3話 千冬さんと朝からたっぷり



 真琴、五和と一夜を過ごした、翌朝。


 俺は目覚めてすぐ、むわり……と淫らな匂いが部屋中に充満していた。


「やりすぎたな、こりゃ……」


 ベッドのシーツはぐしょぬれ。

 倒れてる真琴達は、体中汁という汁で汚れている。すまん……。


 俺はシーツを回収し、落ちてる洗濯物を持って脱衣所へと向かう。


 洗濯カゴにぶち込んでおく。


「風呂でも入るか……」


 がらっ……。


「ん゛♡ ん゛♡ ん゛ぅ♡ お゛♡ んぅ♡」


「え……? ち、千冬……?」


「!? た、たっくん!?」


 俺の嫁……桔梗ヶ原ききょうがはら 千冬が、湯船に浸かって……その、一人えっちしてた。


 かぁ……と千冬が顔を真っ赤にして、首を振る。


「ち、ちち、違うの! これは、違うの! マコちゃんたちの部屋のシーツえようとして、エッチな匂いかいで、ムラムラしたわけじゃないの!」


 ということらしい。

 なるほど……。


「ご、ごめんねたっくん。私もうでるから……あっ」


 出て行こうとする千冬の手を、俺がつかむ。

 俺の前には、30を超えて、熟れに熟れた、女の裸体があった。


 嫁の中で一番大きな胸が、重力に従って垂れ下がっている。


 真っ白な首筋に、俺はチュッ、とキスをする。


「ん゛ぅ……♡ た、っくん……」


 潤んだ瞳で俺を見てくる。


「ごめんね、千冬。3日も待たせて」


 俺たちの性生活は、あるルールを化している。


 平日は、3日置きに、というルールだ。


 グループを三つに分けている。

 真琴と五和。

 ひなとアンナ。

 そして千冬。


 土日はまあ例外として、平日さすがに5人を相手にするのはきつい。


 だから2人ずつ3グループに分けている。


「みんなの中で真琴以上にドスケベだもんね、千冬って」


「やぁ……いじわる……たっくん……そんなこといわないでぇ……♡」


 まだ首筋にキスしているだけなのに、彼女の腰が震えている。


「……だめ、よ。たっくん……お風呂場でなんて」


「千冬はしたくないの?」


「……したい、けど。こんな……んぅっ♡」


 千冬の唇に、俺は唇を重ねる。


 とろん……と彼女の目がとろけて、瞳の奥に♡が浮かぶ。


 スイッチが入ったのだ。

 こうなると千冬は歯止めがきかなくなる。


 彼女はちょっと……というか、だいぶMだ。

 少し強引にしないと興奮できないらしい。

 だからまあ、ちょっと演技くさくなってもこうしてる。


「千冬……薬、飲んでる?」

「…………」こくこく、と彼女がうなずく。


「なんだ準備万端じゃんか。いつ俺に抱かれても良いように準備してたの? すけべな部長さんだ」


 びくっ、と千冬が体をこわばらせる。


 声だけで達してしまったらしい。


 くたぁ……としゃがみ込む彼女の前には、俺が全裸で立っている。


 千冬ちふゆさんはとろけた表情のまま、激しい呼吸を繰り返し、そして……目の前のものをくわえる。


 ……そうなるともう、彼女は獣になる。


 理性を忘れた、飢えた狼に。


    ★


 ハーレム法案が通ったことで、世界は劇的に変化した。


 その中の変化のひとつに、医療技術の超向上があった。


 開田のじいさんは一夫多妻だけでなく、同性婚、家族婚を認めた。


 もちろんお互いの合意も無しに、結婚することも付き合うこともできないという製薬は着いてる。


 そして同性婚や家族婚が認められたことで、懸念事項として、子供の問題が浮き上がった。


 血のつながった相手との性行為は、遺伝子的にまずいらしい。


 将来生まれてくる子供に不幸をもたらすことは、開田のじいさんの本意ではない。


 そこで開田グループと、そして日本最大手の製薬会社、白馬製薬が手を組んで、医療技術を向上させたのだ。


 開田グループが莫大な資金を白馬製薬に提供し、遺伝子の問題を解決する薬を開発したそうだ。


 またグループ傘下の病院をいくつも立ち上げ、超安価で、出産をサポートする仕組みまで作ってしまった。


 さらに同性同士で子供を作る技術まで開発したのだから、開田のじいさんの本気度がうかがえる。


「この世にたくさんの愛と子を……か」


 朝食の席にて、俺は千冬とふたりでご飯を食べている。


「……もうっ、たっくんってば、朝から二回も三回もするんだからっ」


 顔を真っ赤にして千冬がぷりぷりと怒る。


 風呂で2回、台所で1回。

 俺たちはまぐわった。


「いや風呂場のは千冬が俺を離してくれなかったんじゃん」


「……そ、そうだけどもっ。台所でご飯の準備してるのに、後ろから……もうっ!」


 台所に立つ千冬がえろくて、ついつい抱いてしまったのだ。


「……たっくんのえっち」

「我が家の2大性欲モンスターに言われたくないね」


 ちなみにもう一人は言うまでもなく真琴である。


「も、もぉ~……ばかばかっ」


 ぽかぽか、と千冬が俺の肩をたたく。


「いつの間にこんなイケナイ子になって……! 悪い子!」


「ほぉ、悪い子にしたのはだれだっけ? ハーレム法の公布が決まった日、真っ先にうちに来て、俺を押し倒したのは、どこの誰でしたっけ?」


 この法案、今年度施行になったが、公布自体は結構前からあった。


 誰よりも早く俺の元へ来て、思いを告げてきたのは、他でもない千冬である。 


 詳細は、また後日語るが。


 まあ、あのときは色々あったな。

 法律が公布されたばかりで、真琴も俺も混乱してたし。


「意外だったなぁ」

「……だって、もう私も、30超えてたし………」


 まあ気持ちはわかる。


 女性は年を取るほど、子供を産んだときのリスクが高くなるという。


 千冬ちふゆさんは真琴やひなたちと違って年を少し取ってるからな。


「ごめん……なさい」

「いや謝る必要ないだろ」


「たっくん…♡」


 目を潤ませながら、千冬が俺を押し倒してきた。


「あのねぇ……どんだけだよ」

「ごめんね……でも……でもぉ……♡」


 ……結局俺は、台所でやりまくった。


 そこで真琴達に見つかってしまったのは言うまでもない。

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