第23話 終わらぬ怪奇現象(?)

 自分が担当している畝の株周りのみ、先んじて草むしりが行われているのではないかという疑問を抱いたナキ。

 証拠に他の畝では株周りは雑草が生い茂っており、ナキが現在の畝を担当する前に見ていたアミも困惑している事からその可能性に気付いたのだ。


 だが、仮にそうだとしても誰がどうやって、株周りの草むしりをおこなったのかだけがわからないままだった。

 茄子エッグプラント畑ではかなりの人数が草むしりに参加しており、目撃者が一人としていない。

 どういった方法が使われたのか全く検討もつかないのだ。


(このゲンショウが起こっているのは俺が担当した所だけ。

 どうして俺以外の所では起きてないんだ?)


「もうっ! どうせ引っこ抜くんだったら全体的に草むしりしてよ!

 ありがた迷惑だわ!」


「まぁまぁ、ローロちゃん落ち着いて……」


「全くもってその通りだけど、とりあえず作業を進めるか……」


 自分が担当している畝だけに起こる現象に疑問をいだきながらも、今は草むしりを進める事が先決だと考えたナキは、元の位置に戻って草むしりを再開いた。

 幸か不幸かわからないが、株周りの雑草がないおかげで草むしりがはかどっているのは確かだ。


 そして畝の中間に差し掛かった所で、次にむしる雑草が見当たらなかった。

 それを見たナキはてっきりローロが先に中間に来て雑草をむしったのかと思ったが、次に聞こえてきた言葉でそうではないという事が判明した。


「えぇっ! 今度は雑草全部なくなてる⁉」


「お前がむしったんじゃなのか⁉」


「今ここに着いたばかりよ! 着いて速攻で残りの雑草を引っこ抜くなんて神業出来る訳ないじゃない!」


 どうやらローロが残りの雑草をむしった訳ではないらしく、全力で否定した。

 この事に関してはナキも驚いており、同時に困惑もしていた。

 先程まで生えていた筈の雑草が、忽然となくなっていた事に対して考えていると、茄子畑の周りが騒がくなり始めた。


「あ、あれ? 雑草が引っこ抜かれてる?!」


「あら? ここの畝はまだ手につけてなかった筈なのだけど……」


「おーい誰かの列やってくれたのか?」


「この会話の感じ、まさか……っ⁉」


 周囲の会話内容を耳にしたナキは、立ち上がると急いで茄子畑の様子を確認し始めた。

 そして茄子畑を確認している内に、周囲が何故騒いでいるのか、その理由を理解した。


「茄子畑全体の雑草が全部なくなってる!」


 そう、周囲が騒がしくなった原因は先程まで生い茂っていた筈の雑草が、全てなくなっていたからなのだ。

 会話の内容からそうではないかと予測していたナキも、本当になくなっているとは思っていなかったため、いまだに信じられない様子だ。


「何これどういう状況⁉」


「雑草が全部なくなっちゃったねぇ……」


「おーい何騒いでるんだよ。そっちの方が終わったならこっちの草むしりも手伝ってくれよ」


 ナキ達が茄子畑の現象に困惑していると、隣の赤茄子トマト畑で草むしりをしていたクルークハイトが声をかけてきた。

 このまま突っ立っていても仕方がないと考えたナキは、ひとまず赤茄子畑の草むしりに参加する事にした。


 ローロやアミを含めた茄子畑の草むしりを担当していた獣人ビースト達も、同じように赤茄子畑の草むしりに参加し、残りの雑草をむしり始めた。

 それだけであれば問題なかったのだが、 五きざみも経たない内に茄子畑と同じ言葉起きた。


「あれっ⁉ 雑草が消えた!」


「また誰か先回りしてむしったのか?」


「この畝担当したの、誰か分かる人いる?」


「またこのパターンかよ⁉」


 またしても雑草が消えるという減少が起こったため、ナキも茄子畑で草むしりをしていた獣人達も混乱した。

 クルークハイトを含めた赤茄子畑の草むしりを担当していた獣人達は、茄子畑で起きた事を知らないため、何が起きたのか全く理解できていなかった。


「なんでさっきから大人達はさわいでるんだろう?」


「そりゃあさっきまで生えてた大量の雑草が消えたりしたら、騒ぎにもなるだろう」


「なぁナキ、さっきまたって言ってたけど、もしかして茄子畑の方でも同じ事が?」


「あぁ、最初はかぶもと周りだけだったんだが、いつの間にか今みたいな事になってたんだよ」


 クルークハイトに聞かれたナキは、今と同じ事が起きたと答えた。

 何故大量に生えていた雑草が消えてしまったのかという謎が残るが、予定よりも早く草むしりが終わった事に変わりはないため、その場で解散する事になった。


「草むしりは終わったけど、この後どうする?」


「他の仕事もまだ終わってなだろうからなぁ。

 もう少ししたら昼だから、そろそろ昼飯の準備が始まるだろうし……」


「今日のお昼ごはん、何かなぁ……」


 昼食の準備と聞いたレーヴォチカは、昼食の内容が何なのか気になりだし、先程までの赤茄子と茄子畑での事をすっかり忘れてた。

 そんなレーヴォチカとは対象的に、ナキはこれまでに起きた不可解な現象の事を考えていた。


(コイツらの話からして、畑の雑草が勝手になくなるなんてことは一度もなかったのは確か。

 カイタイ小屋の時から色々可笑しい……。

 この二つに共通いている事はないか?)


「それじゃあアタシとアミが料理の手伝い、レーヴォチカとアネーロが薪割り、クルークハイトとナキが薬草園の手伝いね!」


「え? なんの話だ?」


「お昼までの間にできるお手伝い先を決めてたんだよぉ」


「昼飯時までまだ時間はあるから、それまでにできる事はやっておこうって話てたんだ。

 聞いてなかった?」


 ナキが今まで起きた現象の事で考え込んでいる内に、次の手伝い先が決まっていたようだった。

 その話を聞いたナキは、元いた世界で話を聞いていなかった際に周りから怒られる、もしくはネチネチと嫌味を言われていた事を思い出した。


「ワリィ、考え事してたから全然聞いてなかった。

(これはまた怒られるかイヤミを言われるの確定かな……)」


 謝罪しながらも嫌味を言われるのではないかと考えていると、意外な返事が帰っていた。


「まぁ、考え事してたら仕方ないかぁ」


「え、怒らないのか? イヤミは??」


「そんな事で一々怒ってたらきりないよ」


「どうしたの、急にそんな事聞いて?」


 怒られる事も嫌味も言われる事もないと知ったナキは、またしても元いた世界での弊害を認識した。

 前回のシャーロットの誕生日でも、特別でなければ祝えってもらえないという弊害を認識し、相当悩んでいた。


 こういった形で自分の中の歪んだ常識を認識するたび、ナキは自分の常識を疑ってた。

 だが今はその事に考えを向けている余裕はなかった。


「それじゃあまたお昼に広場でね!」


「また後で。それじゃあ俺達も薬草園に向かおう」


「あ、あぁ……」


 クルークハイトに促されながら、ローロ達と分かれたナキは薬草園に向かった。

 それから十刻み程歩く内に、話に出ていた薬草園に着いた。


「さぁ着いた。ここが薬草園だよ」


「ヤクソウエンというか、テイエンって感じの場所だな……」


 ナキが目にしたのは薬草園と言う割には、小さなため池や花壇などがあり、小金持ちの庭園という印象の場所だった。

 だが、薬草園という名前に偽りはなく、様々な種類の薬草がいくつもの花壇に分けられ育てられてた。


「すみませ~ん、手伝いが終わったのでこっちに来たんですけど、何か手伝える事はありませんか?」


「いや、今日予定して多量の収穫は終わってるから問題ないぞ」


「こっちはもう終わってるのか……」


白子時はくねどきまでまだ時間はありそうだな、どうするんだ?」


 薬草園でできる事はもう終わっていたらしく、特に手伝える事はないとわかったナキとクルークハイトはこれからどうしようかと考えた。

 そんな二人を見たマオ族の女性が、ある提案をしてきた。


「それなら薬作りに参加したらいいんじゃないかしら?」


「薬作り?」


「傷薬とかはよく使うから毎日作ってるのよ、丁度調合小屋でシャーロットとティアが調合の手伝いをしている筈よ」


「薬作りかぁ、ありがとう行ってみますね」


 猫族の女性から薬作りへの参加を提案されたクルークハイトは、ナキを連れて だが、薬草園という名前に偽りはなく、様々な種類の薬草がいくつもの花壇に分けられ育てられてた。


「すみませ~ん、手伝いが終わったのでこっちに来たんですけど、何か手伝える事はありませんか?」


「いや、今日予定して多量の収穫は終わってるから問題ないぞ」


「こっちはもう終わってるのか……」


白子時はくねどきまでまだ時間はありそうだな、どうするんだ?」


 薬草園でできる事はもう終わっていたらしく、特に手伝える事はないとわかったナキとクルークハイトはこれからどうしようかと考えた。

 そんな二人を見たマオ族の女性が、ある提案をしてきた。


「それなら薬作りに参加したらいいんじゃないかしら?」


「薬作り?」


「傷薬とかはよく使うから毎日作ってるのよ、丁度調合小屋でシャーロットとティアが調合の手伝いをしている筈よ」


「薬作りかぁ、ありがとう行ってみますね」


 猫族の女性から薬作りへの参加を提案されたクルークハイトは、ナキを連れて調合小屋に向かった。

 調合小屋に着くと、クルークハイトは調合小屋の扉を叩いた。


「ミンさん、いますか?」


「はーい、ちょっとまって」


 返事が返ってくると、しばらくして調合小屋の扉が開いた。

 中から出てきたのはナキが保護されていこう、診察を行ってくれるフゥ族の娘だった。


「あら、クルークじゃない。どうしたの?」


「解体小屋と畑の手伝いが終わって昼まで時間があるから、手伝いに来たんだ。

 まだ手伝える?」


「それなら傷薬をあと八個ほど作る予定だから手伝ってくれる?」


「わかった。ナキ、中に入ろう」


「あ、あぁ……」


 まだ傷薬を作る予定だとミンから聞いたクルークハイトは、調合小屋の中に入った。

 ナキも続いて調合小屋の中に入ると、中には薬草園で育てられたと思われる薬草が干されており、作業台ではシャーロットとティアが傷薬を作っていた。


「シャーロット、ティアさん、手伝いに来たよ」


「あら、クルーク。それにナキもいらっしゃい」


「カイタイの手伝いは終わったの?」


「うん、予定よりも早く終わったから、こっちの手伝いに来たんだ。

 空いてる道具はある?」


「それなら丁度二つあるから、これを使って」


 戻ってきたミンが二つのすり鉢を作業台に置くと、ナキとクルークハイトに定位置に着くよう促した。


「それじゃあまずは目の前にある艾葉がいようの葉を数枚取って、すり鉢の中に入れてね

 たまに艾葉とよく似た蜘蛛艾葉クモガイヨウっていう毒草が紛れ込んでたりするから、裏の葉脈をよく見て注意してね」


「あの〜、早速それっぽいのが入ってたんだけど……」


 ミンが薬草の中に毒草が入っている事があるので注意するように言っていると、早速ナキがそれらしい毒草を見つけてしまった。

 かなり渋い顔をしている様子から、いきなり見つける事になるとは思ってもいなかったようだ。


「あ、あら〜ごめんなさいね。

 でもその調子ならうっかり毒草が入る心配はなさそうね。

 すり鉢に鴨跖草おうせきそうのチンキ剤を入れて、しっかりすり混ぜてね」


 焦りながらもそのまま傷薬の作り方の説明を続けるミンに呆れるが、ナキは説明通りに材料を入れて、すり鉢で擦り始めた。

 最初こそ緑色の色素が出てきたが、すり混ぜている内に異世界らしく、緑の中に薄桃色の色素が現れ始めた。


(色が変わり始めた。このまま完全に変われば入れ物に入れて完成だな)


「すり混ぜ終わったら硝子瓶の口に漏斗じょうごを挿して、漏斗の中に漉し器を入れてすり鉢の中身を移したら完成よ」


「ん、できた」


「俺も」


「それじゃあ中身を移しましょうか」


 全員薬草を擦り終えたらしく、ミンの説明通りにすり鉢の中身を硝子瓶に移し替え始めた。

 ナキもすり鉢の中身が完全に桃色になったのを確認し、用意された硝子瓶に漏斗を挿して漉し器を入れると、すり鉢の中身移し始めた。


 漏斗の中に入れた漉し器のおかげで、すり潰しきれなかった艾葉の一部が漉し器に引っかかり、液体部分のみが漏斗をつたい硝子瓶に注がれていく。

 すり鉢の中身が完全になくなったのを確認すると、漉し器ごと漏斗を外し、硝子瓶に蓋をすれば、傷薬の完成だ。


「良し、完成だ!」


「ナキも完成し……ってなんだその色⁉」


 ナキが作った傷薬を目にした途端、クルークハイトは驚きの声を上げた。

 クルークハイトの声に驚いたミンも釣られてナキが作った傷薬を目にし、自身も驚きの声を上げた。


「何コレ?! なんで濃い桃色なの⁉」


「ど、どうしたんだよ? そんなおどろいて……」


「ナキ、それ可笑しい。傷薬はそんな色にならない」


「シャーロットの言う通りよ、本来はこんな感じの緑になる筈なのよ」


 そう言いながらティアは自分が作った傷薬をナキに見せた。

 ティアの手の中にあったのは、ナキが作った桃色の傷薬とは違い、浅緑色をした傷薬だった。


 それを見たナキは自分が作った傷薬とティアが作った傷薬を見比べ、クルークハイトとシャーロットが作った傷薬を確認した。

 二人が作った傷薬も浅緑色だったため、自分が作った傷薬が可笑しい事に気付いた。


「なんで俺だけ真っピンクになってるんだ⁉」


「うっかり蜘蛛艾葉を入れちゃったんじゃ……」


「ちゃんと注意して分けてたからそんなはずない! そんなはず……」


 うっかり蜘蛛艾葉を混入させてしまったのではないかと指摘され、それを否定するナキ。

 だが、元いた世界での経験から一方的に決めつけられてしまうのではという恐怖が襲いかかった。

 そこで助け舟を出したのは、クルークハイトだ。


「とりあえず、ミンさんに見てもらいながらもう一回作ってみたらどうだ?

 原因がわかるかもだし……」


「そ、そうね。それじゃあこのすり鉢は一回洗い流しましょう……」


 クルークハイトの提案を受け入れたミンは、ナキが使っていたすり鉢を手に取ると流し台の方へ行き、すり鉢に残っていた傷薬の残りを洗い流した。

 あらいんお越しがない事を確認すると、しっかりとすり鉢を拭いてナキの目の前においた。


「ナキ、これでもう一度説明した通りに作ってみて?」


「う、うん……」


 ミンに促され、ナキは再び傷薬を作り始めた。

 最初の時よりも念入りに蜘蛛艾葉が混じっていないか確認し、ミンにも確認してもらいながらすり鉢に入れていく。


 一定の量の艾葉を確保すると、鴨跖草のチンキ剤を加え、中身を擦り始めた。

 擦り始めた時は緑色だったのだが、擦り続けている家に色が薄桃色に変化し始め、最終的には騒ぎの原因になった桃色に変化した。


「なんでまた真っピンクになるんだよ⁉」


「変ね、確かに蜘蛛艾葉は入ってなかったから問題ない筈なのに……」


「入ってないのに桃色になったの?」


「どうしてこんな色になったんだ?」


 通常とは違う色に変化する原因が分からず、混乱するナキ達。

 ナキが傷薬を作る様子を見ていたミンも、ナキが間違える要素がなかったため問題はないと分かっていたが、今までこのような事は起こった事がなかったらしく困惑するしかなかった。


「一体何が原因なのかしら?」


「本当に分からないわ、ナキ、今度は私が用意した状態の物を擦ってみてくれる?」


「わ、分かった……」


 原因が分からないため、今度はミンが傷薬を作るのに必用な材料をすり鉢に用意した状態にし、それをナキの目の前に置いた。

 そしてナキは言われた通りにすり鉢の中身を擦り始めても、やはり桃色に変化してしまう。


「また真っピンクになった⁉ なんで俺ばっかり⁉」


「今度はナキが材料を用意して、他の誰かが擦り合わせてみたらどうかな?」


「それじゃあ俺が擦り合わせるよ。ナキ、悪いけど用意してくれ」


 今度はナキがすり鉢の中に傷薬の材料を用意し、それを別の誰かが擦りあわせる事になった。

 今度もミンに確認してもらいながら材料をすり鉢に入れ、それをクルークハイトに手渡した。


「よし、それじゃあ擦り合わせるぞ?」


 そう言うとクルークハイトは、ナキが用意した傷薬の材料をすり合わせ始めた。

 最初は通常通りの緑色だが、しばらく経ってもナキのように薄ピンク色のしい基礎は出てこなかった。


 最終的には最初に出来上がった傷薬と同じ浅緑色の物が出来上がった。

 自分のように変化しなかった様子を見たナキは、どう考えても自分に原因があるとしか思えなかった。


「ナキが用意した奴なのに変化しない……」


「これ、どう考えても……」


「俺に原因があるとしか思えねぇ……」


 自分が触れたものに問題はないとわかったが、ナキは自分の何が原因でこうなったのかまでは解明できなかった。

 それはクルークハイト達も同じで、何故ナキの時だけ変色するのかわからなかった。


「ミンさん、空きビンあと一個しか残ってないよ?」


「原因究明のためにナキに三回、クルークハイトに二回作ってもらったからあっという間に所定の数が出来上がっちゃったのね。

 ナキ、最後にもう一回だけ作ってもらっても良い?」


「気は進まないけけど、やってみる……」


 ミンにあと一回だけ傷薬を作ってくれと頼まれたナキは、傷薬が変色する原因がわからないまま、渋々引き受けた。

 結局最後までミンに確認を取りながら、材料をすり鉢に入れて擦り始めると、そこで変化が起きた。


(あれ? 変だな、薄ピンクになり始めない?)


 どういう訳か最初の時のように中身を擦り合わせても、薄桃色の色素が出てこないのだ。

 それから黙々とすり鉢の中身を擦っていたが、完全に擦り終える頃には桃色ではなく本来の浅緑色の傷薬が出来上がっていた。


「普通の浅緑色になったーっ⁉」


「え~、なんでぇ?」


「さっきまでこい桃色だったのに、どうして今になって……?」


「なんでだよ⁉ なんで最後に成功するんだよ⁉ 最初っから成功しろよ⁉」


「ナキ、落ち着け、落ち着け」


 どういう訳か最後の最後で浅緑色の傷薬が出来上がったため、シャーロットとミンはかなり困惑していた。

 ナキに至っては驚きの声を上げたと同時に、最後になってれっきとした傷薬が出来上がった事に納得が出来なかった。

 そんなナキを見たクルークハイトは、ナキをなだめていた。


「こんな結果、納得できるかーっ!」


「気持ちは分からなくもないけど、小物が多い部屋で暴れるなーっ!」


 最後の結果が納得いかず、自分が思っている事を叫びながら暴れそうにあったナキを押さえる羽目になったクルークハイト。

 結局の所、朝緑色の傷薬が桃色の変色した原因は分からぬままであった。



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