第1話

〜4年後〜


「カズハ様、カズハ様起きてください朝ですよ」


美少女の鈴の様な声に眠りから目が覚めた


「んーー、おはよう」


「おはようございますカズハ様」


ニコッと笑顔で答えたピンク髪のメイドさんはケレスさんだ


「今日はゼントラル王立学園の卒業試験日ですね!頑張ってくださいねカズハ様。私も僭越ながら応援のキスをさせていただきますぅ〜」


むぅーと口を尖らせながら近づいてくる


「やだぁ〜!」


僕は恥ずかしくてパジャマのまま逃げてしまった


「なんと!?この私がカズハ様に拒否されましたぁ....シクシク、こんなのでは生きていけません。はぁ〜カズハ様ぁ〜もっと私に甘えてくださったらいっぱいご奉仕しますのにぃ」


ケレスは僕が4年前目覚めた時にいたメイドさんの1人でアイアと一緒でカズハのことが大好きすぎて、変態の度を余裕で超えている。


「うぅー」


ケレスさんのキス顔が可愛くて照れてしまった。

撲も4年前と比べて、だいぶ表情に色がついてきたと思っている。これもみんなのおかげかもしれない。


ケレスさんのあの顔を頭に浮かべながら逃げていると


「んっ♡」


「むっ!」


誰かにぶつかってしまった


「あら、ご主人様おはようございますそれにしてもご主人様は朝から大胆ですね♡」


「ご、ごめん!むっ!」


離れようとするとそれに抗う様にアイアさんにこれでもかと抱きしめられて離してくれない。


だけど洗濯したてなのか、洗濯ののりのいい匂いをしたメイド服とアイアさんの果物の様な甘い匂いにずっとこうしていたくもなった


「だめですよぉ離しませんっ朝からご主人様と触れ合えるなんて至高の極みですからね、すぅーーー」


なんか僕の頭吸ってるんですけど?


「ふぅ〜ご主人様成分は絶品ですね〜」


僕の成分て食べ物なの?

もしくは、アイアさんの顔を伺うに危険な薬物なのかもしれない。

それにしても、はぁ...はぁ....と荒くなったアイアさんの息遣いが生々しくて思春期の僕にとってはつい反応してしまうものだ。


「あらご主人様.......逞しいですねぇ」



僕のソレを見ると餌を与える前の腹が減った犬のような、期待をした顔ものすごく怖い


「それにしてもお着替えはまだのようですが?...」


「あー、ケレスさんに襲われそうになったから」


「なんですって?!ケレスったらご主人様をネトルなんて許せないわ!」


「アイアさんと付き合った覚えないんだけど」


「そうですもんね!私たち結婚してますもんねぇ〜」


また抱きついてきた

僕の腕がアイアさんの豊かな胸に挟まれて少し恥ずかしい

こんな綺麗な女性に好意を抱かれるのは慣れても恥ずかしいものは恥ずかしい


「では着替えにいきましょうか」


「ひ、1人でできるから!」


僕はそのまま自室に戻ってケレスさんとアイアさんがいないか警戒してから着替えることにした

度々あるのだ、布団の中にいたりタンスの中にケレスさんたちがいることが。

見つけたときは寿命が縮んだことを確信してしまうほどドキッとびっくりしてしまった。

そんな、昔の話を思い出しながら油断していると。


「では、脱ぎ脱ぎしましょうねー♪」


「ひっ」


誰もいなかったのに何故か前に立って僕のズボンをずらしてくるアイアさんがいた。


「空間系の魔法を使っているのでまるで透明化した様に使えることができるのですよぉ実際は背景と同化してるだけなので私に触ることはできますけどね」


反抗しようとした時にはもう遅かった、そこには新しいズボンを履いている自分がいた。


「って、1人できるのにぃ」


はぁ、頬が熱い


「ご、ご主人様そんな顔しないで.......ください...はぁ...はぁ...今すぐにでも襲ってしまいそうです」


「やめてやめて!学校行けなくなるからしかも今日卒業試験だから」


「時間..なんて私が...止めますから..ご主人様...我が身とても我慢できません」


アイアさんが目を瞑り魔法を発動させようと意識した瞬間に


「ちょっとぉ時間止めないでよ〜」


ケレスさんが入ってきた


「あっ!ケレスねなんで私の魔法を跳ね返したのよ!」


「カズハ様が私とシたいと、アイアとはシたくないって顔に書いてるからよ」


「そんなことないわよ!さぁご主人様?こんなメス豚はほっといて私とシましょう?」


アイアさんは僕に向かって両手を差し出して艶々しい声で誘ってくる。雪のような白い肌に目がいってしまいそうだ。

僕は無意識にも近づこうとすると


「えっ!?」

その瞬間アイアさんの手が青く光った。

そのことに驚いた僕は目を瞑ってしまった


痛いのがくるぅぅ


......あれ?こないなぁ

恐る恐る目を開けると


「ご主人様もう目を開けても大丈夫ですよ」


いつのまにかテーブルを目の間に僕はポツンと座っていた。

テーブルに朝食と思われると料理が豪華に並んでいた。

その後ろに、困っている僕をこれでもかと蕩けた目で見ているアイアさん


「アイアさん.....なにしたの?」


「?あぁ主人様に触れた瞬間にここにワープしてきただけですよ、ワープした瞬間に時間を止めて朝食を作らさせていただきました.......も、もちろんご主人様を襲ったりしてませんよ?メイドの規約としてご主人様から襲われるときしかいたしてはいけないという掟がありますから」

いや、さっき獲物を捉えた顔してたよ?!しかも我慢できないとか言ってたし!


「よ、よく分からないけど冷めたらいけないから食べていいかな?とってもお腹空いてて」


とりあえず、アイアさんの顔が僕を狙っていたので気をそらすために言ってみた

グゥーとお腹から音が鳴る。お腹が空いたのは本当だ。


「はい、どうぞ私と思って食べてください」


「いや、アイアさんと思って食べはしないけどいただきます」


外を出て、外界の食事を楽しんだ時その料理とアイアさん、ケレスさんそして他のメイドさんの料理と比べるとその料理はかなり劣ってしまうものだった。だけどそのお店は決して貧相なところでもないしなんなら高級という名が相応しいところだった、そう思うと僕は相当豪華な食事をしているのだろうと思った。


「うん、美味しいよ!」


「ありがとうございます、私も私の一部がご主人様の一部と交わっていると思うととても興奮を抑えきれません」

頬に手を当てて顔を真っ赤にしている。


そうだ言うことがあった


「アイアさん食べながらになるけどちょっといい?」


「は、はいもちろんですなんなりと」


「僕、卒業試験受かったら冒険者になろうと思うんだけど」


「そうですか...前からおっしゃってましたし」

アイアさんが少し残念そうな顔をした


「ご主人様のご意向を否定するつもりはありませんが、私も連れてってくださいませんか?ご主人様にもしものことがあると心配で...心配で」


俯いて胸を締め付けているのがわかる


確かに、アイアさんは僕の保護者みたいなものだし僕も死ぬのは嫌だし........


「だ、大丈夫だよそんな危険なクエストは受けるつもりはないよ」


「それでもです!....あ...す、すいません大きな声で

それでもご主人様がいないと頭がおかしくなりそうですしご主人様のことを考えすぎてなにもできなくなると思います」


すごい圧力で懇願された


「わ、わかったよ、アイアさんがそこまで言うなら来てもいいよ」


「ほ、本当ですか!」

ぱぁっと顔を開花させた


「うん」


「ご主人様は優しいです」


「アイアさんにはいつもお世話されてるから」


「いえいえ、私が、私たちが好きでやっていることですので、んっ♡大丈夫ですよ」


僕の頬についた食べかすをとってそれを口の中に入れて頬を染めている


「よしっ、じゃあ行ってくるね」


気を紛らわすように、準備して玄関に行くとメイドさんたちが縦に並んでいる


「やっぱり慣れないなぁー」


「「「行ってらっしゃいませご主人様」」」


「ご主人様頑張ってくださいね」

アイアさんが応援してくれた


「うん!行ってきます」


そして僕は学校へ行った
















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