2ウィーク・マンスリーコンタクトレンズ② 価格
少年少女の来院後も、患者が来ることはなかった。検査室を教室代わりに、青龍は解説を始める。
「そもそもソフトコンタクトレンズってのはいくつかに分類される」
ホワイトボードへ各種項目を記載。
「まず古い順から言えばコンベンショナルレンズ(コンベ)。これは長期間……あ〜1年位の使用を想定したヤツ。次にマンスリー、1ヶ月の使用ができるレンズだ。海外なら3ヶ月タイプもあるが日本ではほぼない。お次に2ウィーク、文字通り2週間使用。少し前までは1ウィークってのもあったな。んで、最後にお前らの使ってる1日使い捨て、ワンデーだ」
長いセリフだと分かりにくいので以下にまとめると。
〇コンベ 約1年使用(任意で破棄)
○マンスリー 1ヶ月使用(開封後30日経過後破棄)
○2ウィーク 14日使用(開封後14日経過後破棄)
○ワンデー 1日使用(目から外した後即破棄)
「約1年ってどういうことですか?」
「そのまんまだ。大体一年くらいで汚れが固着して気になってくるから買い換えろってこった。ちなみに1年間で掛かる相場は……」
裕二の問いに、青龍がボードにペンを走らせる。
得意な事になると饒舌になるのは彼の性質である。
〇コンベ 約6000~20000円
○マンスリー 約20000円
○2ウィーク 約20000円
○ワンデー 約50000~100000円
「基本的に使用可能な期間が長いほど安くなるわけだな」
※筆者の独断と偏見によるものです。詳しくは販売店やネットでご確認ください。
また、商品の性能やネット通販か量販店かなどで大きく異なります。基本的にはネット通販が圧倒的にお財布に優しいです。
「え! じゃあワンデーってめちゃめちゃ高いじゃないですか!」
「それでも
儲けなど度外視だからである。その理由は今回割愛。
「でもでも、ここが安くてもワンデーじゃ割高ってことですよね⁉」
いつになく強気な遥が前に乗り出す。
「それは『衛生面』が一番良いレンズだからだ。毎日新しいレンズってことは、毎日清潔なモノを目に入れられるんだぞ」
「なら、ワンデー以外は同じレンズをずっとつけるんですか?」
「まぁな……誤解のないように言うと、『洗浄液で毎日洗って』使うんだよ」
1日使い捨てレンズ以外は、レンズを外した後ソフトコンタクトレンズ専用の洗浄液で洗い、保存しておく必要がある。これを怠ると雑菌や汚れがレンズに残存し、それを目に付けることになるので目の病気になるということである。これを面倒と思い洗浄をしない方が意外と多い。
「あ……そういえば友達が言ってました。『洗うのめんどい』って」
裕二が思い出して呟く。
「安いのには理由があるってことだ。洗浄液を踏まえると……」
〇コンベ 約6000~20000円 + 5000~10000円
○マンスリー 約20000円 + 5000~10000円
○2ウィーク 約20000円 + 5000~10000円
○ワンデー 約50000~100000円(洗浄液なし)
「青龍さん、この5000円~10000円っていうのも性能などですか?」
ぐいぐい質問する遥に、青龍は俄然やる気を上げる。
「正解。洗浄液の種類については後で話すとして、『手入れが楽で少し値段が高い』か『手入れが面倒だけど安い』洗浄液に分かれる」
洗浄能力の高く、ケースに入れるだけの『つけおき洗浄』とレンズ自体を洗浄液を用い指で洗う『こすり洗い』の品に分類されるのである。
「安さにつられて2ウィーク使って洗浄怠ると後が悲惨だぞ。特に麒麟の奴、その辺りには滅茶苦茶厳しいからな。それに、結局は毎日洗ったとしても同じレンズをつけるんだ。劣化もするから見え方や付け心地も変わったりする。ワンデーはそこが毎日リセットされるから楽なんだよ」
もちろん価格が抑えられることは非常に大事。
重要なのは手入れの方法を理解し、きっちりと洗浄することである。
それが面倒であれば、眼鏡とワンデーの併用が安全なのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます