第25話 昇日

柿谷は爽やかな微風を運びながら現れた。

彼の微笑みと、白い歯列は、照りつける太陽のように青年を眩しくさせた。

『きっと、おれとこの人との営みが、もっとも美しい。』

事実、柿谷が現れた瞬間、青年の世界は鮮やかに色付き始めた。

海風の匂い、日差しのきらめき、人々の談笑・・・、全てが始まりを合図していた。


「柿谷さん、この辺りで美味い定食屋があるので、そこで食べましょう。それから、少し歩いて、海が見える公園があります。そこに行きましょう。」

二人は歩き出した。

青年は、今が永久に続くことを願った。

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