第7話


父が先に領地に帰ってから1週間が経過した。

この一週間は魔力を増やすために植物魔法を使いまくって魔力が少なくなったら植物魔法で作り出した魔力を回復する効果のある白いりんごを食べて魔力が回復したらまた少なくなるまで植物魔法を使うの繰り返す日々だった。


効率よく魔力が増えていたので上昇も打ち止めになるかなと思っていたがまだ上昇を続けている。


護衛に来てくれている騎士の人いわく、既に王城勤務のエリート魔法使いと変わらないぐらいの魔力量らしい。

もしかすると転生者なのが関係あるかも転生ボーナス的な。


結果、質の高い樹液もあっさり作れてしまった。

最終的にリアが相手の感情を読み取ろうとすれば魔眼が発動するといった程度に調整した物を作って本職の人にメガネのレンズとして加工してもらってる。


王城には危険な魔道具の封印用として

今の限界まで質を高めた樹液を納品している。

めちゃくちゃ効果があるらしく作った分全て買い取るからどんどん作ってと言われている。


だったら樹液を作るんじゃなくて、この樹液を出す木を作れば俺が居なくても採集できるよねと思って木を生み出したけど、木から採集する場合周りの魔力量で品質が変わるらしく王都周辺では王城に既に納品しているものの半分ぐらいの質のものしか採集出来なかった。

失敗かと思って伐採しようと思ってたら、それでも十分価値があるので伐採は待ってくださいと宰相が直接屋敷まで来てお願いされてしまったので、なら管理や採集を国でやってくれないかと言ったら次の日には契約書を持って来た。


簡単に説明すると国は毎月俺にいくらかお金を払う変わりに樹液を自由に使えるという契約だった。

金額も結構高くて正直この契約で貰えるお金だけで、一生遊んで暮らせると思う。

やらないけど。


王都に残った目的も無事達成できたし、今日はリアも忙しくて会いに行けないと言われているので1週間ずっと何かしらしてたので丁度いいし何もせずダラダラしようって事になったので庭の椅子に腰掛けてぼーっと日光浴していた。


「なんで10歳の坊主が当主を息子に譲った貴族みたいな顔してるんだよ。まじでオッサンみたいだぞ」


「純新無垢な10歳の少年に向かってジジイだなんて酷い」


ダラダラしていた俺に話しかけてきたのは王城から護衛として来てくれている騎士のバルカン。

思った事をはっきり言うタイプて腹芸なんて全く出来なく逆に信用出来るという理由でこの人に決まったらしい。

やるべき事はバッチリこなすし、ザ騎士みたいなお堅い人より気を使う必要がなくて楽だから気にしてないけど。


「ほんとに純新無垢なやつは自分で純新無垢って言わねえよ。それといつでも動けるようにしといてくれ、なんか空気がピリピリしてきてる」


野生の勘なのか分からないけど、バルカンがこういう事を言った時は大体当たるんだよな〜。

ひとまずすぐに動けるようしておこうと思い

椅子から立ち上がったら王都全体を囲む大きな城壁の東から黄色の狼煙が上がって来てるのが見えた。


「あの狼煙なんの合図ですか?」


「魔物の襲撃を知らせる合図だ。で俺たちはどうする?俺はベルテの坊主の護衛だからな、坊主の指示どうりにするぜ。オススメは王城に保護してもらうことだな。坊主なら確実に中に入れてくれるだろう」


「せっかくだから城壁に行って排除の手伝いをしよう。今後の為に少しでも功績が欲しい」


「理由はわかるが、わざわざ戦闘で功績をあげる必要は無いだろう。新素材やら果物で稼いでるわけだし」


「それだと安全なところで金を荒稼ぎしてるとか言われそうじゃん。だから言われる前に戦っておこうかなって。ちゃんと作戦はあるし無理そうだったらすぐに引くよ」


「戦いに参加したらしたで植物魔法使いの癖に戦場に出てきて邪魔をしたって言われると思うぞ」


「そんな事言えないぐらい派手にやるつもりだから大丈夫」


「逆に怖いんだが…。これ以上は時間が勿体ない早く現場に向かうぞ!」


馬で行くのかと思ったらバルカンに持ち上げられて脇に抱えられた。


「バルカンまさかこのまま行くとか言わないよね?」


「坊主に合わせて移動してたら時間がかかるからな喋ると舌噛むぞ?」


確かに馬より早いし俺が走って着いていくっていうのも無理なのはわかるけど、馬車より揺れる!喋ったら絶対舌噛むから文句も言えねぇ!

ただ早いのは確かなので結構な距離がある筈なのにもう東門が見えてる。城壁は既に来るれているところもある。


「あれは下位竜の飛竜タイプだな。下位とはいえワイバーンとかの亜竜種と違ってれっきとした竜種だ基本群れたりしないはずなんだが10匹もいるな」


そこまで言ってバルカンが立ち止まった。


「今なら引き返せるがどうする?」


「引かないよ!そのまま突っ込んで!」


「ならこっからは自分で走れ!俺は先に行ってる」


バルカンが下位竜達に突っ込んで行って

飛ぶ斬撃で攻撃してる。

放出系の魔法は苦手って言ってたからどうするんだろうって思ってたけど斬撃って飛ばせるんだ正直初めて見た。

異世界ならそうゆうのあるのかな?って思ってたけどやってる人見たことないからできないのかと思ってた。


あっ!一体斬撃で翼を斬られて落下してる。


急いで行かないとバルカンが全部倒しちゃいそう。

急いで下位竜のところに向かうのだった。


読んでいただきありがとうございます。






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