悪役令嬢の妹ですが幸せは来るのでしょうか？

第2話

　卒業パーティーの騒ぎで紹介が遅れました。私、トレニア・ガーランド侯爵令嬢只今16歳。私はガーランド侯爵家の跡取りとしてそれはそれは厳しく育てられた。学院での成績はこの1年常にトップ10に入っているわ。

そして卒業パーティーの場での断罪劇で有名人となった姉、グリシーヌは18歳。傾国の美女とも言われる美貌の持ち主。王子妃となる事が幼少期より決定していた姉は見た目とは違い、口煩く我儘な性格をしている。着飾る事が何より大好きらしい。

妹のソニア14歳。グリシーヌに負けない程の美しさで社交会にはまだデビューをしていないのにも関わらず、釣書の山を築いている。ソニアは姉以上に甘やかされて育ったためか淑女として最低限の振る舞いも恐ろしいほど出来ず、我儘で奔放な性格をしているわ。父、マルス・ガーランド侯爵。母のファナ。

　他の家族と違う所は、そうね、私は姉や妹より美しく無かったせいか、家を継ぐ為なのかは分からないけれど、幼少期から1人領地で暮らし従者や侍女に蝶よ花よと育てられた。

数年前に学院があるからと王都に戻され、休みの日には領地視察を繰り返している生活。

　私自身の容姿は平均やや上だとは思っているのだけれど、姉も妹も人間離れした美しさのおかげで周りからは残念な2番目や可哀想な子という評価をされている。

更に残念な事に両親共に姉と妹を全ての最優先事項とするのが我が家の仕来りになっている。