悪役令嬢の妹ですが幸せは来るのでしょうか?
まるねこ
第1話 プロローグ
「グリシーヌ!君との婚約は破棄させてもらう!新しい婚約者はエレノア・ナラン子爵令嬢となる」
そう言って壇の上から姉であるグリシーヌに第二王子のディラン様は告げた。華やかなパーティー会場はシンと静まり返り第二王子へと皆が視線を向けている。
「婚約破棄の理由は何でしょうか。お伺いしても?」
姉のグリシーヌは凛と澄ました顔でそう問いかける。
「真実の愛を見つけたのだよ。私の真実の愛こそエレノアなのだ。グリシーヌ、それとお前はエレノアを虐めていたそうじゃないか。日頃から口煩く私に付き纏っていたしな。うんざりだ。エレノアを虐めた事を罪に問おうと思ったがこの美しく優しいエレノアが不問にして欲しいと頼んできたのだ。感謝しろ!」
「あらっ、おかしいですわね?証拠はありまして?冤罪ですわ。それに私が口煩くしたのは婚約者がいるのに腕を絡ませて歩いているそのご令嬢が悪いのではなくて?
殿下は不貞を肯定なさるのですのね。… 婚約破棄、承りましたわ。では、私はこれで失礼しますわ」
そう言って姉のグリシーヌが退場すると共に卒業パーティーでの一幕は終わった。
私は1年生の生徒会のメンバーとして卒業パーティーの会場にいたのだが、まさか姉の断罪現場に自分が居合わせてしまうとは。姉が去った後は周囲の視線が私に集中し、居た堪れずに先輩方に謝り倒して会場を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます