第4話_起『逃亡者3066:キャッチボール』
「で、あなたたちはこんな昼間っから何やってんですかねぇ・・・」
あれから三日後、俺の怪我も万全に回復し。さてといよいよ歯車探しに乗り出そうと思った。
その時だ、とんでもないハプニングが俺たちの前に舞い込んできたんだ。
そう、それは昨日、ソライが突如と持ち込んできた話だ。
そしてニッちゃんがやってきた今、それが発覚してしまった。
そのハプニングとは・・・
「いっけーーーーー!!そこだああああああああああーーー!!!」
「勝ってええええええ〇ーーービィイイイイ」
「そうじゃねぇよ〇リオ!!そこをジャンプだあああああああ!!」
ス〇シュでSP的な対戦格闘ゲームでコンピューター同士をトーナメント形式で
戦わせる大トーナメント大会を開催してたのだった。
これが意外に盛り上がり、夜から俺たちは朝までぶっ続けで、ゲームに没頭していた。
そして第12回トーナメント準決勝第2試合。
コンピューター同士のもはや、テンションで顔から血が吹き出そうなほど(比喩)
白熱したバトルにより、俺たちは非常に気分がハイになっていた!
「ひゃっはーーーーーーーーー!!いっけぇいっけぇ!」
「三人ともッ!!聞いていますかッ!!」
「ニッちゃんもそんなところで何してるんだよ!俺たちと一緒に戦いを見ようじゃねぇか!」
俺がこう,声をかけるとニッちゃんはうつむいたまま
ブツンッッ!!と
テレビに駆け寄りテレビの電源とゲーム機の電源を切る。
「「「あ」」」
「いい加減にしてくださいッ!!!」
「何すんだよーニッちゃんーいいところだったのにぃ」
「そーだそーだ」
「それに今日は日曜だぜ!別に休日に俺らが、何をしていようが俺らの勝手じゃねぇかー」
「あなた方は・・・この部屋の惨状を見てもそれを言えるんですか!!!」
そう言われて俺たちは部屋のあたりを見渡す。
そこにはカップラーメンの容器、ノート、脱ぎ散らかした服、ポップコーンの袋、食べかす、アルミホイル、鳥の餌、壊れたサングラス、洗ってない食器、明日を遮る壁と書かれたオブジェ、ごみ、なんだかよくわからないものEx、それと便座カバー、割れたガラスの破片、こぼれたオレンジジュース、ごみ、ナイフの傷(肉食っているときについた)、こっそり食べていた溶けたニッちゃんのアイスクリーム、バナナの皮、ソライの同人誌3冊、パソコン、ハンコ、コントローラー、ヤシの木の葉っぱ、電球・・・に見せかけたテルテル坊主、泥団子、かつ丼の容器、ガム、何も書かれていないいかにも呪われていそうなビデオテープを咥えた木彫りの犬にまたがる若干肩がへこんだむかつく顔のサンタクロースの置物??などなどが散らばっていた。
「うん?何か変なとこある?」
「ありますよ!何言ってんですか!この汚部屋の惨状を見て、何もあなた方感じないんですか!?っていうかこのサンタクロースは何!!!今夏だし!!無駄にデカイ!!なんでここにあるんですか!!」
それは両手に抱えるサイズはある。
「修学旅行の時ノリでこういうのみんな買うだろ。」
「買います!?あっても邪魔でしょう!」
「木刀と一緒にノリで買うだろ。」
「そして木刀を振り回してたらいつの間にかへこんでいるだろ。」
「↑ここまでがテンプレだろう。」
俺、ソライ、アルゴニック三名の説明に怒りを隠してないニッちゃん。
「じゃあ、なぜヤシの葉っぱとかこれがここにあるんですか!!!」
「「「成り行き」」」
「成り行きでここまで汚さないでください!!」
「いや、ちょっと汚いかなーって思うことは、思うけど・・・」
「ちょっと!?ちょっとじゃないでしょう!この汚さは異常ですよ!」
「え、いやその・・・」
「サイムさん・・・いい加減部屋を掃除してください!私怒っているんですよ!
忘れがちですが今日は花火大会ですよ!
私の
三、四店ほど小さいながらも露店も出すんで
「マジで俺らも出していい!!?」
「じゃあ掃除してくださいよッ!!」
ッ!!?
なんでこのタイミングでそんな重要情報をニッちゃん黙ってたんだ・・・
まさか、掃除をさせるためにか・・・!巧妙な!!
えーーーーー
でもなぁ・・・
どうにか押し付けたいなぁ・・・
押し付けたうえで、
・・・
でも・・・掃除は・・・
・・・
サボりたい・・・。
ニッちゃんに圧倒されながら俺はソライに後ろ手を組んでハンドシグナルで合図を送る。
『今・すぐ・遊べるもの・持って・外にGO!』と
ソライにならこれで伝わるだろう。あいつのことだから、
ニッちゃんのじじいに話もしてくれるはずだ。
昔も怒られそうになってはこの合図を送ったものだ。
俺たちのハンドサインは中学のころから隠密行動作戦最強の武器だ。
圧縮言語が急いでいるとき、隠密はやはりハンドサインに限る。
後ろのソライがうなずく。
「さてと、ニッちゃんそろそろ掃除しますか。」
「や~~~~っとわかってくれましたか!」
「そういえば、なんで、花火やるんだ?」
「ああ、近年珍しく、C級の冒険職の会社がここから北へちょっとの距離に
ある巨大ダンジョン踏破っていう成果を上げたんだと。
で、今はもうひっこしちゃったんだけど、
そのC級冒険会社が冒険を始めたとされる土地が
ここショーワ町とタイショー町のちょうど間らへんなのさ。
で、盛大にここら辺の人らによくしてもらったお礼もかねて、
花火とか
「ソライ、そんな雲の上のさも儲かってる金持ち同業種の話はあとにしろー。
俺らは金なし万年金欠会社だ。泥臭く泥にまみれてどろどろとやっていくしかないぞー。」
そういって俺は何か遊ぶ道具ないかと探ってみる。
すると突然、ソライが野球のボールを指さして俺のほうを笑顔で見る。
・・・そういう事か。
だったら確かここら辺にグローブがあったよなぁ。
「あのーサイムさん?いったい何を探しているんですか?
っていうか掃除はどうしたんですか?」
こういう時ばれないコツはできるだけ実際にやりながら、
本筋のグローブ探しをぶれないことなんだよなぁ。
「いや、掃除?やってるやってる。ちょっとここら辺から片しておきたいなーって思ってさ・・・お」
あったあった。俺とソライのグローブ。
昨日、場外に吹っ飛んだ選手を受け止めようぜごっこした甲斐があったもんだ!
あとは・・・
「いよーっし。」
さてと・・・どう言い逃れしようかなぁ・・・?
「どうしたんですかグローブなんか持って?」
「・・・」
「サイムさん?」
「ニッちゃん・・・」
難しいことは言わないでおこう。ここはシンプルにわかりやすく。
「は、はい?」
そしてこれからおこる苦難への意味を込めて!
「頑張ってね」
「は、はぁ?」
あとは・・・
「行くぞ!ソライ!アルゴニック!」
「「おう!」」
マッハで逃げる!!!
「え」
そういうと俺たちは玄関までダッシュで駆ける。
「ニッちゃん!掃除は任せたぜ!」
「あばよーとっつあん!」
「バイバーイ」
「ちょっちょっとおおおおおおおおおおぉぉぉぉーー・・・」
追ってくるか!!?
「まちなさーーーーい!!!」
「掃除は嫌なんだよおおおお!!!」
「「スッタコラサッサーーーー!!」」
ソライはええええええええええええええ!!!
アルゴニックは自らの体を収納して団子状になりながら転がっているけど、
お前はそれでいいのか!!?
っていうか地味にニッちゃんはええええええ!!
「ガジェットギア!セット!!」
ボードギア使いやがった!!?追いつかれる!!
「だが!!しっかーーーし!!」
俺はこの小道の曲がり角を曲がる!
地元民舐めんな!!
そして!!軽くジャンプをしてこの小道の最大の特徴である、
パイプに手を伸ばし掴む!そのまま、けんすいの要領でパイプにつかまったまま。
しばし待機・・・。
「サイムさんッ!!!」
ニッちゃんは小道につく・・・。
「・・・」
ニッちゃんは周囲を見渡す。
「チッ!逃がしましたか!!
この奥にいるでしょうが、きっと今はこの先のもっと複雑な道に・・・。」
そういってすごすご引き下がって帰っていった。
「ふぅー・・・危なすぎんだろ・・・。」
こういう感じでしのいだのは何回もある。
俺はかつて魚屋や商店街の連中に誘われて『鬼嫁、借金取り、通り魔、
そのほか面倒な怪異からのDV回避講習』を受けてよかったと痛感する。
さ、ソライたちと合流しよー・・・。
こうして俺たち三人はニッちゃんに掃除を丸投げし
見事自宅から脱出できたのであった。
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自宅から歩いて少ししたところに、
ショーワ中央公園という割と大きめの公園の芝生に俺たちは来ていた。
今は夏、という事なのでかなり暑い。
だが、その暑さに負けじと、俺たちは公園でキャッチボールをしようとしていた。
「サイム、お前が追いかけまわされている間にニッちゃんのじじいに話はつけた。囮、ごくろーさん」
「サンキューソライ。あとアルゴニック・・・お前のグローブまで手が回らなかったわ。すまん。」
「あーちょい待ち、00(ヌル・メイキング)Idアビリティ!クリエイト!」
そうアルゴニックが唱えると空中にグローブらしきものが出現する。
「うーん見様見真似で作ったがこんな感じだろ。さ、やろうぜ。キャッチボール。」
「よっしゃ!やるか!」
俺たちはキャッチボールをすることにした。
まず俺からソライへ
「うっらああああああああああああああ!!」
全力の一発をお見舞いする。
ボールはまっすぐ俺を離れ、ソライのもとへ飛んでいき
ドッパン!!というキャッチの音がする。
「ッ!!」
ソライが全力の俺のボールをとった時の衝撃で後ずさりする。
「もーサイムーいきなり全力はないだろーそうボールを投げるときはこういう風になげろよなぁッ!!」
といいつつソライはかなりどぎついスライダーを俺に打ってくる。
なんとかズバン!!というキャッチし俺は後ずさりする。
「ふぅーーーー腕は劣ってねぇみたいだな・・・」
「もちろん」
「あーのーこれってさキャッチボールなんだよな?」
俺はソライへボールを投げる。
「もちろんさ。これはただのウォームアップ。今からのらりくらりと、キャッチボールしていこう。
さ、投げるよー」
「おう」
ソライからアルゴニックへ、ボールがゆっくりと投げられる。
「おっとととと」
とアルゴニックが、ソライから来たのボールを必死に追いかけていると
アルゴニックのそばで落ちる。
「ははは、よくあるよくある。大丈夫ゆっくり投げていこう。」
ソライが励ます。
アルゴニックがボールを拾い俺に向けて投げる。
「投げんぞー。」
アルゴニックのへなちょこボールを俺はゆっくりとキャッチする。
「なぁソライ」
ソライに投げながら語りかける。
「何だサイム?」
「楽しいな!」
俺がそういうとソライは、ボールをキャッチする
「ああ、懐かしい感じだ!」
そしてキャッチしたボールをアルゴニックに向けてゆっくりと投げる
「懐かしいって?」
アルゴニックがボールを追っかけながら話す
「僕らはこれで、仲良くなったんだよー」
「これって・・・キャッチボールでか?」
アルゴニックがボールを投げる。
「そうだ。」
俺はボールをキャッチする。
「中学のころの体育の授業中で俺とソライとあとユウジってやつもいたんだが、そん時は3人で全力で投げあってセンコーに止められた。そしてセンコーに3人ともギャグのようにボールが飛んで行って廊下に放課後まで仲良く正座よ!」
俺はソライにボールを投げる
「あの頃は楽しかったなぁサイム!いつも『四人』で馬鹿やったっけ?」
ソライがボールを投げる。
・・・四人。
「なぁ四人って?お前らとユウジってやつと、あともう一人いたんだよな、
そいつは誰だ?」
アルゴニックがボールを追いかけながら話す。
・・・
・・・
「・・・・・・え、っとぉそれはその~まぁ懐かしい奴すぎて僕は答えられないなぁ・・・」
ソライは笑顔でおどける。
昔と変わらない笑顔で。
・・・
・・・少しだけ視界がぶれる・・・
そうだな確かに懐かしい。
ああ、本当に懐かしい。
最近よく思い出す。
・・・
あいつが・・・懐かしい・・・か。
あと数年で10年くらいか?
そんなにも経ったのか?
でも・・・
でも、俺はあいつを忘れてない。
『サイム、あなたはもっと、笑顔でいたほうがかっこいいよ!』
『ホラ!番長でしょ!しっかりしなさいよ!』
『あーご飯粒ついているー。もーぅ。』
『サイム、あなたそのバンダナ大好きね。』
『ハイ、悪戯返し完了!残念だったね!サイム!』
『こらサイム!また野菜を残したわね』
『サイム、今日はどんなワクワクすることをしよっか?』
『最高のワクワクを紡いでいこうよ。』
『ありがとう。サイム。』
あいつのなびく栗色の髪、あいつの優しい声、あいつの笑顔、あいつの『心』を、俺は忘れてない。
無邪気に笑って俺のそばにいた日々をあの純粋な思いがどれだけのものだったか。
胸に手を当てて『心』を確認する。
うん。大丈夫だ。大丈夫。よかった『まだ』覚えている。
まだ、あいつとの思い出は消えていない。
どれだけ心が折れても消えちゃあだめだ。消しちゃあだめだ・・・
「サイム!サイム!上!上!」
ソライの声を頼りに上を向く
「上?」
上を向くと
空は晴天だ。
その中に一点の丸い物体。
それが近づき
ボールだとわかる。
直後!
目の前にボールが飛んできて
そのボールにぶつかる
「が!」
俺は思いっきりのけぞり顔に手を当てて、首を振る。
「いってーな、こんチキショー!」
顔もそうだが首もいてぇ!!
「すまん!」
ボールを探す。
「あーまったく。人が思い出に浸っているっていう時に・・・」
俺は転げまわるボールを追いかける
ボールが何かにこつんと当たりボールが弾む。
そしてそのままボールはころころと転がる。
おい。
おいおいおいおいおいおいいいいぃぃぃ!!
何かの冗談だろ!!
ボールの当たったものを見てみるとそこには
子供が、女の子が!うつ伏せで倒れていた!!
推定10歳くらいのかなり大きい半袖のシャツにスカートを履いた少女がそこにはいた。
「おい、大丈夫か!!?しっかりしろ!!!」
この暑さだからな熱中症かもしれん。
「サイムーどしたー?」
「ソライ!!こっちに来てくれー人が倒れている!!」
「何だって!?えらいこっちゃ!!」
俺は子供に駆け寄り揺さぶってみる
手からジュッ・・・という音がした瞬間反射的に手をはねのける。
「あっっつ!!」
まるで人の体温とは思えないような高温が手を焼いた。
よく見てみると手が金属でできていた。
・・・まぁそういうこともあるだろう。義手的な感じのものが。
俺はとりあえずおんぶをして、日陰に移動することにした。
が、ソライに手伝ってもらいおんぶをしようとすると
異様に『重い』
「グっ・・・」
正直何とか足腰で支えられるレベルの重さだった。
「サイム?もしかしてこんな子供も背負えないほど、筋力落ちた?」
「そうじゃ、ねぇよ。お、重いんだよ!!」
「またまた~じゃあ僕が背負ってあげよう。」
そういってソライも少女をおんぶをする。
「ぐぅうあああ重い重い!!何百キロあるんだよ!!」
これは女子に吐く台詞ではない。
だが重いのだ。成人男性が重いと感じるレベルの重さなのだ。
結局ソライがそのまま公園によくある屋根付きの
ベンチまで運んでいき。
少女を揺さぶってみる。
「おーいしっかりしろ。大丈夫か?」
すると少女は
ゆっくりと手を使い起き上がりだす
「・・・うーん、姉さん?」
その少女は座高や身長からして約10歳程度、真っ青な髪で赤いスニーカー青いスカートを着て
右肩が見えるほど、大きいだぼだぼな灰色の半袖Tシャツを着ており・・・
露出した右肩からは、ブラジャー・・・か?黒色のひもが見えている。
正直服のサイズは子供ではないだ。
だがそんな人間的な部分とは対照的に腕は黄金色の金属
・・・しかも腕の周りには赤と青のコードのようなものが露出しており、人間味を感じない。
腕と同系色の特徴的な金属でできたゴーグルを目のあたりに着けており
きょとんと緑色をした丸い緑色の無垢なレンズで、こちらを見ておりその姿はまるで・・・
「「ロボットじゃん!!」」
そう、まるでモンブやノーツーといったロボットと、同型のロボットが今俺たちの目の前にいた。
「姉さんじゃない・・・」
「ソライ!アルゴニック!離れるぞ!そいつ敵かもしれない!!」、
ぱっと臨戦態勢をとる俺たち二人。
「お前は何者だ!?今回は何の目的があって、俺たちに接触してきた!?」
「名前・・・3066号です。目的・・・現在逃走中。」
「それはお前の番号だろ名前じゃない。」
「逃走中だって?それってハン○ーとかに追われたり、
自首して炎上したりする、逃げ切って高額賞金を入手したり、あのテレビでたまにやってるあの・・・」
ソライが大真面目な顔でボケをかます
「そうじゃねぇだろ。馬鹿!」
俺はニッちゃんの代わりにソライの馬鹿を殴る。
ああ、突っ込み役じゃあないんだけどなぁ。
「り、理解不能・・・です。私は名前は3066号としかもらっていませんし、
それにさきほど、私は自身の現状を説明したまでです。
相互の認識に不備があったとはいえそこの獣人さんが殴られる道理はないと思われます。」
「お、状況分析とかできる子はいいやつだ。
むやみやたらに敵に突っかかってくるような
なかなか賢いロボットさんじゃないか。気に入った。まともってだけで価値があるね。
俺アルゴニック。創造主やってんだよろしく~」
「よ、よろしく?です。」
アルゴニックが3066号と名乗ったロボットに近づいてきてぶんぶん握手をする。
「ばっか!おめぇ!何敵かもしれない奴と、気兼ねなく握手してんだよ!
つーかそいつお前を狙ってきてんのかもしれねぇんだぞ!」
「ほうほう、でもな俺的に言えば、俺の歯車たちを集めてもらえれば、
敵であろうとぶっちゃけいいんだわ。残念ですた~。」
アルゴニックが首を振りながら平気で裏切り発言を言う。
「いいのかなぁ~アルゴニック~君が裏切ったら、
君が今日まで暮らしてきた三食昼寝付きの分のお金払えるのかなぁ?」
「はは、さーせんした!」
実は地味にアルゴニックが成人男性一人分くらい食べるので、
うちの食費がさらにひどいことになっていってしまってるのだ。
本人は『ストレスが溜まっているときは飯を食って寝るのが一番だ。
ダイエットはなかなか成功しないがな。』という発言をしていた。
運動してないので、あのエネルギーはたぶん脂肪に・・・
「このやり取り、理解不能。」
ロボットが口に漏らす。
「あのさ、本気でお前、歯車のこともこの変な
わからないわけ?」
「
なぜに西の方言を・・・
「歯車とは何か?」
「本当に知らないんだな?」
「私は、事実しか口にしていません。私の名前は3066号
現在、姉ロボットに追われており、逃走中の身である。
行き倒れていた所を救っていただき感謝?をする。」
姉ロボット?もしかしてそれって。
「なぁそのロボットってノーツーって名前じゃないか?」
「ノーツー?違う、そんな名前ではなかった。」
違うか・・・もしかしてこいつはノーツーとは別件なんじゃ・・・
「・・・ねぇサイムたぶんそれじゃだめだよ。
君のお姉さんって2561号って名前じゃないかな?
斧持ってて、長い髪に仮面をしたセーラー服の・・・」
ソライはモンブの特徴をあげる。
「・・・そうだよ。私の姉の一人は2561姉さんだ。とてもやさしい姉さん・・・だった。」
「やっぱりだ、この子番号なら知ってるんだ。今言ったのはモンブの番号だけど、
やっぱりこの子、あのロボットと同型だよ。」
「えーーーっとちょい待て今思い出す。
確か・・・2611っていう六本腕のロボットも君のお姉さんかい?」
「うん。そうだ。その姉に今追われている。ついこの間までは優しかったのに・・・」
うん?聞き逃せない情報が・・・
「この間まで優しかったって?」
「それは・・・」ロボットが口にしようとした瞬間。
ぐぅうううぅぅ~
と空腹告げる腹の根が、ロボットの腹から鳴る。
「そういえば、そろそろ12時だな。ソライ一旦ここは飯にしてもいいんじゃないか?」
「そうだね。だが警戒を怠らないように、
もしかしたら僕らに対して演技しているかもしれないし。」
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