第164話 クレバーなゼロ距離おねーさん。-G-
『フシャーーーーーーーーーー!!』
シルバー・プリンセスが二本の尻尾を蛇のようにくねらせて、
巫女さんのお祓い棒。霊力がこもった白木の棒で作った〝
『あ、
『なんだ。オォタニー持ってんじゃん』
『なんで今まで使わなかったんだろう?』
『知らね』
『でもすげーな、二刀流でもバッチリコンボを決めている』
『攻撃モーション全然違うのにな』
『覚えるのめっちゃ大変だった』
『俺はロンチからやってない人向けの施策だったんじゃないかなって予想してる』
『うん、実質新クラスが五つ増えたようなもん』
そう、武器を片手に持つのと両手で持つのでは、モーションが全く変化する。
特に攻撃モーションについては完全に別キャラだ。
(開発の手間を考えたらゾッとする)
そんな、ほとんど別キャラになった二刀流ダンス・シャーマンを、
『フギャーーーーーーーーーー!!』
俺たちは、シルバー・プリンセスの激しい攻撃をしのぎ続けていた。
シルバー・プリンセスの攻撃を喰らうわけにはいかない。
ダンスシャーマン、そしてそれをモデルにしたボス、シルバー・プリンセスは、敵から魔力をうばって精霊を召喚する。
つまり、物理ダメージを与えないと魔力を得られない。
最初にステージに置かれてあった細長いツボ。あれはきっと、ミイラの臓器を収納しているカノプス壺だ。
最初の融合精霊〝アトミック〟は、カノプス壺に納められた臓器を攻撃することで得た魔力で放ったものなんだ。
つまり、あの初見殺しの攻撃をしのいだ後は、シルバー・プリンセスの攻撃を極力喰らわないように立ち回ることで、精霊の召喚を封じ込むことができる。
俺と
一撃離脱が持ち味のエリアルハンターの〝フーター〟をあやつる
操作テクニックに自信がない俺は、陰陽導師の〝ロンリー〟に、〝
そんな俺たちをよそに、
「フォーちゃん、ちょっと無茶しすぎなのだ。攻撃が激しくなったら〝ロンリー〟の大楯に隠れて!!」
「hate ! I want to defeat this silver cat as soon as possible‼︎」
(イヤよ! 私はこの銀猫をとっととぬっころしたいの!!)
「まったく、こまったフォーちゃんなのだ」
「Even if you don't have to make extra avoidances, they will help you with wires, right? 〝フーター〟」
(だって、危なくなったら、〝フーター〟がワイヤーで助けてくれるじゃない)
その通り。どれだけ
いつも攻撃一辺倒の
……いや、確かに
トリプルオーバーキルが重要なこのゲームでは、フィニッシュに、ひと工夫が必要だ。
だから今は、
「The magic gauge accumulated.」
(よーし、ゲージが溜まった!)
(いつのまに壁際まで避難したんだろう……)
十分な安全圏まで移動した
「I'm going! Special Moves!! Synthetic spirits! Atomic!!」
(いっくよー必殺! 融合精霊! アトミック!!)
すると、頭上に魔法陣が浮かびあがり、正八面体の風の精霊シルフィードと、正四面体の炎の精霊サラマンダーが合体して、黄金色に輝く球体、融合精霊アトミックに変化する。俺は、大慌てで〝
「Be prepared for the Silver Cat!」
(銀猫、ぬっころす!!)
ぼっがーーーーーん!
融合精霊アトミックをモロに受けたシルバー・プリンセスは、えぐいくらいのダメージを受けていた。
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