12話 嫁たちとハワイ旅行、最後は皆で



 千冬のお祝いパーティが開かれた後……。

 俺はホテルへと戻っていた。


「ふぅ……」


 巨大な露天風呂に入ってホッと息をつく。


 子供ができた。

 将来の不安が全くないとは言わない。

 けれど頑張っていこう。


 ……幸いにして、開田かいだのじいさんが、かなり手厚くサポートしてくれるみたいだしな。


 あのあと色々とじいさんから説明を受けた。

 俺んちのマンションの裏に、開田のじいさんが建てた病院があるらしい……。

 

 どうやらあのマンションがそもそも、開田グループのものらしく、俺達のほか、親戚が結構住んでるとのこと。

 

 開田の親戚ならただで治療が受けられるそうだ。


 その他、驚くほどのお祝い金をもらったり、別荘をもらったりと、色々とお世話になった。

 たくさんもらったけど、別にお返しとかは期待していないらしい。


 孫が元気ならそれで、とのこと。

まあでも孫にはぜひ、じぃじと呼ばせてくれ、とだけ頼まれた。

 謎のこだわりだ……


「ふう……いい湯だった」


 風呂から出て俺は、はたと違和感を覚える。


「……静かだ」


 そうだ、おかしい。

 嫁たちが静かすぎる。


 普段なら、家に帰ると真琴あたりが、すぐにすっ飛んでくる。

 今日はホテルに戻ってから、彼女たちがとてもおとなしい。


 風呂入ってると、一緒に入ろうとして来るのに、いつもなら……。


「まあ、そんな日もあるか」


 今日は結構飲んだし、もう寝るかな……。


 俺はベッドルームへと向かい、ドアを開けた。


「「「「いらっしゃーい!」」」」


 ……そこにいたのは、エロい格好をした嫁たちだった。


 え、え? なに、これ?


「千冬姉さん! 獲物がかかったよ!」


 がちゃり、と寝室の鍵が締まる。


「ふぁ!?」


 俺はドアを開けようとするが、あかない!


「ふふふーん♡ ようこそ~♡」


 真琴が笑顔でやってくる。

 彼女が身に付けてるのは、ベビードールだ。

 ピンク色の薄い布地でできた、すけすけの、エロいお洋服である。


 下着を身に付けておらず、完全に局部が透けて見えた。


「どういうこと?」

「ぼくも赤ちゃんほしい!」


 真琴に導かれて、俺は部屋の巨大ベッドへと運ばれていく。


 4人の嫁がそれぞれ、ネグリジェだったり、下着にガーターだったりと、多種多様なエロい格好をしていた。


「千冬姉さんがほら、子どもできたじゃん?」

「だからわたしたちも、せんぱいの赤ちゃんほしいなって!」

「なーんかみんな対抗意識もやしちゃって、やる気満々になっちゃったのよね~」


 なるほど……千冬解任がきっかけとなって、嫁たちもやる気がでたってわけか。


「……貴樹、さん」

五和いつわ、おまえまで……」


 彼女はすごいミニスカートのメイド服に猫耳をつけていた。


 お尻が完全に見えている。

 さらにシャツのボタンは4つくらいあけており、Dカップのおっぱいが見えていた。


「……ご主人、さま」

「え?」

「……んっ♡」


 メイド五和が俺の唇を奪う。

 ぬるりとした感触と共に……なんか、口の中に入ってきた。


「てい」


 げしっ。

 ごくん。


「ま、真琴さん? 今のは?」


 俺の首の後ろをチョップした真琴に尋ねる。


「開田じぃじ考案、白馬製薬特性の媚薬♡」


 おいいいいいいいいいいいいいいい。


 なんつーもん作らせてんだあの人!?


「早く孫の顔がみたいだ、というじぃじの要望を受けて作られたんだってさ」


「一錠飲めば翌日までギンギンで、何回出してもなえることないんだってさ! やったね貴樹! 赤ちゃん増えるよ!」


「おいそれ飲んで大丈夫なお薬なの!?」


 アンナがケラケラ笑って答える。


「だいじょうぶ! エロ漫画じゃよく見るありふれたお薬だから!」

「エロ漫画ならね!」


 し、しかし……なんだ。

 妙に呼吸が荒くなってきた。


「わ! せ、せんぱい……いつも以上におっきくなってます!」

「……すごい、おっきぃ」


 ひなと五和が俺の股間を見て熱っぽくつぶやく。


「お兄さん……おにいさぁん!」


 真琴が俺のことを押し倒す。


 倒れ伏す俺の腹の上に、真琴が馬乗りになる。


「はっ♡ はっ♡ はっ♡」


「ま、真琴さん……?」


 体全身で荒い呼吸をしている、真琴。

 彼女の眼は血走っており、俺の股間を凝視している。


「お、おまえも薬飲んだのか?」

「もちろん♡ てゆーか、みーんな媚薬飲んでるから♡」


 真琴同様、みんな植えた野獣のように俺を凝視してくる。


「ま、まってくれ。さすがにこんな状態の4人とやったら……体がもたん!」

「だいじょうぶだよ~♡ 貴樹~♡」


 アンナが四つん這いになって、雌猫みたいなポーズのまま、俺を見下ろす。


「なえても、そのたび元気にしてあげるから♡ 無理やり♡」

「全然大丈夫じゃないんだけど!?」


 顔を真っ赤にしながら、ひなが近づく。


「大丈夫ですよぉせんぱぁい♡ わたしたち、せんぱいを喜ばすために、頑張りますからぁ♡」


 メイド姿の五和が俺の頭上に座って、キスの嵐をあびせてくる。


 おしとやかな五和も薬の影響で、発情した雌犬のようによだれをたらしながら、下品にキスをしてきた。


「……いっぱい欲しいな」

「五和さんまでおまえ……」


 熱い吐息をつきながら、獣のようにぎらついた眼を俺に向ける嫁×4。


 く、食われる!

 このままだと、むさぼりつくされる!


「一滴残らずしぼりとってあげるからね~♡」


 笑顔の嫁たちに、背筋が凍る。


「ち、千冬! へるぷ!」

「……任せて、たっくん」


 部屋の外から、千冬の声。

 そうだこういうとき常識人の彼女が、冷静なご意見をくれるはず!


「……食事もお水も、なくなったら補充するから」


 おいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!


「千冬姉さんもぼくたちの見方だもーん!」

「てことで、貴樹♡ 逃がさないよ♡」


 ……飢えた獣の群れの中に、放り出された気分の俺。


「そうはいっても、せんぱいも期待してるじゃないですかぁ♡」

「……すごい、今までにないくらい、おっきくなってる」


 ……まあ、そりゃね。

 こんだけ美少女たちがエロいかっこして、求めてくるんだから、俺もまたやる気がでますよ。男ですし。


「それとも、ぼくらの赤ちゃん、ほしくない?」


 ……そんなの、俺の答えは決まってる。


「ほしいに決まってんだろ」



 ……そして、その日は一日中、だった。

 俺も、嫁たちも、今までにないくらい興奮していた。


 喘ぎ声と、甘い吐息がホテルに響き渡った……。


 まあ、そんな感じで、俺たちは日本へ帰る朝まで夜通しやりまくった。


 ……めちゃくちゃつかれたし、めちゃくちゃ恥ずかしかった。


 でも色々あったが、いい旅行だったと思う。


 日本に帰っても、頑張ろう。色々と。

 

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