第165話 従魔集合
次の日。
休みなのもあるけど、みんなが屋敷に集まったので、多くの従魔達も集まった。
まず、僕の従魔となるロスちゃんだ。
まん丸の白い毛がふわふわな子犬で、いつも目が眠たそうにしているが、時折――――特にご飯の時間は目を輝かせていてとても可愛らしい。
得意は誰かの頭の上に付着して眠るのが得意だ。
二匹目は最近従魔となったドラちゃん。
ロスちゃんとは正反対の黒一色の子猫ドラちゃん。
元々ロスちゃんと同じだったこともあり、普段はロスちゃんと同じ眠たそうな目で誰かの頭の上にくっ付いて眠っている。
三匹目は、僕の従魔ではあるけど、アーシャと共に行動をしているイチくんだ。
イタチらしく長い胴体で、いつもアーシャの首に巻かれている。
雷属性の精霊で、いつもアーシャを助けてくれる従魔だ。
すべすべの毛が艶やかで、上品な銀色のマフラーにも見える。
四匹目は、あまり姿を見せないけど、ティナの従魔となっているホーリーウルフのホリちゃん。
すっかり大きくなったホリちゃんは、ちゃん付けで呼ぶに相応しくないけど、ティナとは長年寄り添っているので、未だホリちゃんだ。
真っ白でカッコイイ狼に育っていて、ティナが跨っても全く違和感がないというか、跨るというよりかは乗っかる事になりそうだ。
最近はティナのお父様、バルバロッサ辺境伯様の護衛のために向こうの屋敷に残っている。
今日は久しぶりに屋敷から帰ったティナがついでに連れて来たのだ。
五匹目は、新たに従魔となったレオくん。
レオくんはアレンの専属武装で生まれた従魔で、従魔というよりは精霊に近いそうだ。
その姿は獅子で
とても小さくて、ロスちゃんよりちょっと大きいくらい?
アレン曰く、戦闘モードはホリちゃんよりも大きくなるらしい。
普段はアレンの背中にくっ付いて動いている。
最後は、ぷろちゃん。
元々は黒かったけど、すっかり白くなった小さなドラゴンで、サリーの従魔だ。
他の従魔達とは違い、珍しく人の言葉が話せる。
僕の従魔でもある土の精霊ムーちゃんは人の姿になれるので、言葉を話せるが、岩状態だと話せない。
それを考えるとドラゴンの姿のまま話せるぷろちゃんは凄いと思う。
最近ではロスちゃんの翻訳によく借り出されているみたい。
ティナ達もずっとロスちゃんと話してみたかったようだからね。
僕の周囲の大切な人達を守ってくれている小鳥のコメ達は風の精霊だ。
見えないように消えているので、普段は姿を現さないけど、時折ロスちゃん達の頭の上に乗っていたりする。
この場にはいないけど、巨大な身体を持つクロは大きなワニで、実はとても優しい性格だけど、風貌から恐れられている。
いつも上空で空に乗っているロック鳥こと、ロクは大きな鳥の従魔で、いつも広い背中に乗せてくれる優しい従魔で、目がとてもよくて、遠くの色んな事が見えるので、防衛もやってくれる頼りある従魔だ。
精霊の一人である水の精霊はエビちゃん。
エビは水魔法を使い、ベルン領の多くの水路を開発してくれて、水不足を解決してくれる。
さらに水魔石と繋がりを持っているので、ある程度の範囲なら簡単に水魔石の内包魔力を補充出来るので、定期的に各町の魔石の魔力を補充してくれている。
もう一人の精霊は火の精霊トゲくん。
いつもは鍛冶組のために火の調整を行ってくれる。
鍛冶は火がとても大切らしくて、火の調整には苦労していて、火の魔石を使っているけど、トゲくんが従魔になってからはとてもやりやすいとのことだ。
これからは温水プールのためにもエビと共に働いてくれる頼もしい従魔だ。
最後の従魔は土の精霊ムーちゃん。
本来はただの岩なんだけど、変化能力を持っていて好きな姿に変身出来る。
最近は小さな女の子のメイド姿に変身しているけど、普段はベルン領内の道路舗装工事をよく手伝ってくれる。
今は、戦争で捕虜となったエリシアさんの世話役兼見張りを勤めてくれている。
エリシアさんは不思議な感じがする方で、刀を武器にしていたので、前世の事を思い出させてくれた人だ。
なので、他のフェアレーターの幹部達とは違い、そのまま捕虜として、スロリ街で生活して貰っている。
本人も刀を奪われてからは、すっかり敵意をなくして、普段通りの生活を送っているそうだ。
久しぶりの休日という事もあり、家の前には従魔達が集まり、わちゃわちゃしている。
僕の従魔ではないんだけど、アリアさんも遊びに来てくれて、ガルくんも輪の中に混じっている。
レオくんと仲良いようで、一緒に走って遊んでたりする。
「それにしても壮観だね~」
「そうだな。うちの従魔達も沢山増えたから」
「クラウドには従魔達が寄って来るからね~」
ティナと一緒に従魔達と遊んでいる仲間達を眺める。
ちゃっかり母さんもやって来て、一緒に遊んでいる。
「ん~」
「どうしたの?」
「何か、忘れている気がするんだけど…………」
「従魔?」
「うん。誰か抜けている気がするけど、まあ、いっか」
クラウド達は気付かなかった。
まさかあの従魔がああいう事になるなど、この時は知る由もない。
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