第五章
第188話 ゼロ距離の収録準備。
センセーショナルだった
「このビルの22階がオフィスだヨ」
そう言うと、
スーツ姿でヒールの高いパンプスの
(アルファードの運転中に、いろんな人に二度見されていた)
そして
あと、おっきなサングラスをかけて、口には黒いマスクをつけている。
なんともミスマッチな格好だ。でも、しょうがない。
テストプレイが日曜日になったのは、
もしも〝フーター〟の正体が、大人気モデルのFUTAHOだとバレてしまったら、
そうなってしまうと、
だからテストプレイは、休日の人気のいないオフィスの会議室で、こっそりと行うことになった。
テストプレイに立ち会うのも、〝フーター〟の正体を知っている、
チーン。
エレベーターは、最上階の22階に停まると、音もなく静かに開いた。
「な、なんじゃこりゃー」
目の前に広がった非現実的な空間に、
ダサ可愛いといえばいいのかな?
絶妙なセンスの昭和レトロなビビットな色遣いの宇宙船のような空間だ。
「なんというか……先鋭的なエントラスですね」
「ね、変わってるよねー。なんでも社長の趣味なんだって。半年前までは、まるでジャングルみたいだったヨ」
「さすが、大手ゲームメーカーの社長ですね! 遊び心があるっていうか」
「あははー。
そういいながら、
「撮影ルームは、会議室の一室を利用させてもらってるんだよネ」
そういいながら、
「おっはよー。ナナちゃん、クーちゃん!!
すると……。
「……セクハラで訴える」
なぜだか黒レースの下着姿で、お着換え真っ最中の
・
・
・
「ゴメン、ゴメン。ナナちゃん、そんなに拗ねないでヨ」
「ムツミンは許すけど、
「えええ!!」
「あはは、
「あのときの
タイツには無数のセンサーがついている。このセンサーで、前後左右の動きをスキャンしてVTuberの〝コジロー〟と〝ナナシ〟をリアルタイムで演じるんだ。
俺と、
「じゃ、そろそろ配信始めるし! みんな、準備はいい?」
撮影ディレクターの
「りょーかいのすけ!」
「りょーかいのすけ!」
「りょーかいのすけ!」
「りょーかいのすけ!」
俺たちは、お決まりの謎の業界用語で返事をする。
「それじゃあ、配信まで、5秒前……3……2……1……!」
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