2ウィーク・マンスリーコンタクトレンズ③ 気になるならやってみる
「わかったか? 結局楽を選ぶか値段を選ぶかなんだよ。どっちを選んでも大変な事には変わりねぇ。見やすくするだけなら、眼鏡で十分なんだからな」
水性マジックのキャップを戻し、青龍はため息をつく。
一体何度同じ話をしたことか……その度にぶーぶー文句を言われては黙らせてきたものだが、慣れたものである。
「もー青龍君! せっかくふたりがお話聞いてくれてるのにツンケンしたらダメでしょう~?」
いつのまにか来ていた金髪の院長が三人目の聴講生として座っていた。
「先生!? 診察はどうしたんですか?」
「うふふ……だぁれも来ないからこっちに来ちゃった!」
それはそれでどうなのだろうか。
真横の裕二が顔を赤くしているが、茶化すのは野暮だろう。
「来ちゃったじゃねぇよ」
「でもねぇ、青龍君? 結局どうした方が良いのかちゃんと教えなきゃだめよ~?」
顎に指を当て、困った風を装う院長からはただならぬ威圧感が放たれている。
「そ、そうですね院長殿……まぁとにかく! お前らはワンデーの使い心地を知っているが他は知らないんだろ? なら実際に使ってみてどっちにすれか考えればいい。まずは2ウィークだな」
「え、話の流れからするとワンデーしかダメって感じだと思ってました……」
遥が虚を突かれたようにつぶやく。
例年通りの反応である。
「言ったでしょ~? 青龍君は君達のことちゃんと考えてくれてるのよ~?」
少年少女の頭を撫でながら、麒麟が微笑む。
「そういうこった、んじゃさっさと目の状態見てレンズ選定してやるよ」
◇ ◇ ◇
遥も裕二も、コンタクトの扱いは既に拙さはなかった。
用意した検査用のレンズもスムーズに装着し、確認の検査は難なく終わる。
「なんか、ワンデーと付け心地変わりませんね」
「そりゃそうだ。材質は同じもの選んだんだから」
「これを2週間使えるのか……」
裕二の独り言に、青龍が丁寧に反応する。
「お前ら気を付けろよ、2ウィークは14日間使えるけどケースを空けてから14日間だからな?」
「どういうこと?」
「一つのケースを空けたら、その日から14日目を迎えた時に捨てろってことだ。つまり……」
「着けても着けてなくても14日目で捨てないとダメなんですね!」
「そういうこと!」
※コンタクトはそのレンズカテゴリーごとに使用できる日数が設定されています。勘違いされがちですが、2ウィークコンタクトはレンズを開封した1日目から14日目まで使用が可能です。
万が一それを過ぎた場合は耐久性が損なわれ、付け心地に違和感が出てきたり、目に傷がつきやすかったり病気になりやすくなるなどリスクが多くなります。まだ使える! と個人で判断するのはやめましょう。
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