3話 スイはクールにちゅーをキメるぜ!
すぅ。横で立ち上がろうとする気配がある。
「リコ、行っちゃだめだって」私は腕をつかむ。
「う……でも見たいし……」
「気持ちはわかるけれど、レミが恥ずかしがってんだし」
「そっかぁ、わかった」といいながら……なおもリコは立ち上がろうとする。
「ちょちょちょ、言葉と行動が逆じゃん!?」私はリコの腕にすがりつく。
「身体が……ちゅーをもとめている……」よくわからないことを言いながらリコは私を引きずる勢いで柱の方に歩いていこうとする。
「まってまって……わかった、私がちゅーしてやっから」
「え」リコの身体がぴたりととまり、振り向く。その表情はとってもにやけている。
「まあその……自分の力で問題解いてたし、おまけのごほうび的な?」私はキスをする理由をむりくりひねりだす。
「ぜ、ぜひぜひお願いします!」リコは食い気味に言って、長椅子にもどる。
「う……」
「乙女に二言は無いよね?」私の腕を引っ張り、座らせながら、ささやく。その目はらんらんと、妖しく輝いていた。
「……ああ! わかったよ!! やってやるさ! たかがキスのひとつぐらい、私のくちびるで押し付けてやるさ!!」やけくそになって言い放つ。
「さすがスイ……そういうとこ大好き。じゃあお願いします」リコは目をつむり、身体をわくわくさせる。
うっ……はっずい。リコの両肩に手を置きながら、私はくちびるを軽く噛む。
私からリコにキスすることはあまりない。おねだりされたときとか、キスされまくってお返しにキスをやり返すときぐらいしかしない。
でも、リコがキスしてくるときはやれやれみたいな感じで受け入れながら……内心はとっても嬉しい。
「いつでもいいからね……スイの心の準備ができるまでまつよ」リコはわくわくしつつも、そういってくれる。う、私がはずかしがってるのばれてるなぁ……。
いきなりキスするのも子供っぽい。……そうだ、レミみたいにゆっくり時間をかけよう。
リコの身体を抱き寄せる。背中に手を回し、ぎゅっと抱きしめる。
自分の胸に、柔らかな感触が伝わってくる。やっぱりリコのおっぱいおおきいなぁ……。私の小さい胸が包まれそうだ。
「ぴぃ!?」少しリコは驚いたようで、ひよこみたいな声をだす。
「よしよし」そう私はささやきながら、背中をなでなでする。
「ぴにゃあ……スイおかあちゃん……」ぐにゃん、とリコの身体の力が抜けていく。
「せめておねえちゃんがいいなぁ」ふわふわのリコのロングヘアーを人差し指でくるくるともてあそぶ。
……さて、いつキスしようかな。もっと焦らすか……いや、ささっと、クールにキスするか。私のイメージ的には、後者かなぁ。それもそれで余裕がある大人っぽいし?
首を少し後ろにずらし……くちびるをとん、と重ねる。それと同時にリコの頭の後ろと首の根元をそっと撫でる。
「んにゅにゅ……」リコのふさがれた口からとろけた声が聞こえてくる。無意識なのか、ぎゅっと私の身体を抱きしめ、胸を押し付けてくる。
いち、にぃ、さん。数えてから、口を離す。
とろん……とリコの表情はゆるんでいた。もっとしてほしい、とおねだりしているようでもあった。
「ま、今回のごほうびはこんな感じ……今度はもっと早く解けたらっ」私がクールにそう言いかけてる途中で、リコは後ろに倒れる。
どさっ。長椅子に一緒に倒れる。むにゅうん。リコの胸がクッションがわりとなって私の顔を受け止める。
「……ふぇ?」私はあっけにとられて変な声が出る。
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