第6話
「ここの鍵穴は10の鍵が使える。1つはこの部屋に入る鍵、後の9つは自由に変えられる。つまり、この扉からは9つの場所に行けるということだ。この設定は魔法で行える」
「便利だな」
「とりあえず、今はこの部屋にしか入れないけどな」
龍牙はアリスの説明が簡潔だからわかりやすく、すぐにこの扉の勝手を理解できた。
「でも、俺、魔力?みたいな力とか持ってないのにどうやって行きたい場所を設定するんだ?」
「それなら心配しなくていい。俺がやってやろう」
そう言うとアリスは1本の鍵を鍵穴に差し込み手をかざした。
「我が導きたる鍵穴よ。今、この場所に導きたまえ」
アリスがそう言うと鍵穴と鍵が金色の光に包まれた。しばらくして光は消えたが、龍牙には何が起きたのか理解できなかった。
「これで、お前はこの扉から寮の外に出られる。とりあえずやっておいたが、他にあったら教えてくれ。俺がつないでやる」
「えっと、何が起きたかわからないけどとりあえずありがとう」
龍牙はそう言うと鍵をアリスから受け取った。
「とりあえずもう遅い時間だから俺は一旦自分の部屋に戻る。明日は朝8時ちょうどに寮の門で待ち合わせだ」
そういうや否や、アリスは龍牙の意思も聞かず出て行ってしまった。
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