ファイルNo.10

フレインは課長と西に伝えた後、準備をしていた

時に課長が近付いてきた

どこか遣る瀬ない顔をして来た


「課長どうしたんですか?先輩とあの後喧嘩でもしたんですか?」


「フレイン・・・さっき連絡が入ってな?捜査に行ってたハリスが遺体で見つかった。」


「なっ!ハリスさんがなんで!あの人が!」

フレインは日頃から時間があればハリスを相手に魔法戦闘の稽古をつけて貰っており

魔法に頼った戦闘だけでは無く、格闘術も教えて貰っていた

フレインにとっては先輩と言うよりも先生と呼ぶ程に尊敬していた

ハリスの死を聞かされ、早々に見つけて何遊んでるんですか?何て冗談を言おうと思いながら準備をしていたフレイン

悔しさが込み上げ怒りを何処かに打つけたかったが懸命に抑え込みながら拳を力を一杯に握り

悔しさを心に焼き付けた


捜査官と連絡が取れ無くなる前に訪れていた村に向かった


ーーーーーカッツァーナ村ーーーーー


先日の事件現場は地元警察により現場は綺麗に処理されていた

フレインは事件被害者家族唯一の生き残りのミシェルに合い話を聞きに村長宅に来ていた


ーーーーー村長宅ーーーーー


「先日訪れた私の仲間の1人が近くの街で遺体になって発見され、もう1人とは連絡が取れていません、何か話を聞ければと思い伺わせて貰いました」

村長はフレインの言葉に驚き話を聞いてきた


「どの方が亡くなられたのでしょうか?」


村長は捜査官の特長を聞いて、ミシェルを励まし、最後まで勇気付けてくれたとフレインに伝えながら涙を流した


村長はミシェルが見た犯人はウサギの仮面を付けていた事、この周辺の地域ではお祭りの時にウサギの仮面を付けている事を聞いて、捜査で街に行った事を聞いた


話を聞いたフレインは再び怒りと悔しさで拳を握り締め怒りを抑えつつ話を続けた

「そうですか、ならその時に犯人と思われる人物と交戦したんでしょうね?」

フレインは聞いた話を確認しながら情報を纏めていった


「では私は仲間の行方を追い掛けたいと思いますので、何かあったら警察署に相談して下さい?」

そう言いフレインは村長宅を後にして街に向かった


ーーーーートラーズ街ーーーーー



フレインは街で捜査官の遺体が見つかった現場に向かい花束を手向けた


「ハリスさん何やってんですか?貴方がやられるなんてまだ信じられないですよ?」

1人静かに涙を流した


ハリスを見つけた市民に話を聞きに行き

発見時の事は気が動転していて余り覚えていなかった

フレインはウサギの仮面についても聞いてみた

ウサギの仮面はお祭りで出回っている被り物なのが犯人に辿り着ける可能性は限りなく低いが、だが仲間の無念を晴らす為に

フレインは地道に聞き込みを続けた


すると隣町から来ていた薬剤師の男が最近街中で声を掛けている男を見たと情報を得る事が出来た事でフレインは

もう1人の捜査官を探す為に隣の街に向かう事にした




ーーーーーラキナイン街ーーーーー


フレインは街に到着後に課長に連絡をした

「課長お疲れ様です!自分はラキナインって街に今は来てます、今日はそろそろ宿に向かいますね?」


「そうか!今日は何か進展はあったか?」


「いえまだ何も無いです。手掛かりが見つかり次第連絡するんで安心して下さいよ?」


フレインは通信を終わらせた後に少しだけ散歩をする事にした、しばらく歩き川が見えた

夕暮れの川沿いを歩いていると地下水路の出口に向かって犬が吠えている

気になったフレインは犬を退け、中を見てみると光が灯っていた

確認しに行ってみる事にしたフレインは恐る恐る中に入った、中は涼しく、何処からともなくネズミの鳴き声も聞こえてくる

フレインはあと少しの所で足を止めた


そこには行方が分からなかった捜査官が倒れていた!

フレインは我に返り、急ぎ声を掛けた


「大丈夫ですか!今応援を呼びます!」

フレインが応援を呼びに外に向かおうとした時腕を掴み、残り少ない体力を使い何かを伝えようとしてきた


「これ…………を……フ…レ……か……ちょ……」

何かメモした紙をフレインに渡そうと必死なその手は赤く血に染まっていた

冷たく冷えた震えた手、今にも消えてしまいそうな命の灯火

フレインは涙を流しそうになりながらも懸命に声を掛け続けた


「大丈夫ですから!だから待ってて下さい!」

フレインはそう言い外に向かい、課長に急ぎ連絡をした


「かっ!課長!ミラーさん発見しました!ですが負傷しているので急ぎ手当が必要です!手配お願いします!」


「分かった!直ぐに地元警察を送るから待ってろ!あと私もそっちに向かう!」


「分かりました、私は先輩の所に戻ります!」

フレインは通信終えると急いで負傷している捜査官のもとへ向かった


「今連絡して応援を直ぐに向かわせてくれるみたいなので安心して下さい!」


それを聞いた捜査官は笑顔になり安心したのか

かすれた声で最後の力を振り絞り


「そ……か…………よか」

捜査官は息を引き取った

目を開けたまま反応が無くなり光を失った



数時間後課長は地元警察署に到着した、

警察署内のイスで落ち込んでいるフレインを見つけた課長は声を掛けた


「大丈夫か?アイツ最後に何か言ってたか?」


「もう大丈夫てすよって声を掛けたら笑顔でそうか、良かったって多分言ったと思います」


薄暗く冷えた空気の廊下はどこか悲しげな雰囲気に包まれ

手には冷めきったコーヒーが減らずに残ったまま

イスに腰を掛けたフレインは小さな声で課長に伝えた


「そうか、お前に見つけて貰えて安心したんだろうな・・・辛い思いさせたな」


課長はフレインが立ち直れなくならないように気を掛けていた


「課長今回の犯人は同一人物ですかね?」


「まだ分からないだが、奴のメモに書いてあった文字が読めれば良かったんだがな

血痕が多いからもしかしたら読めない

ままかも知れない」


フレインに渡されたメモは血液で読む事が出来なかった




ベイ・ハリス(43歳)殉職

元軍人・魔法戦闘、対人戦闘に長け部隊では

頼りになる隊長を務めていた(祖父から引き継いだ牧場は触れ合い体験の出来る人気スポット)

ジェームズ・ミラー(41歳)殉職

元軍人・対人戦闘のエキスパートであり

ハリスの部隊にいた(妻子持ち)

2人は退役後に課長と出会い新たに創られた

特捜に誘われ警察官になった

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