第6話

「う〜んどれにしようかなぁ〜」


僕は今、冒険者ギルドに来ている。

あれから少し経ってEランク特有のお手伝いや手助けなどを奔走しDランクにようやく上り詰めたのだ。


「アイアさんはどれがいいと思う?」


「はい、そーですね私としてはどのようなものでもかまいませんがご主人様のためを考えますと……簡単にゴブリンの調査などは如何でしょう?」


「ゴブリン?」


「私もギルドに通っている訳ではありませんからあまり知識は薄いですが、ゴブリンはとても刃物が通り易い肌を持っていますので初心者には最適性のモンスターの1つでございます」


「へーアイアさん物知りだね」


「アイアはご主人様のお役に立てて幸せです」


「じゃあ、受付に出してくるね」


そのまま、資料集とともに受付嬢さんがいるところに行った


「あら、ごしゅ、カズハさんではないですかお久しぶりです」


「お久しぶりです、今日はこれにします」


「まっ、カズハさんもついに狩に出ますのね素敵です!」


「そ、そうかなぁ」


「そうですともぉ」


「ゴホン、ご主人様受け付けは済みましたので早く行きましょ?」


「う、うん受付嬢さんごめんね!じゃあ行ってくるよ」


「そうですか惜しいですけどいってらしゃいませ」


アイアさんの謎の早くこの場を切り抜けないと行けないと本能が言うくらいの圧力に圧倒されて外に出てしまった。

受付嬢さんの残念そうな顔を見ると、申し訳なく思ってしまったよ


「もぅ!ご主人様ったらお話相手がご所望ならこのアイアが命尽きるまでご主人様の相手になりますのに!それともご主人様は女が欲しいのですか?

ご主人様の女ならこのアイアがなりますのに!いえ是非ならせてください!」


「ちょ、ちょっと待ってアイアさんいきなりそんなこと言われても.....」


お話し相手が欲しかったわけでも女が欲しいわけでもなくてただ受付嬢さんが話しかけてきたので返しただけなのにアイアさんは何を勘違いしたのだろう。


「ご主人様の女.....はぁぁこんなに素晴らしい事は他にありません」


1人で、デレ始めたアイアさんを横に僕は地図を開いた。

初めてだから、場所も行った事ないし知らないところ。不安もあるけど、自分の実力を図るって意味では楽しみだった。

えっと........バスティー大深林、じゃなくてその横の名無しの場所。

てことは、つまりバスティー大深林を目指して歩けばいいと言うこと

少し遠いけど、歩いて行けそうだ。

そうして、歩き出そうと片足を前に出すと


「ご主人様?どこに行かれるのですか?」


アイアさんがクビをかしげて、不思議そうな顔をしている。普通に目的地に行くだけなのになにを困っているのだろうか。


「へ?アイアさん……いかないの?」


「行きますよ?」


「へ?」 「へ?」


え?


「…………えっとご主人様は歩いていかれるのですか?」


「そうだけど?」


「っなんと!ダメですご主人様、ゴブリンごときにご主人様の御足を浪費させるなど……ダメです!クッ、ゴブリン許しません行きましょご主人様」


「ムッ!」


アイアさんが僕の目の前に立ち、抱きしめられた

アイアさんの胸に顔がサンドされて息もくるしぃ

それと……ちょっと柔らかいかも


少し息が苦しいので反射的に息遣いが荒くなってしまった


「んっ.....ご主人様そんなに暖かいのをかけられるとアイア弾けそうですぅ......はっ!そんなことより行きますよ?ご主人様?」


「んーんんー!?」


「アイアもご主人様が大好きですよぉ〜では行きますね?」


そんな声が聞こえたのを最後にどこに?と思った僕はアイアさんの胸の中で気を失った。




「ヤァ!」 「ヤァ!」 「ヤァ!」


モンスター特有の高く、魔族語を話す声が聞こえてきた。

ここはどこなのか、僕は何をしているのか何も分からない中意識が覚醒していく。

すると、頭に柔らかい感触、果物のような柔らかい香りを感じた。


「あっご主人様、起きられましたか?」


目の焦点を合わすと、青空をバックグランドに満面の笑みのアイアさんが映った。


「うん.......起きたよそれでここは.....?」


「あっご主人様まだ私のお膝でおねんねしても構いませんのに」


僕は体を起こして周りを見た


え?

ぇぇぇぇえええ!!?


僕は驚愕したあろうことか、僕たちはアイアさんとと僕がすっぽり入る大きさで半球状の結界が貼られていた。そして、その外側で僕達を殺そうと殺意と棍棒を持ったゴブリンがうじゃうじゃといた。

そして僕はその結界の中で気絶しながらもアイアさんに膝枕させられていた、、だと?ゴブリンはきっと縄張りに入りにきた僕達を排除しようと怒っているのだろうきっと、、、じゃないとぼくが恥ずかしい。

本来の目的は、もちろん忘れたいない。

けど、この結界は誰が........考えるまでもなくアイアさんだろう。


「アイアさん?」


周りを見て僕は後ろで正座しているアイアさんに話しかけた、それよりも地面にも結界をはって僕が地面で汚れないようにしてくれてたことに気がついた。


「なんでしょうご主人様?」


「えっと........さっそくだけど、ギルドの依頼していいかな?」


「ええ、もちろんですご主人様ですが少々お待ちくださいませ外側の『メス』を私が先に排除します」


「メス?」


「...... ッ!」


その瞬間、僕が周りを確認しようとする前には、何匹かのゴブリンが血を出して倒れていた。

胸を隠してるあたり、メスなのだろう。


「アイアさん.....?」


アイアさんを見ても一歩も動いていない、動いた気配すら窺えない。


「これで安心です、はぁご主人様がオスと私を守るために.......はわぁぁ逞しいですぅ」


相変わらず正座をして、手を頬に当てて照れている。

僕のメイドさんは、メスが苦手だ。

アイアさんの前では気をつけないと...そう思った。


一様僕だって魔法の才能はあるから、アイアさんが結界を解いてくれて楽々と討伐することができた。


「ご主人様カッコいいです!ご主人様最強です!

私もご主人様に魔法をかけられたいですぅ!」


本当にかけてあげようかなぁと思うくらいアイアさんがうるさかったけどどうにかできたよ。


帰りもアイアさんとギルドの受付嬢さんがギクシャクしていた。















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専属メイドさんたちに冒険者ライフをヌルゲーにされた話 鯵の閉まり @ajikou

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