秘めた言葉、羽ばたいた
『コンニチハ、コンニチハ』
籠のなか、羽根をバタつかせていた。お父さんの同期が、出張期間中、預かってくれたと言われた九官鳥のQ君。渋々家族でお世話をしているうちに――不思議と愛着が湧いてきて。
「へぇ、九官鳥って私、初めて見たけれど、よく喋るんだね」
湊ちゃんは、感心しながら宿題を進めていく。今頃、頑張っている空君を想像して頬が緩む。適当そうに見せて、真面目で。ああいうトコが本当に好き――。
『空君スキ、空君スキ!』
「なんて――」
え?
『空君バカ、他ノ子見スギ! バカ、エッチ』
「ちょ、ちょっと待って! 昨日まで私の言ったこと全然憶えてくれなかったくせに――」
「つーちゃん?」
どうしよう。今、親友の視線が痛い。
▧ ▦ ▤ ▥ ▧ ▦ ▤ ▥ ▧ ▦ ▤ ▥ ▧ ▦ ▤ ▥
Twitter(X)で開催
毎月300字小説
第8回お題「鳥」で参加
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます