横浜のナルシス

第70話 アポロンの独壇場

風魅颯翔（かざみはやと）は独りごちた。

はっきり言おうか？

お前らは弱い。

お前らのツイートを見ていると、乾いた笑いが出てくる。

お前らには、タフネスが欠けている。

これは何も、自信がないと言っているわけではない。

自信がなくても、実力のある奴はいる。

困難に対して、食らいついていこうとする、負けん気がないのだ。

だから、お前らはたった一度や二度の失敗で、すぐに挫折する。

エジソンの名言を知っているか？

「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。」

エジソンのような天才ですら、２万回の「失敗」があった。

それでも彼は決して諦めなかった。

俺たちのような凡人以下の人間が、２万回以下の失敗で、諦めるな。

失敗を他人のせいにして、生まれのせいにするのを今すぐやめろ。

誰もお前を救ったりはしない。

俺は常に自らの力で、這い上がってきた。

ここまで来れたのは、俺一人の力ではないことは確かだが、それでも俺に強さがなければ、ここまで来れなかったのも事実だ。

そして、俺はまだ勝負の最中（さなか）にある。

俺の目標は「QUALIA」を歌舞伎町で最強の店にすることだ。

無論、この目標を達成するために、俺自身も改善し続けなければならない。

結句、俺はお前らと頑張りたいのだ。

互いに目標を達成し、共に強くなっていきたいのだ。