第18話 轍

俺は不良の道には進まず、真っ当に公立高校に進学した。

元々頭は悪くなかった。

勉強ができたというわけじゃない。

俺は優等生ではなかった。

ただ、何も考えず、部活や恋愛にはしゃいでる奴とは、明らかに物の考え方が違っていた。

奴らと俺では世界の見方が根本から違っていた。

部活とは何のためにあるのか?

友達づくりのためか?楽しみのためか?運動のためか?思い出のためか?

結構だ。

俺から答えを言おう。

部活とは、征服のためだ。

俺たちが約束されている運命とは何か?

社会に出て働くことだ。

そして社会には秩序が存在する。

人間には二種類しかいない。

つまり、秩序に従うものと、秩序を造るものだ。

学校が社会のミニチュアであるなら、その狭い箱の中で王にならなければ、社会で成功するなど到底できないと思った。

俺はテニス部に入部した。

自分の力量で結果が決まり、自分で結果の責任を負う。

己を鍛え上げることで、無限に強くなれる。

他人に結果が左右される集団競技は嫌いだった。

この部活で、ある印象的な出来事があった。

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