第154話 睡眠ゼロよりまだマシだ。
俺が家に帰ると、まだ
そりゃそうだ。5キロの道のりを半分くらい全速力でかっ飛ばしたんだもの。俺は、いつもよりも、随分と早く家についてしまっていた。
とりあえず、ノドがカラカラだ。俺は2階のリビングにクーラーをつけると、キッチンの蛇口をひねる。そして、ザーザーと流れ落ちるながれる水にそのまま口をつけてゴクゴクとのみほすと、つづけざまにザブザブと顔を洗った。
ふう……生き返った。
ブルルル……ブルルル。
スマホのバイブレーションが小刻みに揺れる。
インタホーンで、まだ寝ている
俺は、ハンドタオルで顔をふくと、トントンと階段をおりて一階の玄関を開けた。
ガチャリ。
玄関には、長い黒髪をひっつめにしてグレーのストライプのスーツを着た、マネージャーモードの
「おはようございます。
俺は、リビングに
「今、
「お願いします」
そう言うと、
相変わらず、
階段を昇った俺は、そのまま自分の部屋をつっきって、
トントン。
「
「…………」
案の定、返事がない。
いつものことだ。たまーに、返事が聞こえる時もあるけれど、それはつまり、徹夜で
ガチャリ。
俺は、
かろうじて、足だけはベッドの上に乗っかっているものだから、だるんだるんのパーカーが、完全に顔にかかってしまっていて、『下着をはいたら負け』という、謎のストイック精神によりつちかわれたスタイル抜群の神ボディーが、むきだしのもろだしになっている。
「でたな……バケネコ……きょうこそ、ぬっころす……」
俺は、夢の中で
「むにゃ? なんだか一皮むけたものがあるのだ!」
と、俺の急所のカチンコチンに目掛けて、オーバーヘッドキックを浴びせてきた。
俺は、
あぶなかった。命中したらオーバーキルは確実だ。
(そして回避していたら
俺はジョギングで噴き出た汗が一気に引いていくのを感じながら、
そしてそのまま
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