第17話 微笑みと鬱屈
中学に入ると俺はまず、髪を茶髪に染めた。
舐められないためには、見た目は大切だった。
俺に取れる選択肢は二つだった。
世界を呪って生きるか、世界に抗って生きるかだ。
俺は後者を選んだ。
人生は長い。世界を呪って生きるには、俺はあまりに若すぎた。
俺がここまで生き延びられた理由を教えてやろうか?
一つには、俺の反骨精神だった。
とにかく負けず嫌いだった。
負け犬のまま生きるなんて、俺には耐えられなかった。
もう一つには、俺は生まれつき顔が良かった。
女にはモテた。幼い頃、俺の「所有権」を巡って、女子が争ったことがあった。
今思えば、俺はその頃からホストとしての立ち回りを覚えたのかもしれない。
中学時代、俺はいっぱしのヤンキーになっていたが、ここで俺は将来について考え始めた。
ヤンキーをやっていて、この先何があるのか?
俺はこの先にはヤクザしかないと思った。
実際、当時の俺の仲間たちには、ヤクザになった人間も少なからずいた。
俺はヤクザにはなりたくないと思った。
そもそも、奴らと俺では、人生に対する考え方が異なっていた。
奴らの生き方は、あまりに刹那的で、未来を見据えたものではないと思った。
俺は奴らと同じ世界観で生きることはできなかった。
俺は社会的な成功が欲しかったのだ。
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