第6話
「突然申し訳ございません国王陛下、私に発言をお許しいただけないでしょうか」
「そんなに固くならなくて大丈夫だよ。
君はベルテ君だね?どうしたのかな?」
国王陛下と父が納得してくれるかは分からないけど今考えてる事を聞いてもらおう。
「今のところ私は父が帰った後も1ヶ月だけ王都に残りたいと考えています」
「それはどうしてだい?」
「実はさっきまでリア王女殿下の魔眼を抑えることができる物を植物魔法で作れないか実験していたんです。結果、気持ち程度ではありますが魔眼の効果を抑えることができる物が完成して今度はもっと魔眼を抑えられるようにする実験をしたいんです」
「それは本当かい!どれだけ探しても方法は見つからなかったのに」
「本当です。お父様しかもこのペラペラな透明な板でです」
「その板で!ベルテ君疑うようで悪いんだけど護衛としてついてきてるケルトは鑑定眼を持っているから、その板を鑑定させて貰えないかな?」
「勿論です」
鑑定結果俺も気になるし。
護衛の人がリアの持っている板を見て驚いた顔をしながらこれがあれば…って言ってる。
「確かにこの板の素材は魔眼を抑えることが可能です。素材の品質が上がればその効果も上がるようです」
おお!品質が上がればしっかり効果も上がるみたい今1番知りたかった情報だ!
やっぱり鑑定してもらって正解だった。
「おお!どんなに探しても見つからなかったリアの魔眼を抑える方法が本当に…。アルバ私からも頼む1ヶ月だけでいい、王都に残って板の素材の研究するのを、認めてあげてくれないか」
一瞬で陛下がこちら側になったな。
父としては陛下にお願いされちゃ断れないだろうし決定だな。
「ベルテはそれでいいんだね?1人だと帰るのだって大変だよ」
「そこは冒険者でも雇おうかなって、植物魔法で稼いでランクが高くて性格が良さそうな人を探して雇うなら大丈夫だと思うし」
「確かにそれなら大丈夫かな。ちゃんと考えてるみたいだし許可するよ」
「アルバ無理を言ってしまってすまない。
ベルテ君が帰る時は騎士を護衛としてつけよう」
「流石にそれは申し訳ないです!
自分で残りたいって言った訳ですし」
「いや、私もそれに賛成です。帰ったら直ぐに信頼出来る騎士を集めておきます。
帰りだけとはいわず王都にいる間も護衛として派遣致します」
断るつもりが王都にいる間も護衛してくれるって好待遇過ぎてちょっと怖い。
「それだけこの素材には価値があるということです。勿論それを作り出したベルテ殿にも」
そこまでかな?確かに今まで無かった素材なんだろうけど。
「この素材は魔力を遮断する事によって魔眼を抑えることができるわけですが、世の中には近づくだけで人を狂わせる魔力を発する呪いの道具みたいな物がそこそこあります。
この板を箱にして中にそういった道具を入れるだけで管理が格段に安全になります。それ以外にも転移魔法での侵入も防げるでしょう」
思ってた以上に使い道が有るみたい。魔眼の事しか頭になかったけど、魔力を遮断する素材なんてそれこそ使い道が沢山あるに決まってるか。
その分狙われる訳だけど。
騎士の人が護衛に着いて貰わないと危ないかがする。
「護衛のお話ぜひお願いします」
「当然です。辺境伯が帰る前に屋敷へと向かわせます」
「私の方からもスムーズに事が進むよう帰って調整しておこう。リア今日はもう帰るよ。1ヶ月残ってくれることになったんだから期間内ならいつでも会えるんだから」
「分かりました。ベルまた明日ね!」
明日すぐに会いに来るつもりみたいだけど、王女様ってそんな簡単に出歩けるのかな?
まあ無理に会いに来たりはしないだろう多分…。
「社交界に国王陛下と王女殿下が来られたこと自体驚きだったのに、まさかこんな事になるとは流石に想像できないよ」
「自分自身なんでこうなったかよくわかんないです」
「まぁベルテなら問題なくやって行けるだろうけど、ベルテは平民になって自由に暮らしたいってずっと言ってたのに良かったの?
王女殿下と結婚したいなら真逆の暮らしだよ?王家の方と結婚するんだから派閥争いに確実に巻き込まれるし貴族の付き合いも沢山こなさなくちゃ行けなくなる。正直、家の家督を継ぐ以上に貴族の厄介事は多いはずだよ」
「その通りなんだけど。リアが他の男と結婚するってなるよりは少なくとも100倍ましだよ。それにスローライフを諦めた訳じゃないし」
植物魔法を活かして未到達領域を開拓して領地として認めてもらうとか。
当然未開拓領域が王都の近くにある訳ないので遠いし領地の発展で忙しいって理由で王都に行く回数は減らせるだろう。
ほかの貴族が文句言えないぐらい目に見える形で発展させなきゃダメだろうけど。
植物魔法があればなんとかなる気はする。
「そっかちゃんと理解して覚悟を決めてるならこれ以上は聞かないよ。無茶だけはしちゃだめだよ」
「無茶して失敗したら意味ないですから。
一気に進もうとせず一歩づつ確実にやっていきますよ」
でも、貴族とはいえ次男で家督を継がないので普通王族と結婚なんて無理なので独立して自ら貴族にならなきゃダメだし、爵位も低くちゃ意味が無い。
この世界の貴族は魔法適正がわかる10歳になってから相手を決めることが殆どだから
約2年の猶予があるけど絶対では無いので
最低でも1年以内に子爵にはなっていたい。
やっぱり多少は無茶しなきゃダメかなと今後の方針を考えつつ思うのだった。
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます