鉄の斧

見た目は何の変哲も無い鉄の斧。

しかしこの斧は神の血を吸い、尋常ならざる強度と切れ味を持つに至った。

哀れにも犠牲となった神は、2つの間違いを犯した。


1つめの間違いは、間抜けな木こりに与える金と銀の斧を自らの手で創り出してしまったこと。

矮小なる人の手で作られた物であれば、神の肉体を傷つけることなど不可能であった。


2つめは、戯れに選んだ木こりが鉄の斧に対して常軌を逸した執着を持っていることに気付かなかったことだ。


赤く染まった泉から引き上げられた鉄の斧は、巨大な大木を、森に流れてきた野盗を、隣国の兵士を、鋼鉄の鎧を纏う騎士を、斧を恐れ取り上げようとした領主を、そしてかつて木こりであった者の首を、全て一振りで両断することができた。

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駄文 あおくないとり @Owl-1

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