星のキャンドル

冬雪乃

序章


 きらきらしてて、とうめいで、ほんのりあまいかおりがする。

 コンフェティ――確かそんな名前だったような。

「きれいだね」

「……ああ、そうだな。本当に綺麗だ」

 長い月日を掛けてやっと、やっと見つけたコンフェティを目にした僕の喉から出た言葉は「綺麗」としか言いようがなかった。

 旅の最終地点であるコンフェティの星は、言葉だけでは表せない程五感全てを擽ぐる程綺麗で。

 そして透明で、ほんのり甘い香りがするような。

 もう一呼吸して僕は感じたままを言葉にした。

「――きれい、だ」

 ――「綺麗」というのはまさにこのためにあるのだろうかと錯覚するほどに、今まで旅した星よりも何もかもが尊かった。


 ――――――


 これは、ある二人の少年が幻の星「コンフェティ」を見つけ出す前の冒険のお話し。

 さあ、暫しお手を休め聞いていかれてはどうでしょう。

 ――まあまあ、そう仰らずに。

 今宵も星の掛かった幕が開かれます。

 席は…――おや、満席の様ですね」

 語り部は芝居かかった口調で客席を見渡す。

 一通り確認して、コホン、と咳払いをした。

 そして一呼吸置いて語り部は柔らかな声で序章へと誘う。

 では、「星のキャンドル」間も無く開演いたします――

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星のキャンドル 冬雪乃 @fhuyuno

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