第二話 そんなことは忘れて配信見よ
俺事、上井裕也はヤンデレ系vtuberに大ハマリしている。その配信者の名は橘あおい様。声・雰囲気・トーク力・顔のかわいさ、んん?何?現実とは顔が違うだろって?
・・・vtuberに中の人なんていないから。いいな?あれが本物だから。次同じようなこと言ったら駿河湾沈めて、桜えびの餌にすんぞ。
俺は自室に戻り、PCの前に腰を下ろした。今日は土曜日。学校は午前中のみなので午後はしっかりぐうたらできるわけだ。あの、謎の転校生のことはとりま頭の片隅においておいて、ひとまず、PCを起動させ今日の配信内容をチェックする。
「今日の配信は何かな〜♬楽しみ〜。ってええ??な、な、、、なんだって!!!!」
換気のため、窓は全開。それなのに、一歩間違えれば騒音被害で訴えられる手前くらいの声量であった。で、もももぉぉお!!!今日の配信はぁぁ!!!
『新衣装!!お披露目会&登録者50万人記念ライブ。質問こたえーるよぉぉ』
うおぉぉぉぉ!!!と今度は騒音被害で訴えられたくないので心のなかにとどめておいた。それと同時に感じる高揚感。なんていい気分なんだ。
「オレイキテテヨカッタ。ワリトガチデ。シアワセ。」
ただでさえ50万人記念ライブを楽しみにしていた俺氏(16)。まさかの新衣装お披露目会とのダブルコンボなんて、夢みたいだ。これがホントのハッピーセットというわけか。うんうん。ハハハhaha。
・・・なんだろうテンション高すぎて自分でもキモく見えてきた。こりゃ重症だな。やっべぞ。
そして…待ちに待った配信すたーとまで残り数分といったとこ。俺は変な汗をダラダラとかきながらも、ずっとあおい様の配信に入るページを更新し続けている。
「おっ!来た…!」
『みんな〜元気してる〜?あおいは病み期突入中だけど、今日は気にせずやっていこ〜!』
□:ついに始まったぞ!!!お披露目会&記念ライブ!!
俺:ただし、本人がマイペースなせいでその雰囲気を感じないwwww
□:でも、そこがいいんだよな〜
□:分かる
□:わかり味がマリアナ海溝くらい深い
『どうかな!?みんなぁ!この衣装、どう??かわいい?・・・可愛くないとか言ったら襲っちゃうからね?』
□:かわいい!!すっげー似合ってる!!
□:かわいい!そして、襲われたい!!ww
俺:お巡りさんこいつです
□:にっげろぉ〜
□:変態が一匹逃げたぞwwww
配信の楽しみといえば聞いたり、見たりするだけじゃなくて仲間(変態)で盛り上がれるとこもいいとこだと思う。
『今日はとにかくお祝いだね〜。記念に質問ライブをやりまぁす!どんどん質問して
ね〜』
SP:イキ◯トではありません。彼女もア◯ナ似ではありません。てか、いません。
2400円◇最近、あおい様のことを知った新規勢です!自己紹介とかしてくれると嬉しいです!
『おおっ!早速一個目!自己紹介か〜。りょうかい〜。え〜とね。名前は橘あおい!年齢は内緒で、一応住みは関東圏てことだけは言っとく。それこそこの新衣装みたいな地雷服着て街歩いてる〜。これでいいかな?』
□:新規勢が増えてよかったね!
□:新規勢はどんどんwelcomeだね。
□:優しい世界
□:てか、質問者のネーミングセンスある意味地獄やんwwww
□:それなwwちょっとクスッとしちゃったじゃねーかよ。
俺:てか、関東圏か…意外と近かった。
□:ええ?鹿児島の俺人権ない感じ?ww遠すぎwww
『結構な頻度で外フラフラしてるから関東圏の人は気づかないうちにすれ違ってるかもよ?』
□:ワンチャン俺あおい様の横歩いてた可能性があったと思うと興奮するなww
俺:さすがにその発言はキモいけど俺にもこの可能性が・・・
□:お前らふたりともキモいわ!ww俺にはその妄想する権利でさえもないのに。(鹿児島県民二回目の登場)
□:それなー。妄想できるだけ幸せだろ。俺にはその権利すら・・・(岩手県民今回が初登場の模様)
お金はないが応援したくなっちゃうのがファンというものなのだ
SP:ヤンデレ大好きマン(俺)
10000円◇いつも配信見てます!!あおい様の配信大好きです!!あおい様は他のvtuberの人とかみたいに同じ事務所内の人とコラボとかはしないのですか?もちろんあおい様一筋ですぞ?
ヤンデレ系vtuber橘あおい様は《Vライ》という事務所に所属している。総勢で百名以上の大規模事務所である。他のvtuberはコラボ配信などを多くやるのに、あおい様はこれまで一度もしてこなかったのだ。俺はそこが疑問だったのだ。
『んんん~恥ずかしいぃけど・・・あおい実は人にあんまり話しかけるとかできないから友達いないの//////」
□:あおい様意外とシャイだったのかわいい
□:かわいいなーおいwwこれが俗に言うギャップ萌えか。
□:これはあおい様の意外な一面知れたわ。
□:これは、{俺}ないスパ&良い質問すぎw
ここで俺はある一個の作戦らしきものを思いついた。それが・・・
俺:《とぅいったー》でコラボ相手募集してみれば!!どう?
□:名案すぎwwないす!!
□:知名度あるから多分だけどすぐ集まるっしょ!
□:あおい様史上初のコラボ実況楽しかったわ〜(未来行ってきた)
『わかった・・・。みんなやってみる。』
〜〜〜数分後〜〜〜
『みんなつぶやいたよ!!』
『というか一瞬で一個DM 来たんだけど???』
□:早すぎやんwww
□:さすが、我らがあおい様
□:誰がDM送ったのかな?
俺:コラボ配信決定か!?
『ええええええ!!??須藤奏女しゃんんん‼!???』
□:カナメシャン???
□:ファッツ??奏女しゃん??
□:ヤバすぎやんwwwww
□:初のコラボ配信で奏女しゃんはヤバすぎw
□:俺今手の震えが止まんないんだけども・・・
□:俺鳥肌立ちすぎて翼生えそう・・・
俺:・・・・すごいな。うん。言葉が出ねぇ。
須藤奏女。Vライ一期生の一人であり、登録者数150万人の絶大なる人気を持つvtuberのことである。
『ヤンデレ系vtuberに大ハマリした俺。突如として現れた転校生は間違いなくその配信者でした。』 78姉さん @Wokashi_0302
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。『ヤンデレ系vtuberに大ハマリした俺。突如として現れた転校生は間違いなくその配信者でした。』の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます