第4話 私の兄は獲れたてピチピチのあの鯖です
電車を乗り継ぎやってきたのは河川敷
但し、箕浦刑事は私の彼女をよく思わないようだね
電車の乗り方、後で教えないとな
「愛〜おて!」
「ワン!って、私は戌じゃないぞ〜」
「えへへへ〜」
可愛いから許せるんだけどね
この可愛い子が26歳だなんて考えられるか?
考えられないだろ?でも、26歳なんだから世の中捨てたものじゃない!
それでも、私達の恋愛に年齢は関係ないのだがね
おや?なんだかザワザワしているなぁ
「漁業網に人がかかってます!」
「おや、大変だ我々も行こう」
「はい!」
機械仕掛けの網から上がってきたのは
獲れたてピチピチの私の兄だった
「やぁ、敦くん、愛、奇遇だね」
「治、入水も程々にね」
「いやだなぁ〜、今は美女と心中に限る!というわけで、一緒に心中してくれる美女を募集中だ!」
「心中する美女はともかく、邪魔だから早く剥がしてもらいなさい」
全く…このバカ野郎は何を考えて生きているんだか
美女より私の乱歩の方が可愛いだろうに
「愛、怒るとこそこじゃない」
「え?声に出てた?」
「愛の顔に書いてた」
「私としたことがうっかりしていたよ」
「うっかりな所も格好良いけど、君の兄があのご婦人の前で喚いているよ?」
そんな愛しい乱くんの指摘で気づいたが、あの鯖男は何をしてるのやら
あれが私の兄なのが嘆かわしい
でも、そんな兄にも教えておかないといけないことがある
「治、この遺骸をみて気が付く事は無いかい?」
「気が付くこと…?」
「この後夫人の撃たれ方さ」
「あぁ、言われてみればポートマフィアのような撃たれ方だね」
「そう、撃ち方はポートマフィアのそれに似ている…だがポートマフィアの裏切り者への制裁方法とはまるで違う」
「これは、ポートマフィアの犯行ではないね」
ポートマフィアの裏切り者のへの制裁は、まず石を噛ませ後ろから頭を踏み潰し顎を砕く
激痛に悶える対象者の胸を3発撃ち抜く
それが、ポートマフィアが行う裏切り者への制裁
この遺骸にはその跡がない…だから、このポートマフィアの制裁では無いことが明白だ
乱くん、その観察眼で必ず暴いてくれ
この悲劇の事件を
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