第12話

 そう、目の前にいたのはアリスだった。

 この世界に来てからの一番の顔見知りと言うべき人物だ。

「何って、龍牙を監禁してるんだよ」

 そう言いながらアリスはポケットから縄を取り出した。

「おい、何するつもりだ」

龍牙はいまいち状況が読み取れておらず混乱していた。

「は、え、監禁ってなんの冗談だよ」

龍牙は冗談であってほしいという願いとともにアリスに聞いた。

しかし、龍牙の願いはあっさりと打ち砕かれた。

「冗談?フフ…。龍牙こそ面白い冗談を言う。私ははっきりと『監禁』と言いましたよ」

そう言いながらアリスは縄を床に打ち付けた。

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