第27話 ブラッディ・ベア、再び

 精霊達の導きの元、その道中に保護される前にナキが使っていた野営地で、災害級の末席に当たるブラッティ・ベアと遭遇してしまったナキとクルークハイト。

 あまりにも突然の事過ぎてすぐに逃げるという判断ができず、その場で硬直状態になってしまう。


(なんで、なんでこんな所にブラッディ・ベア⁉

 大海たいかいの森といえどそうカンタンにソウグウする筈ないのに!)


「グウォオオオオオッ!」


「ナキ避けろ!」


「あっ……うわぁっ⁉」


 ブラッディ・ベアを目の前にして硬直していると、ブラッディ・ベアがナキ目掛けて右手を振りかざした。

 後方にいたクルークハイトが声をかけるも、すぐには動けなかった。


 そのままブラッティ・ベアの右手に直撃するかと思われた時、ナキの周りに風が発生し、ナキをクルークハイトがいる後方へ移動させた。

 そのおかげでブラッティ・ベアの右手が直撃する事はなかったが、それで聞きを脱した事にはならなかった。


「大丈夫かナキ⁉」


「なっなんとか。多分、セイレイ達が後ろに移動させてくれたおかげで助かった……」


 精霊達がとっさにナキをクルークハイトがいる後方まで避けたおかげで無傷だった。

 そして精霊達はナキを守ろうとブラッディ・ベアに攻撃を仕掛けているらしく、その証拠にブラッディ・ベアの周囲では炎の玉や雷が出現していた。


「凄い精霊達の猛攻、ルオさんの時に何度か見た事あるけどここまで激しいのは初めてだ」


「あ、あの傷!」


 クルークハイトが精霊達の猛攻に驚いている中、ナキはブラッディ・ベアの顔を見てある事に気がついた。

 眼の前にいるブラッディ・ベアの右目が潰れていたのだ。


 保護される前、ナキは自分を襲ったブラッディ・ベアの右目を潰した事を思い出した。

 クルークハイトもつられてブラッディ・ベアの方を見て、右目が潰れている事に気付いた。


「あの熊の魔物、右目が潰れてる?」


「間違いない、アイツは俺をおそったブラッディ・ベアと同個体だ」


「あれがブラッディ・ベア⁉ っていうか、同じ個体ってわかるのか?!」


「わかるも何も、前にソウグウした時にアイス・バレット氷の弾丸で潰したんだ。

 あの潰れ方して間違えるもんか!」


 何かに撃ち抜かれたかのようなあとを見たナキは、そのブラッディ・ベアが以前自分をおそったのと同個体であると革新した。

 それと同時にある事を危惧していた。


「クソッ! やっぱり匂いを覚えられちまったのか⁉」


「匂い? 匂いがどう関係してるんだよ?」


「ブラッディ・ベアはソウグウした相手の血の匂いを覚える事でそいつをツイセキする事ができる。

 匂いを覚えられたら最後、森から出て人里に逃げ込んでも追いかけてくるんだ!

 村にいてもモクゲキ情報がなかったから、大丈夫だと思ってたのに……」


 ブラッディ・ベアに自分の血の匂いを覚えられてしまった事に焦りを見せるナキ。

 このまま村に戻れば大勢の犠牲が出てしまう。

 精霊達が総攻撃を仕掛けているものの、突破されるのも時間の問題だ。


「どうするんだよ、あんなのに追いかけられたらひとたまりもないぞ!」


「今は逃げる事だけを考えよう!

 このまま村に戻っても被害が出る!」


「わかった! 一先ず村は避けて逃げよう!」


 兎に角このままいるのは危険だと判断したナキとクルークハイトは、村には戻らず大海たいかいの森を逃げ回る事にした。

 そうと決まると、二人は青い花の道標から外れ、別の方向へと走り出した。


 ナキが逃げ出した事に気付いたブラッディ・ベアは追跡しようとするが、そうはさせまいというかのように足元に蔦が生えて絡まり合う。

 足元を封じられたブラッディ・ベアだったが、そんな事はお構いなしに強引に蔦を引きちぎり、ナキとクルークハイトを追いかけ始めた。


「グウォオオオオオッ!」


「ヤバいぞ、ブラッディ・ベアがセイレイ達の攻撃を抜けて追いかけてきた!」


「こっちだ! 確かこっちに匂いのキツい花が咲いてる花畑がある!

 そこに隠れられそうな岩場もあるから、そこでやり過ごそう!」


「わかった、案内頼む! 急いでくれ!」


 精霊達の猛攻を突破し、自分を追いかけ始めたブラッディ・ベアに戦慄するナキ。

 このまま走る付けてもいずれは捕まると考えたクルークハイトは、近くに強い匂いを発する花畑の存在を伝えそこでやり過ごす事を提案した。


 ナキはクルークハイトの提案に乗り、急いで花畑に向かい始めた。

 背後からブラッディ・ベアの雄叫びが聞こえてくる。

 一刻いっこくも早く身を隠す必要があったため、ナキは花畑までの距離を訪ねた。


「花畑まであとどれくらいだ⁉」


「もう少しだ! ここを突っ切れば花畑につく! 見えた、花畑の入り口だ!」


 クルークハイトがそう言った直後、再び開けた所に出た。

 そこには見覚えのある白い花が咲き乱れており、クルークハイトが入った通りナキでもわかるくらいに花の匂いが漂っていた。


「これって、百合の花畑⁉」


「あそこだ! あの岩場にある隙間に隠れられれば、見つからない筈だ!」


「グウォオオオオオッ!」


「時間がない、急いで隠れるぞ!」


 一面に咲く百合リリーの花畑に圧倒されながらも、背後から聞こえて来たブラッディ・ベアの声で我に返ったナキは、クルークハイトが言っていた岩場に向かった。


 岩場に着くと、岩と岩の間に子供であれば入れる隙間ができており、片方の岩に小さな空洞が出来上がっていた。

 二人は急いでその空洞に逃げ込み、息を潜める。


 空洞に逃げ込んでからしばらくして、ブラッディ・ベアの鳴き声が聞こえてきたものの、百合畑の匂いでナキの匂いがかき消されたのか、ブラッディ・ベアはそのまま百合畑に入る事なく去っていった。


「……助かった、のか?」


「いや、百合の香りで一時的に俺の臭いを隠しているにすぎない。

 この場所がバレたら確実にアウトだ」


 ナキは岩を壁にして外の様子を確認しながら、今の自分達の状況を伝えた。

 ナキの匂いを覚えられている以上、百合畑そのものから出れば確実に匂いで感づかれてしまう。


 かといってずっと岩場の空洞に隠れられる訳ではない。

 何かしらの対抗策があれば別だろうが、どちらにしても見つかるのも時間の問題だ。


「ヴァンダルさんに俺達がここにいるのを伝えられれば、なんとかなるかも……」


「なんで今ここでおっさんが出てくるんだよ?」


「そっか、ナキは知らないんだった。

 ヴァンダルさんは水の高位精霊と樹の上位精霊と契約したグリーン階級ランクの冒険者なんだよ」


「なんだそれ! 初耳だぞ⁉」


 ヴァンダルが水の高位精霊と樹の上位精霊と契約を交わした緑階級の冒険者だと聞かされたナキは、思わず声を荒らげた。

 クルークハイトは慌ててナキの口元を抑え、ナキを落ち着かせる。


「シーッ! シーッ! 声抑えて、ブラッディ・ベアに見つかる!」


「わ、悪ぃ……。でもそれ、本当なのか?」


「うん、一人で大海の森を移動できるくらいだし、ルオさんに精霊についてちゃんと注意できるから間違いないよ。

 ナキが来る前にもメイメイとシェイシェイと協力してブルー階級の魔物を倒してたし」


「マジで強いんだなあのおっさん。

 でもセイレイとケイヤクしてるって事は、他のセイレイも見えるって事だよな?

 セイレイ達、四、五体でヴァンダルのおっさんを探して俺達がここにいる事を伝えてくれ!」


『『『ピリィンッ!』』』


 クルークハイトからヴァンダルが緑階級の冒険者だと聞かされたナキは、実際に動く精霊の人数を制限し、ヴァンダルを読んでくるよう指示を出した。


 ナキが指示を出した直後、警告音が聞こえ、そよ風がナキの顔を撫でるようにふいた。

 精霊なりに認識できない自分に対する挨拶的な何かだろうと考えたナキは、空洞の内側に身を潜めた。


「これでおっさんに俺達がここにいる事が伝わる筈、あとは俺達がどれだけ見つからないようにやり過ごせるかが問題だな……」


「花の匂いで間違いなく隠せてると思うんだけど、ブラッディ・ベアってどれくらい嗅覚が良いんだ?」


「わからない、でも人里までしつこく追いかけてくる以上、相当良い筈だ。

 むやみに動いたり血を流す事がなければ、まずすぐには見つからないとは思うけど……」


 ナキはブラッディ・ベアに何時見つかるかわからないという不安で一杯だった。

 ただでさえ魔法が使えないだけでなく、手ぶらな状態である以上、反撃の手立てがないのだ。


 そう考えるとこの場を動かず助けを待つのが一番得策なのだが、ブラッディ・ベアの嗅覚が何処まで良いのかわからないため、不安を隠しきれないでいた。


「そういえばあのブラッディ・ベアの右目を潰したって言うけど、もしかして戦ったのか?」


「あぁ、さっきみたいにホゴされる前に俺がヤエイチで使ってた場所に現れたんだ。

 アイス・バレッドでコウゲキを仕掛けたけど、その時に急性魔力マナ過多症が悪化して死にかけたけど……」


「そんな状態でよく逃げ切れたな。

 ブラッディ・ベアに追いかけられなかったのか?」


 ブラッディ・ベアと戦って逃げる事ができたという事実に、追いかけられなかったのかとナキに問うクルークハイト。

 いくら魔法が使えても子供一人で逃げ切るのは不可能に近いと考えたのだろう。


「いや、実はその時ブラッディ・ベアよりも強そうななまり色のリザードマンまで出てきて、そのままブラッディ・ベアと戦い始めたからそれを利用して逃げたんだ」


「リザードマン⁉ リザードマンまでいたのか⁉」


 ここで初めて鉛色のリザードマンの存在を明かしたナキ。

 鉛色のリザードマンがいると聞いたクルークハイトは、必死に声の声量を抑えてはいたものの酷く驚いていた。


 ナキはクルークハイトの様子から、鉛色のリザードマンの存在は認知されていなかい事を悟った。

 それ以前に、大海の森にリザードマンが生息していない可能性も思い浮かんだ。


「もしかして、大海の森にはリザードマンは生息してないのか?」


「してないよ! 一年前に村を建設する際にルオさんが精霊達に周囲を確認してもらった事があったけど、リザードマンがいるとは一言も聞いてないよ!」


「マジかよ……(だとすると、あの鉛色のリザードマンはどこから来たんだ?)」


 一年前から大海の森にリザードマンがいた形跡はないと聞かされたナキは、自分の目の前に現れた鉛色のリザードマンが何処から現れたのかという疑問をいだいた。


 ナキが鉛色のリザードマンについて考えていた時、ナキの耳に激しく鳴り響く警告音が聞こえた。

 それと同時にナキとクルークハイトが隠れている空洞がある岩が、激しく揺れ始めた。


「なんだ?!」


「ぜ、全体的に揺れてる! もしかして大地の精霊の怒り⁉」


(セイレイの仕業? 地シンの事か?

 でも地面からシンドウは感じず岩から感じてる……、まさか!)


 隠れている岩からのみ振動を感じる違和感に、ある事に気づいたナキは空洞から顔を出した外の様子を確認した。

 外の様子を確認すると、そこにはナキとクルークハイトが隠れている岩を叩くブラッディ・ベアの姿があった。


「セイレイの仕業じゃない! ブラッディ・ベアだ!」


「えぇ! 嘘だろう⁉」


 岩伝いに響く振動の正体が、二人が隠れている岩を叩くブラッディ・ベアだと気付いたナキは、自分達の居場所がバレたと知り焦った。


「(やっぱり百合の匂いだけでゴマカシきれなかった?

 そのケンショウは今は後!)

 クルークハイト、もう少し空ドウのオクに進め!

 早く!」


 岩と岩の隙間が狭い事が幸いし、ブラッディ・ベアの手が届かない事に気付いたナキは、クルークハイトにもっと空洞の奥に行くよう指示を出した。


 手が届かないと分かれば、現時点で空洞の奥が一番安全地帯になる。

 そのため空洞の奥に立てこもる事でヴァンダルが来る時間を稼ごうと考えたのだ。


「どうしよう、これじゃあ袋の鼠だぞ!」


「耐えろ! セイレイ達に頼んでから五きざみ経ってる、もうすぐおっさんが来てくれる筈だ!」


「そういやここにいる精霊達は?

 今こんな状況になってるし、さっきみたいに攻撃してるんじゃ……⁉」


 クルークハイトはナキにくっついている精霊達が今何をしているのかという疑問をいだいた。

 それに関してはナキも思っていたようだが、周りを確かめようにも外にはブラッディ・ベアがいるためそう簡単には行かない。

 無理に確認しようものならブラッディ・ベアの餌食だ。


「何かしらアクションは起こしてくれてる筈だけどってなんだ今の音⁈」


「うわぁっ! 岩にヒビが入ってる!」


 一瞬何か大きなものが割れるような音が聞こえてきたため、なんの音かと困惑していると、クルークハイトが天井を見ながら叫んだ。


 ナキもつられて天井を見ると、クルークハイトが入った通りクルークハイトが言った通り隠れている岩にヒビが入っていた。


「(ヤバい、かくれてる俺達に手が届かないと分かって岩を破カイしに来てる!)

 やむを得ない、急いでここから出るぞ!」


「でも、外に出たらブラッディ・ベアが……!」


「このままここにいたら崩れた岩の下じきだ!」


 このまま隠れていれば崩れた岩の下敷きになると考えたナキは、クルークハイトの腕を掴んで岩場の空洞から外に脱出した。

 二人が外に出た直後、先程まで隠れていた岩場が完全に破壊された。


「「わぁーっ!」」


 岩場が破壊された衝撃が思ったよりも激しく、ナキとクルークハイトはその衝撃で前方に吹っ飛ばされた。


「いってて、クルークハイト、大丈夫か⁈」


「なっなんとか……。

 それよりも、ブラッディ・ベアがこっちに来てる!」


 ふっ飛ばされたクルークハイトの視線に、岩場を破壊したばかりのブラッディ・ベアが突進してくる様子が映る。

 しかもかなりの勢いで接近してくる。


 このままでは一緒に逃げては危険だと考えたナキは、ブラッディ・ベアの突進を別々の方向に躱す事を思いついた。


「クルークハイト、左に躱せ!」


「わっわかった!」


 クルークハイトはすぐさま立ち上がって左に走り、ナキも反対方向の右に向かって走り出した。

 二人が反対方向に走り出してからすぐに、元いた場所をブラッディ・ベアが通り過ぎ、正面の大木に激突した。


 その直後、ブラッディ・ベアが突撃した事で大木が木っ端微塵に吹っ飛び、その破片が左右に避難したナキとクルークハイトに降り注いだ。

 二人はその場にしゃがみこんで、降り注ぐ木の破片をやり過ごす。


(このまま一緒に行動し続けたら、二人共おだぶつだ。

 こうなったら俺が囮になるしか……)


 このまま二人一緒に行動するよりも、自分を囮にしてクルークハイトを逃がそうと考えた。

 血の匂いを覚えられてしまった自分が囮になれば、間違いなくブラッディ・ベアは自分を追いかけてくる。


 何より今は精霊達が自分の周りにいるため、いざとなれば逃げ切れる、そう考えていた。

 だが、そこでナキにとって想定外の事が起こった。


「グルゥ……」


「え……」


「えっ⁉(ブラッディ・ベアがクルークハイトの方を向いた?

 なんでだ、ねらうなら血のにおいを覚えた俺の筈なのに……⁉)」


どういう訳かブラッディ・ベアはナキではなく、左に避けたクルークハイトの方を向いた。

 これにはナキも何故としか思えなかったが、クルークハイトの方を見てその理由が分かった。


(右うでを押さえてる? もしかしてさっき躱した時にすりむいたのか⁉)


 クルークハイトが左手で右腕を押さえている様子を見たナキは、躱した拍子に右腕をすりむいてしまい、そこから血が滲み出てブラッディ・ベアが反応した事に気付いた。


 その証拠に、現在血を流していないナキよりも、血を流しているクルークハイトが魅力的な餌に見えているらしく、ブラッディ・ベアはナキに見向きもしない。


「クルークハイト、早く逃げろーっ!」


「グルァアーッ」


「ひっ⁉」


 ナキが逃げるように指示を出すのと同時に、ブラッディ・ベアがクルークハイトに向かって走り出した。

 クルークハイトは急いで立ち上がり逃げ出したが、恐怖心から足がもつれ、転倒してしまった。


 その間にも、ブラッディ・ベアはクルークハイトに近付いていく。

 クルークハイトが転倒したのを見た精霊達も、これまずいと判断したらしく水の弾幕や石のつぶてなどで攻撃するが、ブラッディ・ベアはものともしない。


(マズい、マズいマズいマズいマズい!

 このまま行けば間ちがいなくクルークハイトが食われる!)


 精霊達の攻撃をものともしないブラッディ・ベアを見たナキは、このままではクルークハイトが喰い殺されてしまうと感じた。

 けれども自分が何かできる訳ではないため、どうする事もできない。


「やめろぉおおおおおおおおおおっ‼」


 ナキは無我夢中でブラッディ・ベアの方に右手を伸ばしながら、大声で叫んだ。

 その時、ナキの右掌から凄まじい勢いで雷、炎、吹雪を纏う突風が発生した。


 そしてそれは勢いのままに、ブラッディ・ベアの背中に直撃した。

 今まで精霊達の攻撃をものともしなかったブラッディ・ベアは、突然の事に思わず立ち止まった。


「グルゥ?」


「い、今のは、嵐?」


(何が起きた? 何かがブラッディ・ベアの背中に当たった?

 セイレイ達のコウゲキ?

 それにしては取れすぎてる気がする、それ以前に今俺の手のひらから発生した?)


 ナキ自身も一瞬何が起きたのか分からず混乱したが、先程の突風が自分の右掌から発生した事に気付き、ある答えに至った。


「もしかして……! ウィンド・ブレード風の刀身!」


 ナキがそう言い放った直後、風の刃が整形されブラッディ・ベアに直撃した。

 ウィンド・ブレードを受けたブラッディ・ベアは、クルークハイトからナキに視線を移した。


「間ちがいない、マホウが使える。

 マリョクカイロが完治したんだ!」


 先程の突風が自分が発生させたものだということに気付いたナキは、自分の魔力回路まりょくかいろが感知した事に気付いた。

 その証拠に、ウィンド・ブレードを発動しても、ナキは体に痛みを感じなかった。


(マホウが使えればできる事がかなり増える、これなら戦える!)


 魔法が使える事が分かったナキは、立ち上がって目の前にいるブラッディ・ベアを見据える。


「ここからケイセイギャクテンシてやる!」


 ナキは周囲に複数の魔弾を発動させ、ブラッディ・ベアに戦いを挑む、無謀な賭けに出た。


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