2ウィーク・マンスリーコンタクトレンズ④ 利用はほどほどに
「ま、今のお前らに言えることはこんなもんかな」
「「ありがとうございました!」」
深々と頭を下げる少年少女に、青龍は素っ気なく対応する。
「もう一回言っとくけどなぁ、ちゃんとルールを守れない奴はコンタクトレンズを使ったらダメだからなぁ⁉」
「「はーい」」
「ワンデーと同じで、使用時間はできるだけ短め! 1週間ぶっ通しで使わずに、必ず目を休める日を作れよ?」
新たなコンタクトを付けて、少年少女はキリン眼科を後にした。
「結局優しく教えるんだから~、このこのぉ!」
金髪の院長が肘をぐりぐりと押し付け、青龍は本当に嫌そうにしかめっ面を浮かべる。人のいいお姉さん属性の麒麟は、本当に嫌味なく褒めてくるから鬱陶しい。
「テキトーな使い方してクレーム入れられるのが嫌なだけだよ」
「んもう、照れちゃってかわいい~」
「シバくぞ」
二人を見送り、青龍はいつも通り受付に足を置き読みもしない雑誌を開く。
「また来たら相談乗ってあげてね?」
「ったりめぇだ、それが仕事なんだから」
ぶつくさ言いつつも人間に対して真摯に向き合う。
それが子供なら尚更である。
キリン眼科は今日も暇。悩める人間を待っている。
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