ファイルNo.9

ーーーーー霊園墓地ーーーーー

グレイ・ウォーカー

484ー512

心優しき青年

彼は幸せを周りの人々

にも分け与える事を

惜しみ無く出来る

我々がこれからは

彼の代わりに人々に

幸せを与えて行く事を

彼も望んでいるだろう



キャリル・ウォーカー

   489ー512

私の愛しき娘キャリル

君は優しく思いやりのある

彼と結ばれたのが

私達にとって、とても

嬉しい報告だったよ

君達はいつまでも

皆の心の中に居るから

笑顔で一歩踏み出せるよ

私達の愛しのキャリル







ーーーーー霊園墓地墓石前ーーーーー


その日は雨が降っていた・・西は知り合いの墓まりに来ていた


「あの日も雨だったな、3年前から俺は時間が止まったままだ」


3年前、西は親友をある事件で失った

幼馴染みだった親友はどんな時でもお互いがお互いを支え、そして同じ仕事をする事にしたが、仕事でも最高のパートナーで有り最高の親友だった


「お前によく似た奴が俺の新しいパートナーだよ」

人形怪奇事件捜査協力より2ヶ月前の事

西は知り合いの墓まりに来ていた




警視庁刑事部魔法取り締まり局第一捜査課特別捜査班


その日人形怪奇事件で捜査に当たっていた西とフレインは課長から呼ばれていた


「・・・・・・」


「課長どうしたんですか?」

西は課長が何か言いづらそうにしているのを見て西から切り出した


「お前達に人形怪奇事件の捜査を手伝って貰ってた時に例の事件が起きた

ハリスとミラーに向かって貰った

そして今現在連絡が途絶えている状態だ」


西はそれを聞いた瞬間に机を強く叩き語気を荒げた!


「何故!俺に言ってくれなかったんですか!」

西が感情的になり普段見せない姿に少し驚いたのはフレインだった


「お前は今の自分の精神状態があの捜査に向いてると思うか?」

課長は西を諭す様に言うが西はまだ収まりが付かない様子


「少なくとも俺が現場に居れば連絡が取れなくなる事は無いのに!」

フレインはその言葉を聞いて、西に殴り掛かり、掴み掛かった


「なんで先輩たちの事が信用出来ないんですか!先輩に同じ事が言えるんすか!なんで仲間を信用出来ないんすか!」

フレインは西の胸ぐらを掴み、もの凄い勢いで剣幕でまくし立てる姿に課長は少し口元が緩み何処か嬉しそうな表情をしていた


「フレイン!手を離せ!」

課長から怒号が飛んできた


「西!少し2人で話そう!フレイン、お前は今回の猟奇事件の資料に目を通しておけ」

そう言うと課長は西を連れて出て行った




ーーーーー警視庁慰霊碑前ーーーーー


「ここに俺の部下の名前が多く刻まれている・・それは俺が死ぬまで背負う責任だ」


課長は常に部下を思い家族の様に愛していた

そんな課長の言葉に自分がさっき言ってしまった、軽はずみな言葉にどこか、気まずそうに俯いていた


「さっきは冷静さに欠けてました、すみませんでした」

西は落ち着きを取り戻し課長の後ろから謝った


「お前があの事件に拘るのは私情による物なのはずっと知っている」

西は猟奇事件に固執していた、ラベンダー猟奇殺人事件の犠牲になった親友の仇を取る、ただそれを生きる糧にしていた


「アイツを忘れろとは言わないけどなぁ?自分の命は大切にしろ!生きろ、お前は俺の弟の親友だった大切な奴なんだからな」

西の親友だった、グレイ・ウォーカーは課長の弟でもあった


課長と西が話をしていた時に、フレインが走ってきた


「課長、俺先輩達の事件現場に行こうと思います!」

フレインの言葉に西と課長は驚いた


「連絡が取れてない先輩を俺が1人で探してきますよ!」

フレインの提案に西は反対した!連絡が取れていない状態は仮に犯人が現場近くに居る可能性がある

そんな危険な所に簡単には送り出せない


「お前1人で行って何か遭ったらどうする!」

西はフレインが考え無しで動こうとしていると思い止めようとしている


「だからですよ、俺みたいな新米は特に相手にもしないでしょ?それに、先輩みたいに明らかに仕事に来ました!みたいな人が居たら反って目立ちますよ?僕みたいな旅行者風の若者が1人なら目立ちませんよ」

フレインはそれらしい事を言い始め、課長は納得の行く所が有るのか、うなずいている


「西、お前はどう思う?俺は良いと思うが?」

課長は西にフレインの提案の意見を聞いてみた


「課長が決める事なので何とも言えませんが、危険だけは避けるべきです!」

西がそう課長に言うと、課長はまたうなずきながらフレインの顔を見て条件を出してきた


「お前が行くのは許可する、だが幾つか条件を出すぞ?

1つ・決まった時間に定時連絡する事、1つ・犯人と思われる人物を発見したら直ぐにその場を退避しろ、1つ・単独での捜査だ、必ず生きて帰って来い!良いか?」

課長からの条件は単純明快、それ程、課長も心配しているのだ


「大丈夫です!それぐらい俺にも守れますよ」

フレインはあまり見せない笑顔で答えた。 彼もまた立派な捜査官の1人で大切な仲間なのだと西は感じていた。


「フレイン!サボるなよ!俺が側に居ないからって遊んでたらバレるぞ!」

西はフレインに笑顔で釘を刺しフレインはその言葉に若干顔を引きつりつつ


「ハハハ、厳しいッすね!」


「期限は1週間それまでに探して帰って来い!」

課長から伝えられ、フレインは敬礼をし、

その場を去って行った



「不安か?西?やっぱりフレインはグレイに似てるよな?」


「えぇ1人で走って俺の前から消えたアイツにそっくりですよ」


「安心しろ今度は俺が居る!そうだ!お前には奇妙な事件を調べて欲しいんだ!

人形怪奇事件の首謀者と思われる男が遺体で見つかった!

それをお前にも捜査をして貰いたい

スミス達も捜査に当たってる!だから親友のお前には捜査を手伝って欲しいんだ?

良いだろ?」


「その事件はアローン家の当主の件ですよね?

あれは自分達が入る様な件なんですか?」


「最近の事件は何か変なんだ?調べる価値は有るはずだ」


「分かりました!では私は当面はそっちを調べます!」


「悪いな!頼んだぞ!」


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