとアイザックは考えていた。
「それではお待たせしました。審査をお願いいたします」
ジークハルトが合図を出すと、ドラゴンが待ってましたと言わんばかりに出品物のところに歩みよる。
図体の割に素早い動きなので、また観客席が恐怖で静まった。
だが、ドラゴンはそんな事を気にしない。
ジッと出品物を品定めし始める。
最初はドワーフが愛用する武器である戦斧だ。
出品物はドワーフが手に持って見せるのではなく、テーブルの上に番号と名前を書いた紙と一緒に並べられていた。
さすがに職人を危険に曝すわけにはいかないというのと、震える手で作品がよく見えないと不機嫌になられては困るという心配からの配慮だった。
テーブルは数多く並べられ、テーブルの間には係員が待機している。
ドラゴンが選んだ物を、一次審査突破作品用のテーブルに移すためだ。
ドラゴンは端のテーブルから作品を吟味していく。
その目は真剣だった。
早速めぼしいものを見つけたのか、前足の爪で指定する。
「よっしゃあぁぁ!」
選ばれた作品の製作者なのだろう。
一人のドワーフが叫ぶ。
見学席にいるというのに、拡声器に負けない声量だった。
二つ、三つと選ばれていくと、同じように叫ぶ声が違うところからも聞こえた。
ドワーフも、なんだかんだで楽しんでいるようだ。
一通り吟味し終わったところで、最終審査になる――はずだった。
だが、ドラゴンはもう一度いくつかの作品を見直している。
それを見て、アイザックは迷っているのだと気付いた。
ジークハルトから拡声器を渡してもらい、ドラゴンに語り掛ける。
「ドラゴン様。もしも『この作品は気になる。けど、受賞させると決めてもいいものか?』と迷う出来の物があるならば、とりあえず一次審査を突破という事にされてはいかがでしょうか? 最終審査の前に二次審査を設けましょう。気に入ったものの中で見比べて、欲しいと思われるかどうかを判断されるとよろしいのではないでしょうか」
「そうしよう」
ドラゴンが即答する。
「ドラゴンの名に恥じないものを選ばないといけない」と、自分なりに真剣に悩んでいたのだろう。
アイザックの提案は渡りに船だった。
すぐに気になっていたいくつかの作品を指定する。
指定する動作が速かったので、係員のドワーフが駆けずり回る。
今度は二次審査が始まった。
ドラゴンが「これは!」と思ったものは、金銀宝石といったきらびやかなものばかりだった。
一つだけ飾り気のないものが混じっているが、どの程度本気で選んだのかわからない。
十日前に選んだものが、やはり金や銀を使ったものばかりだったからだ。
「カラスみたいに光っていればいいわけじゃない」と言い訳するために選んだのかもしれなかった。
一次審査の最後で迷っていたものの半数は、二次審査が始まってから落選した。
半分も残ったと思うか、半分も落とされたと思うかは難しいところだ。
しかし、初めてのコンテストなので、ドラゴンなりに厳しめの査定をしたと考えた方がいいのかもしれない。
後々コンテストの権威を低く見積もられないようにするには、最初が肝心なのだ。
当落線上のものの選別が終わると、次は順位を決める。
下位から決めていき、そのまま順調に進むかと思われたが、上位五位のところで動きが止まった。
上位は甲乙つけがたいらしい。
ここまで残っている作品の製作者は固唾を飲んで見守る。
「これでよかろう」
ドラゴンがそう言って、作品から顔を離した。
人間の顔とは違うのに、どこか疲れたような気配すら感じられる。
自分が選んだ作品だ。
下手なものを選んで見る目がないと思われれば沽券にかかわる。
自分なりに必死だったのだろう。
ジークハルトが最終審査結果を発表するため、テーブルに駆け寄る。
アイザックと街の青年も彼についていった。
「さぁ、皆さん、心の準備はよろしいですか? 早速発表していきましょう」
ジークハルトが受賞者の最下位から番号と名前を読み上げる。
こうして名前を呼ばれるのは名誉であるが、選ばれた中では最下位なので受賞者は喜びきれない様子だった。
それも最初だけの事。
上位になるに連れて喜色を浮かべる者ばかりになっていく。
――だが、それも二位の者が発表されるまでだった。
基本的に、ドラゴンの好みは金銀宝石などを使ったきらびやかなもの。
だから、誰もが「光らせておけばいいんだな」とドラゴンの事を侮っていた。
しかし、二位の作品はドラゴンの好みとは違う鈍色に輝く戦斧だった。
それが意味する事はただ一つ。
――相手をぶった切るという機能美だけで、ドラゴンの御眼鏡に適ったという事だ。
その戦斧を作ったのが、ノイアイゼン一の職人と言われる男だった事も大きい。
これは「ドラゴンは一流の品を見極める目を持っている」という事の証明でもあるからだ。
造形美や素材に関係なく、逸品には好みの壁を越えて興味を惹かせる事ができる。
この事実は一位に選ばれた職人も含めて、全員のプライドを傷つけた。
――二位の職人こそが実力では一番だ。
嫌でも、そのように思い知らされたからだ。
鉄が剥き出しになった作品が選ばれていないだけに、技術では飛び抜けた実力を持っている。
誰もが悔しく思い「次は自分が実力で選ばれたい」と競争心を駆り立てられた。
出品は一品だけという制限はないので、ドラゴン好みの物と自信のある物を出せばいい。
職人達の間で、ドラゴンセレクションに新たな価値が生まれた瞬間だった。
戦斧の審査が終わると、ジークハルトが街の青年に拡声器を渡す。
今度は彼が司会を試す番だ。
幸いな事に、出品物の種類だけ練習するチャンスはある。
アイザックやジークハルトがいる間なら、失敗してもフォローしてくれる。
街の未来のためにという決意を胸に、彼は次の審査のために出品物の入れ替えを指示し始めた。
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早朝から始まったコンテストは、日が暮れる頃まで続いていた。
アイザックが前回倒れた事もあり、司会や係員のために一度昼休憩を取ってはいたが、それ以外はぶっ続けである。
休憩を取っていなければ、また気疲れで倒れてしまっていたかもしれない。
「それでは、皆さんお待ちかねの授賞式です。これは非常に重要です。ドラゴン様が部門ごとに順位を付けてくださいました。ですが、これは全作品の中でどれが一番お気に召されたかが判明する瞬間です。今回は授かる褒美の関係で、一位からの発表となります。では、受賞者の方は見学席からこちらへ来てください」
ジークハルトも司会に慣れてきたようだ。
ドラゴンの前でも平気で喋る事ができている。
やはり「怒らせなければ安全だ」という安心感があるからだろう。
係員達も極力気にしないようにしているので、最初はぎこちなかった動きもスムーズなものになっていた。
ジークハルトが受賞者を発表していく。
一位に選ばれた者が拳を高く突き上げて「よっしゃー!」と叫ぶ。
他の者達は悔しそうな顔をしていたが、一部の者達は違った。
彼らは一位に選ばれた者よりも、腕に自信がある者達だった。
今回でドラゴンの好みはわかった。
「ドラゴンの好みに合わせたものを自分が作れば、次は一位に選ばれる」という自信があったからだ。
―― 一時的に一位の座を譲るだけ。
そう思って、一位に選ばれた者に拍手を贈っている。
彼らは「なんでお前が選ばれる」という妬みではなく、優勝者に羨望の眼差しを向けていた。
その理由は賞品にあった。
――優勝賞品は、五メートルほどの長さがありそうな骨と大きな鱗が五枚。
それだけあれば、鱗を使って色々と作れるだろう。
職人の一人として、貴重な素材を手に入れられるのは羨ましかった。
準優勝の商品は四メートルほど。
順位が下がるにつれて、骨や鱗の大きさが小さくなっていく。
鱗の枚数も減っていった。
上位入賞者の価値は高い。
次はドラゴンに気に入られるものを絶対に出してみせると、職人達に決意させる。
今回のコンテストで特に気に入られたものは鎧だった。
鎧は一式揃って価値があるもの。
しかし、建物を壊して探すとガレキの下敷きになって歪んでしまったり、一部のパーツが見つからなかったりする。
無傷で一式手に入れられる機会だったので、多めに選ばれていたのだ。
そして、一番人気がなかったのは絵画だ。
自由に空を飛べるドラゴンにとって、風景画など価値がなかったのだろう。
一つも選ばれておらず、画家は鱗の一枚も手に入れる事ができなかった。
だが、全体としては大盤振る舞いだったといえる。
骨を褒美として受け取ったのは三十名を超え、鱗を授与されたのは二百名を超えた。
骨は五メートルから数十センチの足の指まで、鱗は一メートル四方から二十センチ四方のサイズという違いはあるが、基本的には十分だったはずだ。
――選ばれた者と選ばれなかった者。
その差はアイザックが考えている以上に大きい。
それは、授賞式が終わってから判明する。
「おい、人間」
「はい、なんでございましょうか」
ドラゴンに呼ばれ、アイザックはヘコヘコとした態度で返事をする。
あとは気分よく帰ってもらうだけだ。
最後の最後で機嫌を損ねるような真似はしたくなかった。
「木箱はお前の考えだそうではないか。人間のくせに気が利くな」
「いえいえ、矮小な身でもドラゴン様のためにできる事があるのではないかと考えただけです」
木箱というのは、二メートル四方の大きな箱の事だ。
ドラゴンが物を運ぶ方法は、口の中に入れるか足で掴むかしかない。
それでは選んだ品物を持ち帰るのが不便になる。
そこでアイザックは、持ち帰りやすいように木箱をドワーフに用意してもらった。
これがあったから、ドラゴンが鎧を多く選んだというのもある。
鎧はパーツがバラけやすいので、木箱でまとめて運べるのは助かるところだった。
「久々に気に入るものを見つける事ができた。お前の働きは評価している。残ったものすべてを褒美としてやろう」
「えっ、全部ですか? 本当にいただいてもよろしいのですか?」
残っているのは三メートルほどの骨が一本に、大小様々な鱗が数十枚。
それを気前よくくれるというのだから、なかなか気風がいいところを見せる。
(もしかして、ケチに思われるかもしれないって気を使ってるのかな? ……考え過ぎか)
「ありがとうございます。ドラゴン様の偉大さは人間達にも広めさせていただきます」
ここは素直に受け取っておこうと思い、アイザックは感謝の意を伝える。
ドラゴンは「うむ」とうなずき、木箱を掴もうとする。
十箱はあるので、五往復はしなくてはいけない。
授賞式が終わったので、さっさと持ち帰りたいのだろう。
(そうだ、忘れないように伝えておかない事が残っていたんだ)
「ドラゴン様、少々お待ちください。ブリジットさん、ダッシュ、ダッシュ!」
アイザックは見学席にいたブリジットに声をかける。
彼女の返事は聞こえなかったが「えぇっ、いきなり何よ!」と不満を漏らしているように見えた。
しかし、この状況で呼ぶのだからよほどの理由があるのだろうと、クロード達が「行ってこい」と背中を押す。
ブリジットは渋々といった様子でアイザック達のところまで走ってきた。
「なんの用よ?」
「説明に必要……なのかもしれなくてね」
「実は必要でもなかった」と言われたような気がして、彼女はムッとした表情を見せる。
だが、すぐにそんな感情は消え去った。
ドラゴンの前にいるのだ。
そちらの方がどうしても気になって、アイザックから気が逸れたからだった。
「ドラゴン様なら、ここ二百年ほどはドワーフとエルフが人間と一緒に暮らしていない事に気付かれたはずです。これまでは仲違いをしていました。ですが、今は仲直りをしています。人間が素材を集め、エルフがドワーフを手助けし、ドワーフが物を作る。そういう時代がきています。どこかの街や村を訪れる際は、か弱い生き物を殺してしまうかもしれないという事を念頭に行動していただきたいのです。生きていれば、いつかはお気に召される品物を作るかもしれない存在として」
アイザックが彼女を呼んだ理由は、三つの種族が揃っているところを見せるためだった。
クロードでもよかったのだが、自分とジークハルトがいるので、年齢の近いブリジットを呼んだ。
それだけだった。
だが、これはそれなりに重要な役割でもある。
ドラゴンに「下手に街を襲ったりしたら、自分が損をする事になるぞ」と教えるという役割だからだ。
「……気を付けておいてやろう」
ドラゴンがそう言い残して、飛び立とうとする。
アイザックは嫌な予感がしたので、慌てて地面に伏せた。
その対応は正しく、頭上を突風が駆け抜けていく。
だが、ジークハルトやブリジットは間に合わず、羽ばたきで飛ばされて地面に転がるハメになった。
(今、気を付けろよ)
アイザックは心の中で悪態をつく。
羽ばたきだけでも危ないという事に気付いていないので、ちゃんと注意してやりたいところだ。
砂を払いながら立ち上がって振り向くと、二人が転がっているのが見えた。
(おおっ!)
ついでに白いものも見えた。
風でスカートがめくりあがったのだろう。
アイザックのテンションもあがる。
ドラゴンに褒美をもらった時よりも嬉しかった。
とはいえ、人前なので飛び跳ねて喜ぶわけにもいかない。
表向きは平静を装い、彼女に近付いて立ち上がるのに手を貸す。
「イタタタタ、こうなるとわかっていたんなら言ってよね」
「言っても間に合わなかったんじゃないかな」
「教えてくれる事自体に意味があるのよ」
アイザックに文句を言いつつ立ち上がるブリジットは、自分のスカートがめくりあがっていた事に気付いていなかった。
――怒られる事なく、良い思いをする事ができた。
アイザックにとって、これ以上ない幸運である。
続けて、ジークハルトにも手を貸した。
「あまりにも大きな存在だから、小さなものの事には気が回らないみたいだ。怒らせないよう徐々に知っていってもらわないといけないね」
「ああ、時間をかけてじっくりとやっていかないとね」
「知るといえば……。ドラゴンに他のドラゴンがコンテストをやっていないって事を知られたらどうしたらいい? 怒り狂うかもしれないけど……」
ジークハルトは、懸念していた心配を打ち明ける。
万が一の事を考えれば、その心配も無理はない。
だが、アイザックは考えなしに行動していたわけではなかった。
「それは大丈夫。ドラゴンの被害はノイアイゼン南部のみという事は、あんなに大きくても行動範囲はさほど広くはないって事さ。山脈をいくつも越えた遥か遠くに住むドラゴンの話って説明すればわからないさ。この近辺のドラゴンに聞いても、誰も知らないのは当然だってね」
アイザックは、ドラゴンの行動範囲から交友範囲も狭いだろうと考えていた。
おそらく、貯め込んだ財宝から離れたくないのだろう。
そういうところは、人間と変わらないのかもしれない。
「なるほど、確かにその通りだ。行動範囲が広ければ、ノイアイゼン全体に被害が出ていてもおかしくない。いくつもの国を越えた先に住むドラゴンの話だといえば納得してくれるだろう。あとは、僕達がドラゴンに気に入られるものを作れるかどうかに懸っているという事だね」
ジークハルトが使命感に燃えた目つきになる。
アイザックが平和への道を作った。
この道を維持できるのはドワーフだけだ。
「コンテストが長く続くといいわね。あんなのが街で暴れている光景とか見たくないわ」
ブリジットも話に加わる。
しかし、彼女の視線はドラゴンの骨の方に向けられていた。
そこでは、すでにサイズを測り始めている者達の姿があった。
ドラゴンの骨は評議会が相場の二割増しで買い取る事になっている。
割増しで買い取るのは、今までドラゴンの被害に遭った者達への補償金の分である。
受賞者が得るのは金と名誉。
そして、魔力タンクの優先購入権だった。
魔力タンクを必要としない者なら、莫大な資金を得る事ができる。
手間賃として考えれば、破格の報酬となる。
続ける事に文句のある者はいないはずだ。
年に一回の開催というのも、コンテストの価値を高めるものになる。
ドラゴンは年一回というのを渋っていたが「質の良いものを作るためです。価値のないものばかりではガッカリしませんか?」とアイザックが言った事で了承した。
だが、それはそれでいいのだ。
年に一度のチャンスだからこそ、ドワーフも必死になる。
いつかは若手の職人の登竜門となるはずだ。
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ブリジットが願ったように、このコンテストは長く続く事になる。
三百年後。
ドラゴンを殺す事のできる兵器が開発されるが、それは街を荒らすドラゴンにだけ使われ、このドラゴンには使われなかった。
七百年後に老衰か縄張り争いで負けたかで街を訪れなくなる時まで、お祭りのような形で続けられる行事となっていた。
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