あの日見た、真っ直ぐなひこうき雲と
【幸田果】
1
浴槽の中で足を組む。茹で上がりそうな温度と、水の音。目を閉じたら意識が飛びそうだと思った。
果ちゃん、と声が聞こえる。「そろそろ上がったら?」と。先に浴室を出た夫の声だ。私は気のない返事をして、天井を見る。
一ヶ月前、結婚式を挙げた。兄の葬式の半年後だった。
それに対して色々言われていたのは知っているけれど、色々言う人のことはハナからお呼びしていない。とにかく早く結婚したかった。私は可哀想じゃないと伝えたかった。周りに、自分に、お兄ちゃんに。
夫が入ってきて、のぼせきった私を抱き上げる。「大輔くん」と夫の名前を呼んだ。大輔くんは苦笑しながら「死ぬよ、こんなのぼせて」と言った。
この半年と一ヶ月、ふとした瞬間に思うのは『お兄ちゃん、死んじゃったな』ということだけだった。それに付随して然るべき、悲しいとか辛いとかそういう感情はない。ただ漠然と『お兄ちゃん、死んじゃったな』と思うだけだ。
結婚式は忙しなく、そして楽しかった。やることがたくさんあって、兄のことを忘れられた気がした。その、『結婚式の間兄のことを忘れた』ということが今になって私の心を重くしていた。
お兄ちゃんがいた幸せ。お兄ちゃんを忘れることで得られる幸せ。
量れるはずもないことを、気づくと考えてしまっている。
バージンロードは、結局大輔くんと二人で歩いた。兄の親友だった石本さんが『僕が一緒に歩く』と言い出した時はそれでもいいかと思ったけれど、なぜか石本さんの妻である野乃さんがそれに強く反対して実現しなかった。私は野乃さんがそうまできっぱり石本さんの意見を否定するところを見たことがなかったので、少しびっくりした。
まったく、お兄ちゃんが一緒に歩く約束だったのにね。
お風呂から出た私は団扇で仰がれながら、うとうとする。大輔くんが「おやすみ」と言う。私は「ごめんね」と言う。
2
雨の降る土曜日、私は大輔くんに連れられて石本さんの家に来ていた。石本さんの家はカフェをやっている。私が子供の頃は豆腐屋だった気がするが、高校を卒業してこの町に戻ってくる頃にはカフェになっていた。なぜか兄はそれをひどく残念がって『あいつは絶対に豆腐屋が似合ったのに』とよく言っていた。
思えば兄は石本さんに対してだけ妙に強気なところがあった。今ではわかる。兄は唯一甘えていたのだ、石本孝という人に。
店に入ると、カウンターには野乃さんが立っていた。「いらっしゃい」と微笑んでいる。
「今日、石本さんは?」
「あの人は子供たちと遊びに行かせた」
「結婚式のお礼、したかったのに」
「あんな美味しいフレンチのフルコース食べさせてもらったら、こっちがお礼言いたいわ」
私は野乃さんの前に座る。なぜだか大輔くんは少し離れた席に腰を下ろした。
「レモンティーでいい?」
「うん」
石本さんも野乃さんも、私が物心つく前からの付き合いだ。昔から面倒見のいい二人で、兄共々よくお世話になった。兄が言うには、もう子供の頃から誰も間に入ることは出来ないほど熱々だったらしい。そうなんだろうな、と思う。お似合いというか、何というか。この二人は出会わなかったらどうしていたんだろうと不思議なくらいだ。
「ねえ、野乃さん」と私は声をかける。野乃さんは「なぁに」と言いながら私の前にレモンティーと頼んでもいないサンドイッチの皿を出した。
「石本さん以外に目移りしたことないの?」
「えっ?」
「えっ」
なぜか離れたところに座っている大輔くんまで反応する。こちらを注意深く見ていた。
野乃さんは少し考えて、「ないなぁ。もしあったとしても、『あの人と似てるから』って理由になっちゃうだろうな。それなら今のとこあの人で十分だしね」と肩をすくめる。
「どうしてそんなに石本さんのこと好きなの」
「これは喧嘩になるから言わないでほしいんだけど」と前置きして野乃さんは言った。
「子供の頃、『この人は私のことがすごく好きなんだ』と思った。その瞬間から私もたかちゃんのことが好きだった。あの人から言わせれば真逆かもしれないけど、私の中ではそういうことになってる」
私はレモンティーを口に運ぶ。優しい甘さが口の中に広がった。
「石本さんよりもっと野乃さんのことを好きな人がいたら?」
「後の祭りね。私がもうあの人を好きだから」
「初恋が成就したケースだ」
「初恋だから成就したケースとも言う」
なるほど、と言ってサンドイッチを頬張る。子供の頃はサンドイッチにレタスやトマトが挟まっていると嫌になったが、今ではレタスやトマトだけでいいとすら思うようになった。食感がいい。美味しい。
ずっと緊張の面持ちでこちらを見ていた大輔くんが、「俺、果ちゃんのことすごく好きだよ。たぶんこの世界の中で一番」と控えめに宣言する。存じているが、なぜこんな面倒な女を、と思わざるを得ない。彼はとてもいい人だ。嫌な人だったらいいなと思う時ほど彼はいい人だ。
「果ちゃん、今日時間ある?」
「ある」
野乃さんが手招きする。二階に上がる階段を指さした。
店の二階は石本さん宅となっている。「今はまだいいけど、子供が大きくなったらどうしよう。ほんと狭いの、二階」と野乃さんはよく嘆いていた。
私は野乃さんについて行く。大輔くんはカウンターに座ったまま、私たちを見送っていた。
「部屋に呼ぶのいつぶりだっけ。うちに泊まったりしないもんね。果ちゃん家にはよく行くけど」
野乃さんは妙に饒舌だった。それは嬉しそうだというよりは、どこか緊張しているように見えた。
それから野乃さんは私を部屋の中に招き入れて、少し俯く。唇を舐めて、迷いながら口を開いた。
「これ……至くんから、果ちゃんに」
そう言って差し出したのは、一枚のDVDだった。私はきょとんとして、それを受け取る。野乃さんを見た。野乃さんは曖昧な表情で頷く。私は心臓が大きく跳ねるのを感じながら、すぐにその場のテレビをつけた。逸る気持ちのなすがままにDVDを突っ込み、再生する。
画面が明るくなって、『回していい?』と野乃さんの声が聞こえた。『待って、まだ』と兄の声がする。マグカップを片手に画面の端から現れた。
『言うこと考えてない』
『なんで。時間あったでしょ』
『ここに来たらわからなくなった』
『何時までに病院戻るんだっけ?』
『六時。飯の時間になるから』
『まだ時間あるし、考えなよ』
兄は苦笑しながら、マグカップを口に運ぶ。頭をかいて、『やめよっかな。恥ずかしい』と言った。
動いている兄の姿を見ていると、不思議な気持ちが私を襲った。途方もない多幸感と切なさ、懐かしさ。そうだ、こんな声だったなと目を閉じる。
私は映像を止めた。兄の動きが止まる。その様子をじっと見ていた。脳裏に焼き付くほど見た。一度止めてしまうと、なかなか再生できなかった。大事に見ないとなくなってしまう気がした。
野乃さんは、いつの間にか部屋からいなくなっている。
今見ないと、と私は思う。きっと今見ないといけないから、野乃さんはこれを渡したんだ、と強く念じて再生ボタンを押した。
『こんなんやって、逆に困らないかな、果』
『至くんはどうなの。ご両親が亡くなった時、欲しいと思わなかったの』
兄は言葉に詰まった様子で、『そうだな』と呟く。『あったらよかったかもな。俺たちへのメッセージとかじゃなくても、父さんと母さんが映っている映像。少しくらい』と言ってマグカップをカウンターに置いた。どうやら場所はこのカフェらしい。
じゃあ撮ろうよ、と野乃さんが強めに言い切る。兄はまた苦笑し、『俺本当に死ぬみたいだ』と言った。一瞬の沈黙の後で『じゃあ撮ろうか』と兄は肩をすくめる。
『あれ、もうカメラ回ってる?』
『回ってない回ってない』
『点滅してる』
『あー、回ってたかも。消しとく』
『電池もったいないな』
野乃さんが何かカメラを操作するような素振りを見せた。兄はカウンターの丸椅子に座って、『今日、孝は?』と聞いている。『外に追い出した。うるさいから』なんて野乃さんは平然と答えた。
『よし、準備オッケーです。喋っていいよ』
そう野乃さんが言った瞬間に、兄は噎せる。『もう? あのさ、被写体に対してはもうちょっと「さん、にい、いち、きゅー」ぐらい余裕を』と慌てだした。
しかし観念したのか、兄は厳しい表情のままカメラに向かって手を振る。
『こっ……果? 元気か』
元気なわけがないよ、と私は思わず呟いた。画面の向こうの兄はひどく困った顔をして、空咳をひとつした。
『結婚、おめでとう……でいいのかな。うん。それぐらいしか言うことがないな。幸せにしてもらえてるか? 待って、これちょっとあれだな。怒られそう。いやもう怒ってるんだろうけど……』
そうだよ、お兄ちゃん。私、怒ってるんだよ。
『お前の結婚式、出られたらいいんだけど……無理だろうな。バージンロード一緒に歩くって昔からの約束だったから、それだけは本当に……ごめんな。いやダメだ、より一層怒りそうだ。なんて言ったら許してもらえるんだ?』
思わずというような野乃さんの笑い声が入る。
『とりあえず、俺の懺悔は一回置いとくね』と兄が何か物を動かすような仕草を見せた。私はちょっと呆れる。置くな、許さん。
『お前とは長い付き合いだけど』
そうだね、私が生まれた時からのね。
『今一番強く残ってる思い出は……なんだろうな。お前は子供の頃、それはそれは鬼とかオバケとかそういうのを怖がったけど、「任せとけ。そんなのお兄ちゃんがやっつけるぞ」って言ったら「お兄ちゃんにできるはずないよ。お兄ちゃん弱いもん」って言われたことかな。あれは衝撃的だった』
何そのエピソード。覚えてないし、こんなところで言うことじゃないでしょ。
『鬼は無理かもしれないけど、オバケぐらいならいけるんじゃないかな』
何の話?
『あんなに小さかったお前が、結婚とはな……。結婚って、あれだろ。たんにドレス着て式挙げるだけじゃなくて、役所で書類書いて認めてもらってするわけだろ。すごいな……俺の妹、役所の書類が書けるんだ……』
何言ってるんだろう、この人。
『昔、お前が三歳ぐらいの時かな。お前のこと抱き上げたら、お前が急に反り返って落としちゃったことがあるんだ。デカいタンコブできちゃってさ。俺本気でお前のこと殺しちゃったかと思った。医者に診てもらって、とりあえずタンコブだけで済んで、俺その時「絶対にもうお前のことを落とさない」って決めてさ。ごめんな、あの時落として。痛かったよな』
覚えてないって、そんなの。何百回、お兄ちゃんに抱っこしてもらったと思ってるの。
『父さんと母さんが亡くなってから、俺は本当に不甲斐なくて』
またなんか言ってる。あなたの強さを、私が誰より知ってるんだから。
『あの時、父さんと母さんが亡くなっても、俺はお前がいたから大丈夫だった』
ハッとするほど真剣な目で、兄はそう言った。
『あの時、俺を支えたのはお前だった。一人じゃなかったから、折れなかった』
『だから……だから、ごめんな、果。ごめんな。お前を置いていくことになるとは思わなかったんだ。ごめん。悲しまないで、果。お前を悲しませるようなことを、俺は何もしたくなかったんだ』
ふと、兄の頬を涙が伝う。兄はそれに気づいて動揺を顔に出し、それから服の袖で乱暴にそれを拭った。
私は「お兄ちゃん」と言いながら画面に手を伸ばす。「お兄ちゃん、私、ここにいるよ」と必死に兄の顔に触れた。
しばらく鼻をすすっていた兄が『撮り直していい?』と尋ねる。野乃さんは優しく『もちろん。何度でも』と答えた。
『ココアいれてあげる』と野乃さんは言って、数分後に新しいマグカップが置かれる。湯気が立ち上り、兄はそれを冷ましながら飲んだ。ふと、兄が口を開く。
『自惚れじゃないけど、あいつは悲しむだろうな』
『そうだね』
『ひどい兄貴だった、って思わせた方がいいのかな』
『至くんは果ちゃんのことを甘く見すぎ。今更何したって騙されないよ。果ちゃんはあなたのことが好き。生まれた時からずっと、あなたが果ちゃんを愛してきたからだよ』
『……乗り越えるだろうか、いつか。たとえば結婚生活が始まって、幸せに暮らしていれば、俺のことなんか忘れて』
『気休めが聞きたそうな顔してる』
『うん』
『何を失ったってそれでも生きる理由があったから生きてきたんでしょ、至くんだって。果ちゃん次第だよ』
『じゃあ、大丈夫かもな。俺、あいつのこと信じてるから。って言ったら無責任か』
『そうだね、無責任なお兄ちゃんだ。気休めばっかり。答え合わせする気がないもの』
兄はふっと笑って、『耳が痛いな』と視線を落とした。『気休めばかり言い続けてここまで来た。悪くない人生だった』と呟く。
よし、と兄は言って立ち上がる。『撮ろうか、時間もないから』と頭をかいた。『いいよ、喋って』と野乃さんが促す。
先程より幾分かやわらいだ表情で、兄が手を振った。
『果、結婚おめでとう。幸せか? 幸せだって言ってくれたら俺は嬉しいよ』
難しいな、お兄ちゃん。まだ素直な気持ちで幸せって言いきれないよ。
『お前にあてたビデオで俺のことを話すのもどうかと思うけど、俺は幸せだったんだ。色々恵まれていたことはあるけど、第一にお前だよ。本当にお前がいてくれてよかった。お前が妹だったから、お前の兄貴だったから、俺は幸せだった』
やだなぁ、そんな恥ずかしいこと言っちゃうなんて。もう死んじゃうみたいじゃん。聞きたくないな。
『もう二度と楽しいなんて思えないと思ったこともある。お前も同じだったかもしれないけど。それでも俺たち、楽しいことたくさんあったよな? 大丈夫だよ。お前の人生はまだまだこれからなんだから、ちゃんと楽しいことあるよ。まだまだたくさんあるよ。お兄ちゃんは鬼もオバケも倒せないかもしれないけど、お前よりちょっと長く生きてるんだから、信じろよ』
そのうち妹に歳抜かされる人が、何言ってるの。嫌だよ。私、それまで生きていたくないな。お兄ちゃん、『我儘言うなよ』って言ってよ。
『それから……大輔くん、か。お前の旦那になる男は……こう……認めるのは癪だけど、たぶん良い奴なんだろう。きっとお前に必要だから、信頼して、大事にしなさい。大事にしてもらいなさい』
本当に嫌そうな顔するね。早く結婚するように焚き付けたの、お兄ちゃんじゃん。呆れた。
果、と囁き声が聞こえる。兄は口を開いて、しかし照れくさそうに下を向いて、『んー……』と何か迷って、苦笑する。
『もし生まれ変わっても、お前の兄貴になりたいよ』
それからこちらに歩いてくる。ちょっと画面を覗き込み、『撮れたかな?』と言いながら兄の手でカメラを止めた。画面が真っ暗になる。
私は何も映っていないテレビの画面をぼうっと見ていた。ひどく静かだった。
しばらくそのままでいたが、私はDVDを回収して立ち上がった。部屋を出ると、ドアのすぐ真横に野乃さんが膝を抱いている。野乃さんは私を見て、「大丈夫?」と尋ねた。私は頷いて、「大丈夫」とオウム返しする。
「見れた?」
「見れた」
「うちの旦那ったら、それを果ちゃんの結婚式で流せって言って本当に困った」
野乃さんは穏やかに微笑みながら立ち上がった。「こんなの、式で流されたらたまったもんじゃないよね」と肩をすくめる。私は涙でぐちゃぐちゃの顔面を袖で拭きながら、「ほんとだよ」と笑った。
一階に降りる。大輔くんが顔を上げて、飼い主が帰ってきた犬のように近づいてきた。
「帰ろっか」
「そうだね」
手を繋ぐ。野乃さんにお礼を言って、店を後にする。
「知ってたの、大輔くん。お兄ちゃんからのメッセージ」
「俺は見てないけどね」
帰り道、夕飯の材料を買って歩いた。ビニール袋を二人で持つ。昔、お兄ちゃんともこういう風に歩いた。
なんてことはない。私はずっと、『お兄ちゃんのいなくなった世界で、これから一体どうなるんだろう』と不安だった。しかし結局のところ、どうなることもないのだと気づいただけだ。
私はお兄ちゃんのことが世界で一番大好きだった。そして、世界で一番大好きな人と二度と会えなくなっても、世界は変わらず続いていく。それだけだ。私には不安のかわりに悲しみが残った。
無言で泣く私をちらりと見て、大輔くんはビニール袋を揺らした。存在を主張するように揺らした。
「ねえ、大輔くん」
「なに?」
「どうしてこんなめんどくさい女と一緒になったの」
「どうだろう、わかんないな。まだ果ちゃんをめんどくさいと思ったことないから」
「今に嫌気がさすよ」
「そしたらその時考えるよ」
どこの家も夕飯の支度をしているのだろう。いい匂いが漂ってきた。子供の頃から、この時間が大好きだ。
「私より長生きして」
「努力します」
「私も、あなたを長生きさせるように努力する」
「素晴らしい。一緒に長生きしましょう」
「なんだかプロポーズみたい」
「ようやくそれらしいプロポーズができた。婚姻届を出した時は、君の『今すぐ結婚しようよ』の鶴の一声だったからね」
「それで承諾するあなたもあなたよ」
立ち止まる。二人、顔を見合わせる。夕日が一番眩しい時間だ。大輔くんの瞳の色がいつもより透き通って見えた。
「長風呂はいいけど、お湯の温度を三度下げた方がいい。お互いの健康のために」
私は何か言い返そうとしたけれど諦めて、「それは間違いない」と呟いてまた歩き出す。数秒遅れて大輔くんもついてきた。
3
夢を見た。私はほとんど赤ん坊で、兄の腰ほどの背もない。兄は兄で、小学生くらいだろうか。周囲の背高草と同じくらいの身長だった。
私はひっくり返るほど上を見上げて、空を指さしている。空に生まれる白い真っ直ぐな線を指さしている。
『なにー? あれ、なにー? おにいちゃん』
兄もそれを見上げて『飛行機だ』と言い、『近いね、珍しいね』と興奮した声で続ける。
『ひこうき』
『空を飛ぶんだよ。外国とかに行くんだ』
『そらとびたい。このみも』
『いつか乗ろうな』
そう言って、兄は私をおんぶする。両腕を広げ、走り出した。
甲高い笑い声が聞こえる。私のだ。気持ちよくて仕方なかった。草をかき分けて進む。空が青い。どこまででも行ける気がした。
お兄ちゃん、私も。生まれ変わってもう一度あなたの妹になりたい。今度はもう少し、歳が近くてもいいな。
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