ファイルNo.4

「スミス事件が起きたから、これから現場に向かって貰って良いか?」


「分かりました、直ぐに準備します」

スミス達鑑識課魔法解析班は事件捜査する為に魔法の痕跡(魔痕)や犯人像をプロファイリングするプロである


「因みに今回の事件は何ですか?」


「マネキンが人を襲ってケガ人が出た事件だ。

比較的早く解決出来ると思うから頼んだ」


「分かりました課長は適当に帰って良いですよ、報告は上げときますんで」


「ありがとうな俺も仕事あるから終わったら帰るよ」




ーーーーーー事件現場ーーーーーーー

「ここが現場か?デカイ家だな!」

スミスは同僚のメアリーと共に事件現場に到着したが、現場には新聞記者やや野次馬が溢れていた

「有名なファッションデザイナーの家らしいですよ」


「へぇーメアリーちゃんはそういうの詳しいの?ファッション関係では有名な人なの?」


「私はそこまで意識高くないでよ?それに有名な人なんて万人受けさせれないと意味がありませんよ?独自の世界観なんて私は求めてませんから」


「そうなんだ?俺も興味無いけどね!普段はスーツだからオシャレなんて無縁だしね」


家と呼ぶより屋敷と呼ぶのが相応しい程に大きく立派な家だ、庭も手入れがされており豪華で優雅な生活を送っている事が容易に想像できる


「被害者は?犯人は?」


「既に怪我人は病院に搬送されてます、幸いな事にこの事件での死者は居ません」


「そうか?とりあえず調べましょう かね?」


玄関を開け中に入ると無数にマネキンと人形が転がっていた

人形と分かっていても恐怖心を煽る無数の目線が2人に突き刺さった


「ここにあるマネキンと人形達から魔痕辿るか?てかこの数は流石に警戒が解けないね」


「それもそうですね?私もこれだけの人形から見られると怖いですね、直ぐに終わらせて目線から解放されたいですね

この人形達なんですけど弱いんですが、魔法操作の痕跡がありますね!」


「人形達にこの家の人間を襲わせて何をしたかったんだ?」


物は盗まれていなかった、死者も出ていないなら、怨恨か?金目目的なのか?目的が分からないスミス


「下級レベルの魔法使用ですね、これなら追跡魔法で終わりますね」

メアリーは鑑識を早々に終わらせて追跡の準備に入り始めた、胸ポケットから杖を取り出し追跡魔法を発動させた


「じゃあさっさと終わらせて帰ろうか?」


微弱な魔法を2人が追跡するうちにとある会社に着いた


「ここは宅配の営業所か?」


「この中に居るんですかね?」


「すみません、警察なんですが、捜査の協力して頂きたいんですが?」

中に入ると受け付けには人が居たのでスミスが話し掛けた

「あっ!はいどうぞ」

中に居た人は驚いた様子で営業所の所長が置くから急いで出て来て対応をした

2人は所長に案内してもらいながら

営業の奥にある倉庫まで来た


「彼に着いたな」


何処にでも居そうなごく普通の青年に辿り着いた

追跡魔法は使用者を発見したのち、直ぐに魔法は解ける


「彼はどのような人ですか?」

スミスは所長に聞いた


「最近入ってきた新人だけど、毎日真面目に働いてて周りとも上手くやってますよ、今日まで特別問題も起こしてないです」


「そうなんですか?少し彼と話をしたいので、呼んで貰っても?」

メアリーは所長に青年を呼んで貰い話をする事にした

犯人と思われる男は見た目の印象が極々何処にでも居る青年の為に2人は首をかしげた


「私達は昨日あった事件を調べてます、その事件の痕跡が貴方に残っていると分かったのですが?、事件があった昨日は貴方は何をしていましたか?」


犯人と思われる青年は答え始めた

「すみません、私が事件を起こしました!ですが!私は犯人では無いですよ、証拠は私の記憶に有ります!」


「記憶の確認して判断するぞ、事件を起こしたけど、やってない証拠が記憶って矛盾があるだろ?」

スミスは青年が口にした言葉の矛盾に違和感を感じつつも、記憶を抜き出す魔法を掛けて確認する為に警視庁に戻り取り調べをする事にした

「これから、貴方には同行して頂きます、貴方の言っている事を確認をしないといけませんので!」



ーーー警視庁刑事部取調室ーーー


「貴方の共謀者は誰なの?」


「誰だかは分かりませんよ、顔を見た訳でも無いですし、現場にも来てませんから!」


「じゃあどうやって犯行計画をしたんだ?」


「声がしたんですよ、あの日あの現場に行き犯行をする様にと声がしたんです!」


「お前は顔も素性も分からない奴の声が聞こえたから事件を起こしたって言うのか?」


「そうですよ、私は選ばれたんです神に!」


スミスとメアリーは目の前に居る青年は狂人なのか、聞こえたという声に従っただけなのか分からずに居た、共謀者が居るなら何が目的なのかも謎のまま

青年は突如首を横に傾けた、目からは光を失いヨダレを垂らしながスミスとメモリーの方に目線を向けた


「私の事を探しているんですか?」

青年は突然話し始めた!声はさっきまで聞いていた青年とは違い淡々と話し始めた


「私は貴方達と会いたく無いんですよね?

でも私は貴方達と同類だと思っているんですよ?」


「お前は罪を犯した、同類って事は無いだろ?」



「私も貴方達と同じ様に罪を犯した人間を裁いているんですよ?」


「貴方がやった事は犯罪です、一般人に怪我人を出しているんですから貴方は犯罪者です!」

メアリーは語気が強くなってしまい、スミスに肩を叩かれ冷静になった


「一般人?本当にそうですかね?あのデザイナーの過去を調べてみて下さい!貴方達が裁けなかった人間の過去を!」


すると青年は急に気を失い机に倒れ込んだ


「とりあえず、お互いの記憶を複製して報告だ、あと課長に言って特捜に協力してもらおう」


「特捜に協力してもらう程ですか?私はあそこの人達が苦手です」


「そんな事言わないでさ、この犯人はまだまだ犯行をするだろうしさ」


人形怪奇事件

※特捜=特別捜査班

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