第5話

明かりがいくつか近づいて来る。

どうやら、車のようで、三台いる。

一士は隠れようとしたが、もう、遅い。

車は止まり、一番前の車から、武器を持った兵士らしい男たちが降りて来て、三人の子供を取り囲んだ。

「何処へ、行く!」

ハイリーが唸っている。

「おい、静かにさせろ」

小柄な兵士が銃をハイリに向けた。

雅やが、

「だめ!」

と、ハイリを抱き締めた。

「何があったの!」

一士が訊いた。

「黙れ!乗せろ・・・」

真ん中に乗っている車には、頭が大きくて、体の丸っこくでかい男が乗っていて、でかい声で怒鳴った。

一士、雅やと君代は、最後の車両に乗せられた。

「何処へ、連れて行かれるのかしら?」

君代は怯えている。

「分からないよ。この星で何が起こったのかさえ分からないのに・・・」

みんなが銃を持ち、何かを探しているように見えた。

「何をしようとしているのかな?」

雅やは興味深そうに、彼らの動きを観察している。それにしても、多くの死体がある。ただ、不思議なことにバラバラになってしまった死体は一つもなかった。

やがて、とてつもなく大きな建物が見えて来た。

「見て!」

君代が意外と落ち着いている。

三人はまだ未成年だけど、いろいろな情報はタブレットで得ていたから、それなりの知識はあったが、今初めて眼にする巨大な建築物だった。

それは・・・

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