「本当なの！　見たの！」

　登校したらクラス内が騒然となっていた。今日は不登校だった親友が登校する。でも、それにしても賑やか過ぎないか？　つい、ひかちゃんと顔を見合わせる。

「どうしたの？」

「彩音！　あの下河さんが上川君と一緒に登校して――」

　何を今さら。みんな知ってるじゃん。

「だって、彩音！　朝帰りだよ！」

「は？」

「見たの！　下河さんが上川君のアパートから一緒に出てくるのを！　これ絶対に朝帰りだよ！」

　私は頭が痛い。まさか、決定的瞬間を見られたなんて。

「人混みが苦手だから、早めに登校しただけじゃない？」

　ひかちゃんナイス！

　そして、みんなの認識に決定的な誤りがある。それ――同棲なんだな。

　でも言えないから、そんなコト！

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

Twitterで開催

第７回毎月300字小説企画

第７回テーマ「朝」でした。ただ、こちらは未提出作品。

今回は、書いていて楽しかったのですが、

ちょっと本編の核心（ネタバレ）に関するテーマでしたので

毎月300字小説企画に参加するには向かないかなと思って

見送りました。

まぁ、こういう問題も出てくるよねってことで(^^ゞ

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