ファイルNo.5

ここはとこだ、暗くて見えない

音がしない

俺は何でこうなってる

誰か、誰か、誰か

助けてくれ、怖い

誰が悪い、アイツが、アイツが

俺は悪くない、悪くない

社会が悪い、世間が悪い

理解出来ない奴が悪い

俺は、俺は、

憎い、憎い、憎い、憎い

あざ笑う奴が悪い

俺を理解できない奴は全員消してやる


そうだ、変えてやるよ

世界は汚れてる

汚い、誰が汚した

俺か、違う、俺以外の

汚れた人間だ、

イライラする


人が人を騙す

人が人を蹴落とす

人が人を裏切る

人が人を殺す

やっぱり人は汚れている


俺が世界を壊す



彼が世間に衝撃を与えた猟奇事件

暗く歪んだ思い

幼少期に両親を殺され

孤児院では院長を殺し

孤児院の子供達を殺し

火を放ち、逃げた









「ジェイク・ウッドさん貴方は奥様を愛してますか?

ブリトニー・ハリスさん貴女はご主人を愛してますか?

貴方達は、本当に愛し合っているのですか?」


男は質問をしている

内容的には、ありきたりな質問人の愛は運命を共にする事もある

だか時に愛は金に変わり、欲に変わり、自分の安全を確保する為の手段になる時がある


「聞こえないのですか、貴方たちは本当に愛してますか」


質問をされてる人はなかなか答えない

愛しているなら言えるが、長年共にすると案外言えなかったりする

質問者は何かのアンケートでも取っているのか


「もう答えて下さいよ、まだまだ質問ありますから」


彼はどこか苛立ちでも有るのだろうか

それとも、答えて貰えない事を予測していたのか


「じゃあ、次の質問に答えてくれた方を助けますよ?

なので答えて下さいね?」


すると彼は口を塞いでいたタオルを外した瞬間


「私を助けてお願い主人の事は愛しているわ、だからお願い助けて!」


「ふざけるな俺もお前を愛しているぞ、助かるべきは私だろ!」


「何を言っているの貴方なんて家に居ても何もしないのに!どれだけ私が今まで我慢したと思ってるの」


「何もしないのは君じゃないか!何かあれば直ぐに俺にやらせるじゃないか、君の散財癖にはこりごりしてるんだよ、我慢してるのは俺の方だ!」


すると質問を出していた男が静に笑い始めた


「貴方たちは、本当に醜いですね!

本当に愛し合っているのですか?」


彼は何やら道具を持ち運んできた、体はイスに固定されたままだが指は動かす事が出来る、指先に何やらボタンが設置されている

そして、お互い向かい合わせに座り

机の中央には見慣れない装置、そしてナイフがセットされた、彼は説明を始めた


「この装置は簡単ですよ、ナイフはお互いに向かって動きます、そしてお互いの体に刺さります」


「なっ!どういう事よ!」

妻が声を荒げた


「まぁまぁ聞いて下さい、お互いにボタンを押したままにして押したまま耐えてもらって

目の前にある時計で30秒間押して置いて貰えれば無事に止まって終わります。

ですが、その前にボタンを離してしまうと、相手の方は残りの時間関係なく、ナイフが動きを止める事無く、体に刺さり死にます、止める事は出来ません

ボタンを押し直しても無駄です、でも安心して下さい

貴方達にナイフが刺さるまでの時間は動き始めてから40秒後ですから、仮にボタンを離されても10秒間は言いたい事を伝えれますよ

あとは参加して頂いてますのでちゃんと報酬はあります。

生き残った方は、賞金として500万上げます

2人で無事クリアして終わりましたら、お2人に200万を差し上げます

では、夫婦の真の愛を見せて下さい」

彼はニヤリと笑い装置に電源を入れた


「ねぇ?、あなた私の事愛してるのよね?」


「あぁ、大丈夫だ、ここから無事出よう!」


「そうよね、安心したわ本当に貴方と結婚できた事が幸せだわ」


「俺も幸せだ、また君と料理が作りたいな?」


「そうね、ここから出たら作りましょ!」


30秒が近づき2人は仲良く昔を思い出した様に話をして居たが突然ブザーが鳴った!


妻が突然笑い始めた

「アハハッ!本当貴方はバカね?2人で出ようなんて思うわけ無いじゃない?」


「お前ぇぇぇ!ふざけんなぁぁ裏切りやがったな!てめー、殺してやる!ふざけんじゃね」


「アハハッ、もう貴方との生活なんてごめんなのよ、さっさと死んでくれる?」


そしてナイフの付いた装置は止まる事無く旦那の息の根を止める為に動いている


「ふざけんな!ふざけんな!許さねぇぞぉぉ!」

たが、ナイフは妻の方も止まらずに動いている


「貴方達の愛はとても面白いですね!表面では愛してる本性は醜いですね」


「なんで?なんで私まで殺されないといけないのよ!待ってよ話が違うじゃない!」


「お前も死ぬんだよ!このクソがよ!クックックハハハハ」


徐々にお互いに近づいて来るナイフ

顔を見せない犯人は鼻歌を歌いながら近づいてきた


「貴方達に刺さるナイフには魔法を付与してあります。

傷口は作りません、内臓を内側から切り刻んで貴方達はもがき苦しみながら死にます」


そして夫婦にナイフが刺さり、苦しみ、涙を流し、口からは血を吐き、失禁し、悲鳴をあげた


薄れ行方意識の中、犯人は最後に言った


「貴方達の遺体は貴方達の家で手を繋ぐ様にしておいて上げますよ?

死んでもなお仲の良い夫婦で羨ましいです」



夫婦の遺体は自宅のあるカッツァーナ村で発見された。

2人の愛のカタチ

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