ファイルNo.16
ホワイトの部屋に案内された2人は書籍の数に驚いた
図書館の様に広い空間の中央には机を挟んでソファーが2つ置いてあった
ホワイトはソファーに腰を掛けるとコーヒーが運ばれてきた
「さぁ?座って下さい?」
2人もソファーに座るとコーヒーが置かれた、ホワイトはコーヒーを一口飲むとカップを置き足を組むと静かに声を出した
「先程の話聞かせて頂いても?」
「あぁそうだな!3年前からある連続殺人事件が続いている
事件の発生件数は多くはないが犯人はまだ逮捕出来ていない
そして最近新たな事件が起きていてな?
両方の事件がお前の使っていた記憶操作・精神支配を使っているんだ」
「ほぉ?私が活動していた時はあまり使える人の話は聞きませんでしたからね?
今も両方の魔法が使えるのは少ないのですか?」
「少ないな!使える奴は国の監視下に入っている上に簡単に使える物でも無いだろ?」
「そうですね?知識はどうにかなりますが、センスだけは教えられても難しいですからね?」
「お前の知識は外に居た時に誰かに教えたりはしていないのか?」
「無いですね!確かに記憶操作で知識を入れる事が出来れば簡単に自分の身代わりを作れ捕まる事も無かった
でも出来ない事が分かった時に記憶操作は
出来上がっている記憶は改変する事で
虚偽記憶を作る魔法なんだと理解したんです
簡単な記憶は追加出来るんですよ?
朝ご飯食べなかったが食べた記憶を追加したりぐらいです。
体験した事があれば記憶に入れるのは容易だと分かったんです?
体験をしているイコール過去の記憶から新たな記憶として挿入するのは容易なんです」
「体験していない事を記憶改変して入れるとどうなる?」
「まぁそうですね?記憶操作・精神支配の知識を持たない人の頭に入れたら人として壊れましたね」
「それは脳の容量、キャパがパンクしたって事か?」
「そうです、脳への負担は私が想像した以上に多かった様です」
「なるほどな?お前が外に居た時は何人ぐらいが同じ魔法を使えたんだ?」
「あぁさっきも話した通り少なかった、俺だけが裏世界では使えた
国の監視下には10人?少なかったよな?」
「そうだ!今の犯行を起こしている犯人が何処で記憶操作と精神支配を覚えたが分かれば何かを掴めるかもしれないんだ」
「ダメですよ?私みたいな人間にすがる様では?
私が覚えた時の事を話しましょう」
「助かるよ」
「私は15の時にエデンに住んでました、エデンは精神的に優れた人々が多く住んでいて、私も物事の捉え方をそこで覚えましたね
ある時仲の良かった親友を突然亡くなったんです?
ショックでしたね、何もヤル気が出ないってこういう事かってその時に知りましたよ!
その時に私は【始まりの木】の元で泣いていました
すると男が現れこう言ったんです」
ーー30年前のエデンに始まりの木の前ーー
「【なぜ泣いている?】」
「俺が守れなかったから」
「【それは君が弱いから守れなかったって事か?】」
「俺にもっと守ってあげられる力があれば」
「【人が人である内は弱い!それは人が心を持っているからだ?誰かの為に強くなりたい?それは傲慢だ!少年よ自分の為だけに力を欲しろ!恐怖で人を支配して少年の思う世界を手に入れろ】」
「それか?世界を俺の世界にすれば皆が笑って暮らせる?」
「【あぁ君が思う世界を作れば君の友達は誰も死なずに済むぞ】」
「世界から悪を消してやる!」
「【君に必要な力を授けよう!私の屋敷まで来たまえ】」
話を振り返っていたホワイトはコーヒーを
飲み干しカップを置き2人に目線を向けた
「お替わり要りますか?」
「あっじゃあいただくよ」
「すみません!僕も貰って良いですか?」
課長とフレインは2人揃ってコーヒーの
お替わりを貰うと、フレインは砂糖にミルクを多めに入れ甘めにしてコーヒーを口に運んだ
少し話が途切れたがホワイトは話をまた
話し始めた
「私が着いていった屋敷には転移魔具を使い一瞬で移動した事もあり
正確な場所は分からないが国内では無いのは分かっている」
「なんで分かるんだ?」
「それは屋敷の直ぐ近くには湖があったが
国内には湖なんて無いからね?
国外には幾つか存在を確認出来るが、私の力では正確な場所は結局分かりませんでした」
「お前は屋敷で何をしていたんだ?」
「毎日恐ろしい程の量の本を読んでいました。好きだったから読めたのもありますが、単に知識を得る事で世界の真実を知ろうとしたんですね
自分が流した涙が本当に悔したかった事が自分を動かしている原動力になっていたんですかね?
本を読み、練習を重ね、毎日の努力の結実が結ばれる事を信じていました
そして私はたった2つの魔法を覚えるのに
5年掛かりましたね
まぁ結局の私に力を与えた男が誰なのかは分からずだったんですけどね?」
「そうか!まぁお前とはゆっくり話したかったから良い機会になったよ」
「でも課長!収穫無いとここに来た意味が」
「そうだね?君はフレインと言ったかな?」
「なっ!俺の名前をなんで!」
「ここに入って来た瞬間から見てましたから?」
「課長俺はやっぱりコイツを信用出来ません!言ってる事も信憑性に欠けてますよ!」
「ウォーカー?お前の部下は若いな!年齢じゃないぞ?考えがな?」
「なんだと!俺はお前の言葉を信用してないんだよ!」
「フレイン!少し静かにしろ!」
「ウォーカーも大変だな?フレイン君
感情より先に頭を動かすんだ」
「ホワイト話を続けてくれ」
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