お正月に、女神様たちを見かける ③
乃愛は今回はあの海の神様という竜種のところに行くつもりはないみたい。
まぁ、あの竜種、特にこの世界に害を与えようとしておらずただ遊びにきているみたいだしなぁ。
お正月だからか、家族で初詣にきている人達が多い。
家族連れの人たちを見て、乃愛は何だか笑っている。
「博人とああやって家族として、将来的にぶらぶらできたら嬉しいなぁ」
「……それは何? プロポーズ?」
「プロポーズって結婚しようって言葉だよね。うん。私博人と結婚したい」
「……冗談はやめようね?」
とりあえず僕はそう言っておく。
いやだって、僕はまだ高校生だし、そんなことを言われても……って思う。
乃愛は不満そうな顔をしているけれど、乃愛が……僕に飽きずに僕の傍に居るのならば、何だかんだ一緒にお正月を毎年過ごすのかもしれないなぁと思った。
そんな会話を交わした後、僕たちは両親たちと合流した。
そのまま途中でスーパーに寄って、餅などを購入する。ちなみにおせちも乃愛が一生懸命準備していた。おせちって作るの大変そうなのに、乃愛は楽しそうにおせちを準備していた。
母さん達も今まではおせちを外に頼んでいたのに、今年は乃愛が作りたがっているからと家で作っていたからなぁ。
母さんも、乃愛が一緒に作るからというのもあって料理なども一度目の時よりもやっている気がする。
家に帰ると、僕たちは着物から私服へと着替える。
寒いのでこたつに入って、ぬくぬくとする。机の上に置いてあるみかんを手にとって、僕はみかんを食べる。
みかんを食べている僕を、乃愛はにこにこしながら見ている。
しばらくこたつでぬくぬくした後に、お昼の時間帯になっておせちの準備を母さんと乃愛がし始める。僕もお皿やお箸などの準備を手伝う。
綺麗に飾り付けられているおせちは、見ているだけでも何だか楽しくなる。
手を付ける前に僕は写真をとっておく。乃愛も写真を撮っていた。ついでに僕の写真もパシャパシャ乃愛は撮っている。
「乃愛、さっきの着物の時も撮っていたけどまだとるの?」
「うん。だって博人は幾らでも撮りたいもん」
乃愛はそんなことを言いながらおせちを食べている。
僕もおせちに手を付ける。お正月料理っておいしいなぁと思う。
それにしても午前中は初詣にいって、昼はおせちを食べて、僕はお正月をかなり満喫している気がする。
おせちを食べ終えた後に、僕たちはチラシを見ながら明日以降の初売りでどこに買いに行こうかと会話を交わす。
僕はゲームや古本屋の初売りが気になるのでそこをチェックする。
乃愛は僕が見ているチラシを興味深そうに見ていた。
「乃愛、服とかは興味ないの?」
「博人の服は選びたいかもー。博人も私の服を選んでくれる?」
「いいよ。見に行こうか」
父さんが車を運転してくれるとのことなので、僕たちは初売りの予定を立てていく。
その日はのんびりと過ごして翌日に初売りに出かけた。
ゲームを見に行って、新作ゲームを購入する。乃愛もゲームを買っていた。というか、僕が欲しがっているゲームを乃愛が買った感じっぽい。
乃愛がゲームを一回プレイした後に貸してくれるらしい。
そしてその後に古本屋にいって、色々興味がある本を買う。学生だと新刊で全て買うのも中々難しいのだ。
「博人、結構買ったね」
「うん。面白いの沢山あったから」
「博人が楽しそうで私も嬉しい」
にこにこと笑っている乃愛も、本を何冊か購入していた。料理の本なども購入していた。買った本に載っている料理を作ってくれるつもりらしい。
父さんも自分用の時代小説を購入していた。
その後に僕たちはショッピングセンターに連れて行ってもらう。
ショッピングセンターは初売りのためのセールをやっていた。こういうセールをやっているのを見ると色々と購入したくなってしまうんだよなぁ。
ショッピングセンターでも杉山と女神様たちを見かけた。この近所で初売りを買いにくるスポットだとこういうショッピングセンターだからまぁ遭遇するのも仕方がないだろう。
女性陣に囲まれて、彼女たちに似合うのはどれかなどと選ばされている杉山は中々大変そうだ。ハーレムというのはやっぱり大変だと改めて思った。
僕も乃愛に「似合うの選んで」って言われて色々見たけど、僕はそういうセンスがないから正直服を選ぶのも難儀した。でも僕が悩んで選んでいることが嬉しいのか、乃愛は笑っていた。
「私も博人の選ぶからねー」
何て言いながら乃愛は僕の服も沢山選んでいた。そんなにいらないといって、幾つか減らしてもらった。
ちなみに服に関しては普段からも着るからと父さんがお金を払ってくれた。
初売りを色々と見て回った後、僕たちは帰宅する。車に乗っている間に空の上に女神様たちを見た。
さっきまでショッピングセンターに居たけれど、今なんで彼らは空を飛んでいるんだろうか……。
その後は何もなく、帰宅してゆっくりと過ごすのだった。
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