第29話 双星の連撃

 アンドロメダはその日以降もステラの協力のもと魔法の練習をしていた。


「ふむ、大分形にはなってきたんじゃないか。基礎の基礎の魔法とはいえその速さで出せるようになったなら魔法で生活できるぐらいにはなっただろう。

 魔力の放出もなかなかだしな。」


「ありがとうございます。ステラさんのおかげです。」


 お辞儀をするアンドロメダにステラは照れくさそうに目をそらす。


「む、まぁいい加減古びた本から増加のない図書室の本を読み続けるのも飽きていたしな。たまにはいいかもな教える側になるのも。」


 ステラが目をそらした先のものを見て細めていた目を開く。


「おや?お前に急ぎの来客のようだぞ。」


 それを聞きアンドロメダがステラの見ている方を見る。その先にはこちらに走るケフェウスの姿があった。


「ケフェウス⁉」


「そんなに急いでどうしたんだ?」


 ステラの質問にケフェウスが答える。


「さっき、ポルックスの占いがあって『星神教せいしんきょう』の次の襲撃場所が分かったんだが…

 ちょっと特殊な結果が出たからオリオンさんから全員会議室に集合するように言われたんだ。」


「特殊…?分かった。」


 ケフェウス達は会議室へと急いだ。


 ——————————


「占いの結果がふたつ出たとはどういうことだ?ポルックス。」


 騎士団が会議室にそろうとオリオンがポルックスに問う。ポルックスはそれに首を振って答える。


「分かりません。ふたつです、考えれることは。

 決まってないのです、『星神教徒せいしんきょうと』が襲う場所を。もしくはいるのです、襲う者が複数人。」


「仮に複数人が同時に襲撃する場合を考えて団をふたつに分けた方が良さそうだな。

 ところで襲われる場所はどこなんだ?」


「『エルナト』ですひとつは。残りはここ『シェダル』です。」


 ポルックスのその答えに騎士達は慌て会議室はざわざわと騒がしくなる。


「落ち着け皆、片方がこちら側なら連絡が取りやすいし戦場が分かるならチーム分けも作りやすい。

 早急に『シェダル』防衛側と『エルナト』防衛側のチーム分けを作る。皆は『シェダル』の人達に避難指示をしてくれ!!」


 オリオンのその指示に騎士達は「はっ!」と答え会議室から出ていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る