第2話

「次のものここへ」

メガネをかけた髪の長いお姉さんが魔法試験の監督のようだ

僕は次か次かと焦りながら並んでいる


合格できるかなぁ、合格できますよ!ってアイアさんに言われたけど不安だ

もちろんこれまで座学も実技も満点に近い高い点数を叩き出して常に上位0.1%のTOPというクラスには入れるくらいにはいる

いるんだけど、不安なもんは不安だ


「何をぼーっとしているのですか次ですよ」

「あ、はい!」


考え事をたくさんしていたら、そのお姉さんから少し怒られた


部屋の中に入ると


でかでかとしたガラスの中に綺麗な魔法石が入っている

ガラスに手を当ててガラスで魔法式の性格さを認識して魔法石で威力を調べるというものだ。


「ではガラスに書いてある手形のところに手を置いてください」


「はい」

僕は言われたまま手を置く


「準備はいいですか?」

さっきまで緊張していたが、試験は始まっているので気を引き締めて全ての神経を手に集中させる


「では、1番得意と思う魔法を唱えてください」


1番得意な....僕の1番得意なのは


得意ではないがアイアさんの魔法はすごいと思う

敵に魔法式を見せずに魔法を唱えることができる

だから僕のところに瞬間移動してきたようにみえたりするそんな魔法がすごいと思うし真似しても全然使えない


まず、時空系の魔法なんて学校で習わないしあの勇者と共に魔竜を倒した魔法使いだってひとつしか使えなかったという


アイアさんってなにもの.....

アイアさんのことを考えてると、今すぐにでも襲われそうな感覚になって寒気が走った。


<<屋敷>>

「はっくしゅん、これは....ご主人様が私で妄想しているに違いありませんわ!」

「それはない」

「なんでよ!」

「カズハ様は私が大好きだもの」

「それこそないわよ」

「なんでよ!」

「んんんーーーー」

お互い睨み合ってカズハを取り合っていた



ダメダメ!集中しなきゃ


「すぅぅー」


深呼吸して集中する

手に神経を集め

僕が1番得意な系統、氷だ


まず水をイメージする

水の音、水の軽さ、水の触りごこち、これを素早くイメージする

そして、魔法を発動する前に

寒気という応用のイメージをする

極寒の中にいるような、そんな感じ

あとは発動させるだけ、発動は簡単でその人に当たる感じをイメージするだけだ

だから魔法石にこの氷が当たるのをイメージする

「すぅー、はっ」


TOPの子らはだいたい無詠唱で魔法を発動させることができる。そういう人たちは技術でTOPを勝ち取る

もちろん、座学でTOPを勝ち取ってい人もいる

だけど技術が大半だ僕は両方を文武両道の如く満点を取っているのでここにいる

 

少し力みすぎて力が入ったのか、魔法石に傷が入ってしまった。

「すごいですね、魔法石に少しの傷を入れたのはあなたが初めてです、しかも氷なんて数年に一回ですし」


よしっお姉さんに褒めてもらったし、十分だろう


本試験は残酷なところもあって

試験の点数が魔法で計算され合否がすぐに決まる

なので試験が終わった時にはそれが出ているということだ


「カズハ3028です」


名前と試験番号を受付の人に言う


「はい、かしこまりましたカズハ様3028ですね?

こちらです」


水色の髪でとても白が似合っていて可愛らしい人だったまさにこれが純白というのだろう


「確認はご自宅でお願いいたします、まだ試験を受けていらっしゃる方はたくさんいるので」


「わかりました、ありがとうございます!」

僕は笑み一つだけを残して帰った


「あの子....可愛いぃ」

彼の背中に向かって受付の人はニヤニヤしていた



「「おかえりなさいませご主人様」」


帰ると必ずメイドさんが15人ほど並んでいる

昔お使い行った時もすぐに帰ってきたのに並んでいた。好きなことしてていいのにと思っているんだけど、聞いてみたら「好きなことはご主人様のお世話なので」と言っていた...


「それで!ご主人様....結果はっ」


「ふっふっ」

キラキラとした目で見てきたので僕も調子に乗ってみた


「まだ僕も知らないんだけどここに入ってるんだけど見る?」


「あの.....」


奥の方に並んでいたメイドさん

確かぁ............ユカリさんだったかな


このメイドさんは奴隷として捕まえられそうになったところを助けた

まぁお金出しただけだけど...


けど、お金出しただけなんだけど次の日から忠誠心が高いのかメイドになることを志願してきた

お父さんお母さんに捨てられたらしく行く当てがないなら客人として迎えるよ?と言ったらお金はいらないのであなたに仕えたいです!と言ってきた、さすがにブラックじゃないのでしっかり給料ありでやってもらっている


アイアさんとか、って.....僕がお金払ってるわけじゃなかった、そうだ僕はアイアさんのヒモだった


アイアさんから超がつくほどの大金をご自由にお使いくださいと言われ渡されてから遠慮ガチに使っている


とそんなこんなでユカリさんのことだった


「なに?」

ユカリさんはなにか申し訳なさそうに口を開いた


「あの....私ごときがご主人様の大事なものを拝借するなどあつかましいことは承知なのですが..私も見たいなと思いまして.........」


体を縮こまして、とても弱気だ。

そんなに、下からじゃなくてもいいのにと思ってしまう

とにかく、見たいらしいので


「う、うんいいよ」


「あ、ありがとうございます!」


そのなんとも言われようのない言い方をされたら

当たり前じゃないかとか言いにくかった


別にそう言う畏まった言い方はしなくてもいいんだけどな..普通にみんなの好きなようにしてくれたらいいんだけどまぁいずれそうなれたらいいなくらいでいることにしよう


「では、ご主人様こちらへ」


リビングという、みんなの共有の大きな部屋にきた


僕はゴクッと唾を飲み込んで封筒を開けた


「カズハ様 3028 本試験より.............

........

.........合格」


「やりましたね!ご主人様!大好きです♡」


アイアさんがやりました!って言って抱きついてくる

うぅーアイアさんのお腹柔らかいスリムなのにカチカチじゃなくてぷにぷにしてるのすごい。


「やった....これで冒険者になれるんだね」

ずっと冒険者になって魔物とか敵を倒してみたかった

自分の魔法がどれくらいなのか知りたかった

学校では何回と魔物を倒しているがチームワークなのでよく分からなかった


「ご主人様、ご主人様?」

アイアさんが後ろから抱きついてきて僕の横から顔を出す


「ここに、優秀賞と書いてますよね」

通知書を見れば、右下に優秀賞と書いてあった


「書いてあるね」


「学校の創設者が設立した冒険者に行けば、装備などがタダになると聞きましたよ?」


「ほんと?やったー!アイアさんありがと」


「はいっお役に立てて光栄です」


「って、近い近い!」


横をに首を振れば、アイアさんに直撃するくらい近かったのでびっくりしてしまった


「ふぅー、よしっ明日冒険者ギルドに行こう」


「私も行きます!」

アイアさんはどっちかっていうとどうやってなるのかよくわからないので来て欲しい


「ユカリさんもくる?」

ユカリさんにそう投げかけるとぴくっと肩を震えさせて

「わ、私はいいです恐れ多いので」


「分かったユカリさんも来たくなったら言ってね?」


やっぱり畏まっている

僕そんなに怖いかな?

ここは改善点だなぁ


よしっ明日から頑張ろ!











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