欠片05 追放だ



「お前は勇者の仲間としてふさわしくない、パーティーを出て行ってもらうぞ」


 あ、これ追放だ。


 パーティー追放ってやつだ。


 はやりのヤツだね。


 うーん。


 まさか、俺が追放の目に遭うとは、


 思わなかったわけではないけど、意外ではあるな。


 だって、俺そんなに足手まといになった記憶ないし。


 俺をスパイとして派遣してくれた、団長ごめんね。


 俺みたいな奴だったら、クズ勇者の懐にももぐりこめるって思ったんだろうけど、相手が予想以上にクズだったよ。


「参考までに聞くけど、何が駄目だったんだ?」

「お前は、優秀過ぎる」


 あっ、そっち。

 えっ? そっち?


「俺達がわざわざモンスターの餌になりように女を置いておいたのに、なぜ助ける!」


 助けないと死んじゃうじゃん。

 あれ、ばれてたんだ。


「しかも、俺達が他の人間になすりつけたモンスターをなぜ退治してまうんだ」


 だって、あいつら初心者だったし。

 遠くから弓で射ただけなのに、気が付いてたんだなー。


 はえー。さすがくさっても勇者。


 勇者さんはまだ文句がつきないようだ。


 俺は暇だったので横を見ていた。


 あれ、俺と同じ目に遭ってるやつがいる。


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