第30話 『アルゲティ親衛騎士団』
少し経ち『ペテルギウス聖騎士団』が再び会議室に集められた。
「皆改めて集まってくれて感謝する。さて、今回の『十二座集』の二か所同時襲撃の対策についてのチーム分けだが。『アルゲティ親衛騎士団』の団長、ヘラクレスさんに協力を頼んだところ快く引き受けてくれた。」
オリオンがドアの方を見るとそこから金髪のロングヘア―をさらさらと揺らし美形の男が部屋に入ってくる。
「やぁやぁ『ペテルギウス聖騎士団』の皆さんよーろしく。今回の作戦のお手伝いにきた『アルゲティ親衛騎士団』の団長のヘラクレスだぁよ。」
「ヘラクレスさん今回の作戦の協力感謝する。」
「いいよいいよぉ、もとより『アルゲティ親衛騎士団』のお仕事は女王さまをお守りすることだぁしね。
女王さまを守るって建前でもっと気軽に頼ってくれて構わなぁいよ。」
オリオンがお辞儀をするのを爽やかな笑顔でそう返したヘラクレスはふと、ケフェウスとアンドロメダを見ると急にアンドロメダの元に駆け寄る。
「君が噂のコストレ村のお嬢さんだぁね?よーろしくね美人のお嬢さん。」
ヘラクレスは唐突にアンドロメダの腕をとって握手をする。アンドロメダは戸惑いながら、「は、はぁ、よろしくお願いします…」と返す。
「ヘラクレスさん…だっけ?急にメダにナンパするのはやめてください。」
そういってヘラクレスを睨むケフェウスを見て男はアンドロメダの手を放しオーバーに怖がる態度をする。
「こぉわいねぇ。ケフロスくん、そんな怖い顔をしてるとモテないよぉ。」
その答えにケフェウスは「ケフェウスです。」と改めて睨む。
その二人の態度に呆れつつオリオンが口を開く。
「話を進めてもいいかな?
今回のチーム分けだが私とタビト、それと『アルゲティ親衛騎士団』の皆さんが『シェダル』の防衛、残りの『ペテルギウス聖騎士団』は『エルナト』に向かってくれ、指揮はベラトリクスに任せる。」
それを聞いてベラトリクスは後頭部に手を当てたまま「ふーんアタシでいいの?」と聞く。
オリオンはそれに「ああ、お前だから頼めるんだ。頼めるな?」と答える。
「あいよ。指揮するのが面倒だからちゃちゃっと敵大将の首を取りに行っちまうかもだがな」
ベラトリクスはがははと笑いながら答える。
それを見て「騒がしい子だね…」とつぶやくヘラクレス。
それに「ベラトリクスさんは好みじゃないのか?」というケフェウスにヘラクレスは答える。
「もっとおしとやかで静かな女性のが好みだぁね。」
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シルクハットの男が紅茶の準備をしていた。その後ろから黒髪の少女が現れ口を開く。
「さっき、キャンサーの部下から連絡がきたよ。キャンサーが出発したってさ。」
シルクハットの男は振り向きもせず「そうですか。」と言う。
「申し訳ありませんが、貴方からタウルスさんに連絡してくれますか?今私忙しいので。」
黒髪の少女はシルクハットの男を睨みながら言う。
「別にいいけど…紅茶作るのにそんなに真剣になるの?」
「丁寧に作ると美味しいんですよ?完成したら貴方にもお出ししましょうか?」
シルクハットの問いに黒髪の少女は背を向け部屋から出ながら答える。
「いらない。代わりに暖かいミルクをお願い。」
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