第6話 5億年の間に強い巨乳メイド天使に勝つ……ってか、今回、なぜか最終回のノリなんだが。

今日も果心居士とのトレーニングに励んでいる。

その時に興味深いことを聞いた。


「その女性……果たして天使でしょうか?」


「え? 見た目はかわいいし、どう見ても……」


「おかしいんですよね。天使に人間の世話をさせるのかなと。何か裏がありそうなんですよね」


裏かぁ……確かにありそうなんだよなぁ。

水色の髪したあのメイドがいいって言ったのに来たのは性格も容姿もまるで違う。

今となっては情があるから、むしろあの天使でいいと思っている。

でも、神様が俺に彼女を差し向けた理由がわからない。

何か裏があるのは確かなんだけど、神様は答えてくれないだろうし、天使に勝つしかないんだろうな。


俺は術の鍛錬をしてもらった。

で、わかったことが一つある。


果心居士が教えてくれた術はス◯ーウォーズにおけるフォースに近い。

おそらく、異次元の実力の持ち主である天使を惑わすくらいはできるはずだ。


でも、本当に彼女を傷つけていいのか?

それが、俺と彼女の本心なのか?

これは何か違う気がする。

彼女とはどうすれば一番いいんだろう?


気持ちが揺れながらも鍛錬をして、早くも5000年近くが経っていた。


レオニダス、佐々木小次郎、果心居士から教えてもらった武術や幻術を使い、彼女に勝つしかない。

ちょっとだけ……うん、ちょっとだけ痛い目をみてもらうだけなんだ。

わかってくれよ。



俺は彼女に決闘を申し込む。


「いいね。受けて立つよ」


次は違う。


彼女と対峙して、全体を見る……ん? よく見ると、鎖を持っている?


開始のブザーと共に鎖……いや、モーニングスターだ。

あの水色髪の子と同じ武器!?

何を考えているんだ? 俺!

そんなこと、今はどうでもいいだろ?

鉄球が俺の顔面目掛けて高速でやってきている。


……そりゃあ、わかるわけないよな。

完全に視覚から離れたところからやってくるんだ。

ギリギリでかわす。


「へぇ、、、なかなかやるじゃん。5000年は無駄じゃなかったね」


「もう、やめない?」


「え? 私とエッチなことしたくないの?」


「そりゃしたいよ。でもさ、君が傷つく姿は見たくない」


こうなれば、俺の本心を全部伝えよう。


「エッチなこととか、もうどうでもいい。それより5億年間、君と一緒に笑い合いたい」


彼女は泣きそうな顔をして俯いた。


わかってくれたのかな?


いや、次の瞬間、それが絶望に変わる。


「じゃあ、死ね」


笑ってるけど、その笑顔には殺意しかない。

何なんだよ! コイツは!?

やっぱり、果心居士が言ってたようにヤバいのか!?


「ホラ、死ねよ!」


鎖を全力で振り下ろす。


ダメだ! 目で追えるスピードじゃない。

手首を少し返しただけでもギリギリかわせたって感じなのに、全力でやられたら……頭に鉄球を当てられて俺は血まみれになる。


でも、念で少し弱めることができたようで、致命傷にはならなかったけど頭が熱い。

血が噴き出してきて意識は朦朧……ダメだ。彼女に殺される。


天使は目に見えないくらいのすごい速さで俺に近づき、鎖で俺の首を締め始める。



「死ね! 死ね! 死ね!」


気が遠くなっていく……


異世界で死ぬなんて……いやだ……でも、ここにきて……よかった。

好きな人ができて何千年も笑って暮らせた。

幸せだった。

最後にお礼を言わなきゃ……


「あり……がと……う」


最後に一瞬だけ天使の顔を見よう……狂気と殺意の笑み……でも、泣いている。


はは……君も本心では楽しかったんだ。


よかった……


すごく安心したよ。

そしたら、意識がブツっと切れた。

きっと俺……もう死ぬんだ。


果たして、続く……のか!?

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