第52話 鬱病みたいな顔をした文学青年に対する苛立ち
俺は鬱病みたいな顔をした文学青年が嫌いだ。
「何が嫌いかより、何が好きかで自分を語れ」だと?
黙れ。
俺は嫌いなもので自分を語る。
土台、芸術家ってのは意気地なしだ。
やつらは厳しい現実を見たくない腑抜けだ。
厳しい現実を見たくなくて、偽りの創作世界に没頭するのだ。
創作など現実逃避にすぎん。
芸術家ワナビどものSNSを見てみるがいい。
やつらの現実逃避っぷりが手に取るように分かるだろう。
今の世の中は本当に良い。
現実を見たくないやつらに、お誂え向きのフィクションが用意されている。
全てはコンテンツであり、ビジネスにすぎないが、やつらはそうした面からは都合よく目を背ける。
アニメだと?ビジネスだ。馬鹿が。
アイドルだと?性欲だ。馬鹿が。
VTuberだと?キャバクラだ。馬鹿が。
現実を見ろ。
現実から逃げても無駄だ。
それはどうしたって俺たちを追ってくる。
だから、勇気を持って現実を直視するしかねえんだ。
睡眠導入剤をODすることで、お前の問題は解決されるのか?
もしそうなら、思う存分するが良い。
だが、もしそんなことをして現実が変わらないのなら、今すぐ現状を変える計画を立てろ。
具体的な行動をしろ。
今すぐ芸術に溺れるのを中断し、頭、身体、心を鍛えろ。
自分の弱さに酔うのをやめろ。
無頼派ぶるな。
自分の行動でしか、自分を変えられないと、そう自覚しろ。
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