13話 美女達による俺の奪い合い、開戦



 ハワイ旅行を終えて、俺たちは日本へと帰ってきた。


「たっだいま我が家ー!」


 マイホームへと到着するなり、真琴が叫ぶ。

「日本はまだ寒いな、割と」

「……まだ4月中旬ですからね」


 五和が真琴のキャリーケースを転がしながら言う。


「お兄さんお兄さん♡」


「ん~? って、真琴?」


 真琴は俺の手を引いてニコッと笑う。


「えっちしよ♡」

「早えよ」


 帰宅してまだ1分も経ってない。


「明日から仕事なんだ。今日は無理」

「え゛ーーーー! やだやだやだやだ! えっちしたいよー!」


 じたばた、と真琴が駄々をこねる。


「なんでだよ?」

「だって早く赤ちゃんほしいもん!」


 真琴が千冬のもとへゆき、後ろから抱擁する。


「千冬姉さんのここにお兄さんとのアイの結晶があるの……すっごいうらやましいんだもーん!」


 そういえばハワイ旅行中、結局一番回数が多かったのは真琴とのえっちだったな。


 他の子たちは性欲より前に体力が尽きてしまって気を失う中、気絶しても俺のものをくわえて話さなかったからなぁ。


「てことでー……♡ ぬぎぬぎ……」


「……マコ。はしたないよ」


 リビングで脱ぎ出そうとした真琴を五和が止める。


「いっちゃんは欲しくないの!?」

「……そ、それは……欲しいよ。けどお兄さんに負担はかけたくないし」


「だいじょうぶ! 萎えてもぼくが無理矢理元気にしたる!」


「気にしてるのそこじゃねえよ……」


 するとアンナがまあまあ、と止める。


「今日は帰ったばっかだし、貴樹たかきもみんなも疲れてるだろうから、ちょっと休みましょ?」


「ぶー……仕方ない」


 真琴が大人しくなる。

 やれやれ……。


「あ、そうだ貴樹たかき♡ 荷物お部屋に運ぶの手伝って~♡」


「おう」


 アンナはキャリーを二つ持っていた。

 俺は片方を持って彼女の部屋へ向かう。


「ぼくたちも荷ほどきしよっかな」


 他の嫁達もそれぞれ自分の部屋へと向かう。


 俺はアンナの部屋に入る……。


 ガチャン!


「え?」

「えいっ♡」


 アンナが俺の体にしなだれかかって、キスしてくる。


「はぷ……♡ じゅるじゅる……♡ じゅぅ~~~~~~~~♡」


 俺の唇にむしゃぶりついてくる。


 押し倒されるが、それでもなお、彼女は話そうとしない。


 やがて十分すぎるほどキスされたあと……。

「なにやってんだよおまえ……」

「ん? 抜け駆けー♡」


 実に楽しそうに、アンナが上着を脱ぎながら言う。


 俺のモノを挿入して「あん♡」と甘い声を上げる。


「抜けがけって……」

「だぁって貴樹たかきの……んっ♡ おちんちんは1本しかないでしょ~?」


 ダンサーのように腰を振りながら、俺のものを刺激していく。


「でも嫁は5人もいるんだもの。早晩、争奪戦に突入すると思うよ♡」


「争奪戦……」


「そ♡ まぁ部長はもう赤ちゃんいるから、美女四人による旦那争奪戦だ♡」


 実に気持ちよさそうに笑いながら、アンナが腰を動かし、搾り取ろうとする。

 

 やがて俺は我慢できず、彼女の中に吐き出してしまう。


「大変だと思うよ、貴樹たかき♡ 今以上に奪い合いになる。あの手この手で、君を独占しようとしてくるよ~♡」


「今のアンナみたいにか?」


「そ♡ あんっ♡ おっきぃ~♡」


 またアンナが動き出す。

 

 すると……。


 ドンドンドンドン!


『こらー! アンナさーん! やってるのはわかってんだぞぅー!』


 真琴がドア越しに声を荒らげる。


『出てきなさーい!』『アンナ先輩ずるいですー! せんぱいを独り占めしないでくださいー!』


 ひながそこに加わったようだ。


「あんま騒いでると迷惑になるから……」


「大丈夫大丈夫。そのうち千冬さんと五和ちゃんがとめるでしょ♡」


 と言っている間にもアンナは腰を動かし、体の位置を変えながら、俺に刺激を与えて、子種をしぼっていく。


 本当に外は静かになった。


 ……代わりに、スマホがめちゃくちゃ鳴っていた。


「アンナ。そろそろ出して……」


「いや♡ 今日は貴樹たかきがカラカラになるまで、絞っちゃうから♡」


 アンナは立ち上がって、ベッドまで俺を誘導する。


 そのまま組み敷いてまた行為を開始する。


「……んっ♡ たぶんみんな、もう気づいたんだと思うよ♡ あんっ♡ ハーレムになっても、結局オスは……あっあっ、そこ……んっ♡ 一匹しかいないってことに♡ あ~♡」


 またびくびくと体を震わせて達する。


 俺もまた吐き出してしまう。

 アンナは……嫁達のなかで一番技量が高い。

 俺からあっという間に絞っていく。


「明日からは多分、こんなふうに簡単に独占できないだろうし……今日はたっぷり、もらうから……♡ 覚悟してね♡」


 ……結局、俺が解放されたのは、深夜。

 精も根も尽き果てた頃だった。


 ……明日から、大変だ、これは……。


 ヘヴィだぜ。

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