第3話
「ジャムに加工した物を売るとかなら気にならないんじゃないですか」
「確かに見た目の問題は無くなるね。でも砂糖が大量に必要だったり、加工するのに人を雇う人件費がかかったりで、イチゴをそのまま売るより手間がかかっちゃうから、それをベルテがどう捉えるかだね。」
ジャムは問題なく売れるだろうけど、加工品だから勿論値段は上げるけどそれでも俺自身に入ってくるお金は減る可能性が有るか。
「いっその事、植物魔法で種を無くしたイチゴを作っちゃうか」
出来るか分からないけど、これが出来れば見た目問題は一気に解決すると思う。
種から他の場所でイチゴを栽培される心配も無くなるし。
「出来るならそれが一番かもね。実際出来るのそんな事」
「植物魔法を使えるようになったばかりなので絶対とは言えないけど多分可能です」
「それならベルテが自由にやってごらん、お金がかかってるわけじゃないし」
「分かりました。頑張ってみます!」
種無しに出来るならイチゴ以外にも応用できるし、早い段階で出来るようになりたいな。
「丁度いい時間だ。じゃあ社交界に行こうか」
「分かりました父上」
父と一緒に馬車に乗り公爵家の屋敷まで移動する。
流石公爵家の屋敷家の屋敷の数倍のサイズがある。
「凄い立派な御屋敷ですね父上」
「そうだね。大きいだけでなく、しっかりと考えられた造りをしてるし、手入れも行き渡っている」
門のところで父が招待状を渡して中へと進む馬車を降りて屋敷の中に入った。
「ここからは別行動だ。同年代の子と仲良くするんだよ」
会場に入ったら魔力も引っ込めて空気に徹しよう。
時間は短いって言ってたしそうしてたら特に絡まれることなくすぐに帰れるだろう。
会場に入ってしばらくするとディライト公爵が出てきて一言話し本格的に社交界がスタートしたらしい。
早くもいくつかの集団ができて子供同士話し合ってる。
10歳になって鑑定の儀を受けなきゃ魔法は使えないけど魔力制御を鍛えることは出来たので、生まれてからずっと魔力制御をして鍛えてきた。
結果H〇Hの絶的なことができるようになった。
本当に絶そっくりな感じだからあくまで気配を薄くするだけだけだからバレる時は普通にバレるし既に認識されてたら使っても意味が無い。
今回は俺のことを気にしてる人もいないと思うしこのまま端で空気に徹していれば問題ないはず。
「お兄さんはお話する会に出てるのになんでこんな端っこにいるの?」
一瞬でバレた。
「いや〜話すのが苦手でね。だから端っこで大人しくしてたんだ」
「そうなの?みんなお兄ちゃんの事探してるのに」
えっ!いきなり何言ってるのこの子?
「みんな植物魔法が使えるお兄ちゃんの事探してたよ?」
ひょっとしてこの子ヤバい子なのでは?
「やっぱりこれじゃ警戒されちゃうか。
別に怪しい人じゃないよ。私この国の王女様リア・ヴィオレティ宜しくねベルテお兄ちゃん」
怪しい人じゃなくて王女様だった。でも確か
リア王女って確か8歳だった気がする。
「どうしたの?ベルテお兄ちゃん。あ〜なんで8歳の私がここに居るのか不思議に思ったんでしょ?」
「その通りだけど理由教えてくれるの?」
前々から来ることが決まっていれば父が王女様が来るって教えてくれてた筈。
だから多分王女様は直前になって来る事になったと思うんだよね。
「別に良いよ!植物魔法が見てみたかっただけだもん!私果物食べたい」
「王女様の為なら可能な限りお出し致します。どのような果物をご所望でしょうか?」
「なんでいきなり堅苦しい感じになっちゃうのもっと子供同士が話す感じで話そうよ」
「王女様に対してそんな事恐れ多いのでどうかお許しください。誰が聞いてるかも分からない訳ですし」
王女本人が良いって言っても周りが不敬だ!とか騒ぎ出したらどうしようもないし、そうなった場合、俺だけじゃなくて家族全体に被害が及ぶから気をつけないと、ちょっと可哀想な気もするけど。
「私の周りに人なんて寄ってこないから大丈夫だよ。みんな私の目を怖がるから」
「目を怖がる?」
「そう、私の目は相手を見るだけで今どんな感情を抱いているか分かっちゃうの、それをみんな怖がって私には近づいて来ないの」
成程、魔眼持ちか魔眼は魔法と違って生まれた時から使える能力だから8歳でも使えちゃうのか。
それにしても感情が見えるか、大変そうだな。見たくもない奴の感情とか見えちゃうんでしょ?多分。効果のオンオフとか出来れば良いんだろうけど。こういう効果の魔眼って
常時発動型の事が多いらしいし。
「大変そうか…。」
「王女様がどれ程苦労しているか同じ魔眼を持ってない私には真に理解することは出来ませんが、確かに大変そうだなって思いました」
怒らせちゃったかな?こういうのってすごいデリケートな部分だろうし。
「怒って無いから心配しないで、家族以外で本気で大変そうって思ってくれる人が初めてだから驚いちゃったの」
「別に感情を読み取れるぐらいで、何を考えてるかまで読み取れる訳じゃないんだからそこ迄気にするものじゃないと思うんだけどね」
「抱いてる感情的に本気でそう思ってそうだね。決めた!私ベルテお兄ちゃんのお嫁さんになる!」
王女様の爆弾発言によって頭の中が真っ白になった。
読んでいただきありがとうございます。
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